「日本」の記事一覧

『失敗の本質』『武士道』『道しるべ』…中満泉・国連事務次長の「人生を変えた5冊」

<日本軍の組織論、新渡戸稲造、天文学者の自然科学書、そしてボスニア紛争での経験とシンクロした「アンネ」と、国連事務総長の孤独。国連日本人トップが多彩な5冊を紹介する。本誌「人生を変えた55冊」特集より> 私がいま関わる紛争の解決などの仕事に影響を及ぼしたのは子供の頃に読んだ『アンネの日記』。戦争の中で生きる個人の重たい描写もあれば、普通の女の子らしい人生を生きていたという面もあったことが印象に残っている。体験ではなく知識で戦争を学ぶと、一人一人の顔、生きざまが見えてこないが、それを理解できるような本...

いまだ石炭重用する日本、「7つの業界」がエネルギー政策に大きく関与 英団体が調査

英国の非営利組織インフルエンスマップはこのほど、国内総生産(GDP)の1割に満たないごく一部の業界が、日本の気候変動・エネルギー政策に大きな影響を与えているとする調査をまとめた。 日本の50の主要な経済・業界団体を選出して検証したもので、気候変動・エネルギー政策への関与の度合いをそれぞれ点数化した。 ロイターが事前に入手した調査報告書は、鉄鋼、電力、自動車、セメント、電気機器、 石油・石油化学、石炭関連の7つの産業が業界団体を通じて積極的に国の政策に働きかけていると指摘。「パリ協定と整合する気候変動...

NEWS・加藤シゲアキが愛する『ライ麦畑』と希望をもらった『火花』

<自分はジャニーズでありながら本を書いて、時々「それでいいのかな」と考えたりするんです――そんな彼に『火花』は希望をくれた。小説を読む感動の原体験、「結局、好き」な1冊......。加藤シゲアキの価値観を揺さぶった5冊を紹介する。本誌「人生を変えた55冊」特集より> 僕にとっての人生の一冊、小説を読む感動の原体験となっているのが『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(J・D・サリンジャー、『ライ麦畑でつかまえて』の邦題もあり)。そこで描かれているのが自分のことのように感じられ、共感し、とにかく没入してしま...

日本人の親による「子供連れ去り」にEU激怒──厳しい対日決議はなぜ起きたか

<国際結婚と離婚の増加に伴って、日本の単独親権制度が問題に。子供に会えない悩みで自殺したフランス人男性もいる> 「まだ離婚していないのに、まだ親権を持っているのに、なぜ1年以上前から自分の子供に会えないのか」と、日本に住むあるフランス人男性が言う。2018年、長男の3歳の誕生日に彼が帰宅したら妻と2人の子供がいなくなっており、家はほぼ空っぽだった。「孫は突然連れ去られたが、日本の警察などが助けてくれないのはなぜか」と、男性の親も批判する。 2005年頃から欧米で問題になっているのが、「日本人の親によ...

死刑に賛成する弁護士もいる、終身刑ではいけない理由を彼らはこう言う

<冤罪のおそれがある、生きて償うべき......。死刑制度に反対する人たちはこのような意見を述べるが、果たしてそれは正しいのか。日弁連の見解に反対する弁護士たちが声を上げた> 弁護士には多少なりとも、「死刑制度に反対している」というイメージがあるように思う。事実、日本弁護士連合会(日弁連)はたびたび死刑制度廃止運動を行っているし、日弁連会長は死刑が執行されるたびに抗議の声明を出してもいる。 だが『死刑賛成弁護士』(犯罪被害者支援弁護士フォーラム・著、文春新書)の著者は、「死刑制度に反対する弁護士たち...

太田光を変えた5冊──藤村、太宰からヴォネガットまで「笑い」の原点に哲学あり

<友達が1人もできなかった高校時代、いつもポケットに文庫本を入れていた。悶々とした日々から現在の笑いが生まれるまで、爆笑問題の太田光を変えた厳選5冊を聞く。特集「人生を変えた55冊」より> 7月下旬、東京・阿佐ヶ谷駅にほど近い、芸能プロダクション「タイタン」事務所。大の読書家として知られ、これまでメディアでも多くの愛読書について語ってきたお笑いコンビ「爆笑問題」の太田光に、事務所の一室で「自分を変えた5冊」について本誌・小暮聡子が聞いた。 ◇ ◇ ◇ まず、最近読んだ本は? 「物理学の本。あっちじゃ...

『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』は何の本か?

<「自尊心」をキーワードに沖縄の貧困問題に迫った『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』の著者自身が、反響の大きさを受け、本の成り立ちを説明する> 拙著が物議を醸している。沖縄最大のジュンク堂書店那覇店では6週間連続総合ランキング1位(7月末現在)であることをはじめ、全国的にも大いに注目され、出版から1ヶ月もたたないうちに4刷が決まった。手に取ってくださっている多くの方々は、驚き、勇気づけられ、感動し、涙する一方で、激怒し、恨み、絶望する人たちもいる。 そうなることを望んでいたわけではないが、現実に...

【独占】押谷仁教授が語る、PCR検査の有用性とリスクとの向き合い方

<日本のクラスター対策を主導してきた東北大学の押谷教授。7月6日、独占インタビューを行い、積極的なPCR検査の必要性や新宿区「夜の街」の状況について聞いた。本誌「ルポ新宿歌舞伎町『夜の街』のリアル」特集より> 積極的なPCR検査の必要性と現在の新宿区の状況を、厚生労働省クラスター対策班を率いてきた東北大学の押谷仁教授はどうみるか。ノンフィクションライターの石戸諭が押谷に聞いた(取材は7月6日、構成は本誌編集部)。 ◇ ◇ ◇ ──3月の段階で、押谷さんは日本はPCR検査数を抑えていると発言していた。...

コロナ危機で、日本企業の意外な「打たれ強さ」が見えてきた

<「失われた20年」の教訓は無駄ではなかった。今の日本企業の踏ん張りには合格点を付けていい。本誌「コロナで変わる 日本的経営」特集より> リーマン・ショックと違って、今回の危機は日本にとってそう悪くない危機だ。欧米諸国と比べ、死者数が桁違いに少ないばかりか、経済的な打撃もさほど深刻ではない。 2008年の世界金融危機を引き起こしたのはアメリカのサブプライムローン問題。日本にとってはいわば対岸の火事にすぎない危機だったが、それでもGDPはアメリカなど他の先進国を大幅に超える落ち込みぶりだった。 08年...

沖縄は日本で最も自尊心の低い地域、とこの本の著者は言う

<好景気の中で貧困が生じ、優しさの中で人が苦しむ――そんな沖縄の謎を16年前に沖縄に渡った元証券マンが分析した『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』> かつて職場で、沖縄出身のアルバイト青年に働いてもらっていたとき、かなり戸惑ったことを憶えている。温厚で性格も穏やか、仕事もきちんとできるのに、時間にルーズであることを気にも留めないなど、こちらが"常識"だと思っていることが通用しない場面が多かったのである。 もちろん、彼が沖縄の全てではない。だが、『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』(樋口耕太郎...