「東南アジア」の記事一覧

菅首相、訪問先のインドネシアで500億円の円借款供与 ジョコ大統領と安保、医療でも協力を決めたが──

<初の外遊先のひとつ、インドネシアで菅首相が得た成果の内実は> 首相就任後初の外遊としてベトナムに続いてインドネシアを訪問中の菅義偉首相は10月20日午後、首都ジャカルタ南郊のボゴールにある大統領宮殿でジョコ・ウィドド大統領との首脳会談、関係閣僚も加わった会談に相次いで臨んだ。 会談では、日本政府としてインドネシア側に500億円の円借款を供与することやコロナ対策、インフラ整備計画推進への協力、さらに安全保障問題や地域問題を協議するために新たに両国間で外務・防衛相レベルの「2+2(ツープラスツー)」会...

タイの反政府デモ隊「全員がリーダー」合言葉に拡大 抗議活動とともに市民の通行確保も

「彼らはリーダーの逮捕で、デモ隊を止められると思っている。無駄だ。今ではわれわれ全員がリーダーだ」──。プラさん(24)は18日、タイの首都・バンコクの戦勝記念塔前で開かれた反政府集会で、数千人の参加者を前にこう演説した。 タイではこの1週間、反政府デモ隊の主だったリーダーの多くが逮捕された。だが、抗議活動は拡大し、プラユット首相の退陣や王室改革を求める声はこれまで以上に高まっている。 デモ隊ではこれまで無名だった参加者が、香港の反政府活動から得た教訓と、自ら編み出した手法を組み合わせて警察の取り締...

ベトナム訪問の菅首相、フック首相と防衛装備の技術移転で合意

加藤勝信官房長官は19日午後の会見で、日本とベトナムが防衛装備品の技術移転協定の締結で合意したことに関連し、この協定は特定の国や地域を念頭に置いていないとの見解を示した。 加藤官房長官は、どの装備品を対象にするかについてはコメントを避けた上で「特定の国や地域を念頭に置いたものではない」と語った。 ベトナムを訪問中の菅義偉首相は19日午前、フック首相と会談し、防衛装備品の技術移転協定を締結することで実質的に合意。菅首相は「ベトナムは自由で開かれたインド太平洋を実現する上で要。日本は今後ともこの地の平和...

インドネシアのパプア人牧師殺害事件、国家人権委員会が独自調査 軍が学校に駐屯など新事実も

<政府の独立機関が捜査をしたことでパプア住民の軍・警察への不信がより鮮明に> インドネシア東端に位置するパプア州の山間部で9月19日にパプア人牧師が射殺された事件が発生してから1カ月。行き詰っていた真相解明をめぐり新たな調査が動きだした。 これまで射殺犯について軍や警察は、パプア州山間部のインタンジャヤ州で活動する独立派武装組織(治安当局は単に武装犯罪集団と呼称)の犯行と発表。一方、地元住民やキリスト教会関係者は陸軍の兵士による射殺だとして、主張が真っ向から対立。 治安当局による捜査は住民の信頼や協...

タイ首都バンコクで連日の反政府集会 プラユット首相は対話の意向も

タイの首都バンコクで18日、数千人規模の反政府集会が開かれた。政府は15日に集会を禁止したものの、4日連続で「独裁制打倒」や「王室改革」を訴える抗議行動が行われている。 これまでに複数の集会指導者や参加者が逮捕され、一部で警察が放水による鎮圧に動いたほか、デモ隊が移動するのを防ぐためバンコク市内のほとんどの鉄道は運休した。それでもこの日も雨の中、拘束された指導者の写真を掲げながら「仲間を解放せよ」と多くの人々が気勢を上げた。 退陣を求められているプラユット首相の報道官は、首相は抗議行動が一段と広がり...

タイ政府、首都のデモ激化受け集会・報道を制限 警察は首相府占拠のデモ隊排除

タイ政府は15日、抗議デモの過熱を防ぐ緊急措置として、首都バンコクでの5人以上の集会を禁止した。 政府の発表文書によると、「恐怖を生み出す恐れ」や、国家の安全保障に悪影響を与えたり、国民の士気を低下させたりする恐れのあるニュースやオンラインメッセージの発信も禁止される。また、当局が指定した地区へのアクセスも禁じられる可能性がある。 バンコクでは前日、デモ隊が首相府の周囲を占拠し、国王の車列を妨害するなど、抗議活動が激しくなっていた。 国営テレビは「こうした状況を効果的に終わらせ、速やかに平和と秩序を...

マレーシア王宮、コロナ制限で全会合延期 新政権樹立目指すアンワル氏めぐる決定先送り

マレーシア王宮は、新型コロナウイルス流行に伴う制限令を受け、14日以降の全ての会合を2週間見合わせる。王宮関係者が明らかにした。野党を率いるアンワル氏が新政権樹立を目指していることを巡り、国王の決定が先送りされる公算が大きい。 アンワル氏は13日、国王と面会し、下院(定数222)議員のうち120人からの支持を得たことを示す文書を提出したことを明らかにした。同氏は自らが議会の「信任」を得たとしてムヒディン首相の辞任を求め、新政権の樹立を目指している。今後の政局混迷打開に向け、国王の判断が焦点となってい...

パプア牧師殺人事件、政府調査団を地元教会が拒否 当局は現地に軍事作戦地域を発令か

<パプア地方の人権問題に理解を示す大統領も、準戦時体制とすることを許容するか──> インドネシアの東端、ニューギニア島西半分を占めるパプア地方(パプア州、西パプア州)でキリスト教会のパプア人牧師が殺害された事件の捜査が難航する中、ジョコ・ウィドド内閣の閣僚が編制、派遣を命じた「合同調査チーム」を地元のキリスト教会評議会が拒否していることが明らかになった。 牧師殺害事件では治安当局がパプア人独立組織の犯行とみなす一方で、パプア人やキリスト教関係者は陸軍兵士による犯行だと訴え、主張が対立している。 政府...

その数333基、世界一のダム輸出国・中国の「無責任」

<決壊、ひび割れ、水資源対立......。アフリカ・アジアを中心に各地でダム建設を進める中国だが、この「ダム輸出」は単なる善意の経済支援ではない。本誌「中国ダムは時限爆弾なのか」特集より> 中国は世界のダム建設数第1位の「ダム輸出王国」である。 環境保護団体インターナショナル・リバーズの2014年のデータによれば、中国が国外で建設したダムの総数は333基に上り、その半数以上がアジア(57%)、特に東南アジア(38%)に位置している。次にアフリカ(26%)が多く、さらに南米(8%)、ヨーロッパ(7%、...

インドネシア、パプア牧師殺害事件は捜査難航 「独立派記念日」12月1日に向け緊張高まる

<独立武装闘争が盛んなパプア地方で起きた殺人事件は、その地域性のゆえに捜査が難航> インドネシアのパプア地方のパプア州山間部で9月に起きたキリスト教会パプア人牧師の殺害事件。捜査している国軍と警察による合同捜査チームは事件に関する証人の発見や証拠収集などを進めて犯人検挙を鋭意目指している。 しかし、予想以上の困難に直面して捜査が実質上行き詰まりをみせていることが地元メディアなどで明らかになった。 パプア地方(西パプア州、パプア州)の独立を求めて武装闘争を続ける独立派組織や支援者にとっては「独立記念日...