「日本」の記事一覧

硫黄島記念碑の星条旗にアメリカ人が見いだす真の意味

<歴史家キース・ロウが解き明かす、太平洋戦争が米国旗に与えた決定的な意味> 戦争の記念碑が立てられるのは、勝利を祝福し、敗北を嘆くためだ。建物の壁に多くの戦死者の名前が刻み込まれるのは、後世が彼らの犠牲の上に成り立っていることを知らしめるためだ。 しかし時代や社会の価値観が変わって、英雄とたたえられてきた人がもはや英雄ではないと見なされるようになったら、その記念碑や銅像はどうすればいいのか。 イギリス人歴史家のキース・ロウは新著『歴史の囚人──記念碑は歴史と私たちについて何を物語っているか』(セント...

TBS久保田智子が選択した「特別養子縁組」という幸せのカタチ

<TBS元アナウンサーの久保田智子はなぜ養子を迎える選択をしたのか。特別養子縁組制度とは何なのか。特集「ルポ特別養子縁組」全文を前後編に分けて公開する(こちらはルポ前編です)> 「養子」という言葉を聞いたとき、どんなイメージを抱くだろうか。何か事情がありそうな子供、「かわいそうな」子供、もしくは「幸せな」子供――? こと「特別養子縁組」についての印象となると、今の日本では「どちらともいえない」が68.4%を占める。今年3月に日本財団が行った調査によると、この回答のほかポジティブなイメージを持っている...

母となったTBS久保田智子の葛藤の訳と「養子」の真実

<特別養子縁組で母となったTBS元アナ・久保田智子が抱えていた「劣等感」とその先に見つけた幸せのカタチ、「養子」に対する社会の先入観と養子縁組家庭の真実とは。特集「ルポ特別養子縁組」全文を前後編に分けて公開する(こちらはルポ後編です)> ※前編はこちら:TBS久保田智子が選択した「特別養子縁組」という幸せのカタチ(ルポ前編) 血のつながりのない子供を「わが子」として愛せるのか。特別養子縁組を検討する人にとっては、気掛かりな点の1つだ。ハナちゃんと1年10カ月過ごしてきた久保田は、今となっては「毎日一...

大学入試「現代文」の人──山崎正和から託されたもの

<2020年8月19日、86歳でこの世を去った山崎正和。「戦後最後の知識人」などと訃報が報じられたが、「劇作家」が唱えた「社交」、そして「公徳心」という私たちへのメッセージとは何だったのか> あなたが山崎正和の名を初めて見聞きしたのはどこであっただろうか。政府・行政機関の有識者として新聞などメディアを通じて知っている人もいるだろうが、多くの人にとっては「水の東西」『社交する人間』『柔らかい個人主義の誕生』など、大学入試や模試の「現代文」での出合いだったのではないだろうか。 その「現代文の人」は今年8...

文字に色を感じる「共感覚」の女性はどんな半生を生きてきたのか

<幼稚園では、ハーモニカにシールを貼るときに困った。高校生のとき、先生に「そういう才能」と言われた。そして彼女は今、共感覚者であることを誇りに思っている> 『1は赤い。そして世界は緑と青でできている。』(望月菜南子・著、飛鳥新社)の著者は、幼稚園に通っていた3歳のとき、自分の名前のことで悩んでいたのだそうだ。 「女の子に生まれたのに、どうして男の子みたいな色の名前をつけられたのか」と。 私の下の名前「ななこ」の「な」は、うぐいす色みたいな渋い緑色。そして、「こ」はくすんだ感じの暗い赤。 なんで緑色が...

健康寿命の延伸とは──マイナス面への配慮も必要

<従来の平均寿命は必ずしも高齢者の生活の質を反映していないという理由から健康寿命という指標が使われ始めたが、障害のある人の生きにくさを助長する危険性などにも留意すべきだ> *この記事は、ニッセイ基礎研究所レポート(2020年12月8日付)からの転載です。 人口の高齢化が進む中、「健康寿命」を伸ばす必要性が論じられている。健康寿命とは一般的に「医療・介護が必要のない状態」を指しており、平均寿命だけでは、高齢者の生活・健康状態や生活の質(QOL)を把握しにくいため、こうした指標が用いられるようになった。...

「養子縁組」で母になったTBS久保田智子、いま何を思うのか

<TBS元アナウンサーの久保田智子は、特別養子縁組制度がつないだ縁で母になった。なぜその選択をしたのか、「家族」に血のつながりは必要か、彼女が語る「幸せのカタチ」とは――> TBSの元アナウンサーで、2016年に退社後、今月1日付で同社の報道局に復帰した久保田智子(43)は現在、1歳10カ月の女児の母だ。彼女は19年1月、特別養子縁組がつないだ縁で生後4日目のハナちゃん(仮名)を養子に迎えた。 特別養子縁組とは、厚生労働省の言葉で言うと「子の福祉を積極的に確保する観点から、戸籍の記載が実親子とほぼ同...

中国輸出管理法――日本がレアアース規制対象となる可能性は低い

輸出管理法がレアアース規制を含むのか、その場合日本が対象国となり得るのか否かに関して日本企業の不安が大きい。しかし「環球時報」情報と同法条文を見る限り、対象国は選別され日本は対象外となる可能性が高い。 「環球時報」英文情報を読み解く 今年11月26日付の中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹版「環球時報」(英語版)はConcerns about export restrictions drive up rare-earth prices (輸出規制の懸念がレアアース価格を押し上げている)というタイトルで...

日本の累計感染者数を超えたアメリカの1日感染者数

<人口の差を踏まえてもその差は桁違い。ただ一つ、日本は検査数もまた桁違いに少ないことには留意すべきだ> アメリカでは2020年11月27日、1日の新型コロナウイルス新規感染者数がついに20万人を突破した。20万という数字は、アジアで感染状況が最も深刻な国のひとつである日本の累計感染者数を上回る。 ジョンズ・ホプキンス大学(JHU)がまとめたデータによると、アメリカでは11月27日、1日の感染者数が20万5557人と過去最高を記録した。同じ日の日本の累計感染者数14万2778人だから1日でそれを6万人...

日本の外交敗北──中国に反論できない日本を確認しに来た王毅外相

王毅外相が尖閣を中国の領土としたのに対して日本がその場で反論しなかったことを中国は外交勝利と狂喜している。GDP規模が2025年にはアメリカの9割に及ぶとしたIMF予測を背景に中国は強気に出たのだ。 王毅外相に反論できなかった日本の無残な敗北 11月24日、中国の王毅外相は茂木外相と会談し、会談後の記者会見で「最近、一部の正体不明の日本の漁船が釣魚島(尖閣諸島)のデリケートな海域に侵入している。中国はそれに対して必要な対応をするしかない。この問題に関する中国の立場は非常に明確で、われわれは今後も引き...