「東南アジア」の記事一覧

中国、ミャンマー国境に有刺鉄線の「壁」建設中 既に3分の1が完成

<表向きは、違法な越境と感染症の拡大防止を目的としているが...> 中国はミャンマーとの国境に2100キロに及ぶ有刺鉄線の「壁」を築いているようだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が12月半ば、中国南部の雲南省で撮影された有刺鉄線のフェンスの写真を報じた。写真はミャンマーに接する同省内で撮影され、ソーシャルメディアに投稿されたものとみられる。 中国の報道ではフェンスの建設は違法越境と新型コロナの感染防止とされているが、中国国内の反体制派の国外逃亡を防ぐ目的かもしれない。雲南省に隣接するミャ...

フィリピン滞在のサウジアラビア人男性逮捕 中東ISメンバーの入国を支援

<中東=東南アジアを結ぶキーパースン逮捕でテロ勢力弱体化へ> フィリピン国家警察犯罪捜査局が12月初旬にフィリピンに滞在しているサウジアラビア国籍の男性をテロ関連容疑で逮捕していたことが明らかになった。 この男性容疑者は、中東のテロ組織「イスラム国(IS)」と密接な関係があるIS東アジア組織の支援者として、中東からフィリピンに不法に渡航してくるIS関係者などの入国を支援していた疑いがもたれているという。 国家警察は12月9日、フィリピン南部ミンダナオ島コタバト市の自宅にいたサウジアラビア国籍のアデル...

麻薬関与疑惑の町長、襲われ銃殺 フィリピン、3年で自治体幹部19人犠牲の恐怖

フィリピン・ルソン島ラグナ州ロスバニョス町の庁舎敷地内で12月3日午後8時45分ごろ、同町のシーザー・ペレス町長(66)が正体不明の男性とみられる犯人から銃撃を受けて射殺される事件が起きた。地元警察は現場から車で逃走した殺人犯の行方を追っているが、これまでのところ有力な手掛かりはみつかっていないという。 地元メディアの報道によると、ペレス町長は、麻薬関連犯罪の撲滅を目指すドゥテルテ大統領の肝いりで捜査当局が作成した「麻薬犯罪に関与した疑いのある人物リスト」に名前が記載されていたという。ただ、今回の...

孤児支援の募金かたりテロ活動 バリ爆弾テロの実行組織、まさかの資金調達方法

<202人もの犠牲者を出したテロ事件の実行組織が、長年活動してきた資金の出所は意外なところだった> インドネシアの国家警察と対テロ特殊部隊である「デンスス88」は、同国のイスラム系テロ組織である「ジェマ・イスラミア(JI)」がコンビニエンスストアやガソリンスタンドなどの一般商業スペースに設置した募金箱を使ってテロ活動の資金を調達して武器購入、爆弾製造などの元手に充てていたことを解明したと発表した。 募金箱はいずれもJIが設立した孤児支援団体などを名乗ったNGO団体を装い、JIメンバーがボランティアと...

インドネシア、人里離れた集落のキリスト教徒4人惨殺 ISとつながるイスラム系テロ組織MITの犯行

<ISと関連があるテロ組織が残虐な手法で村人が殺害された──> インドネシア・スラウェシ島中部スラウェシ州で11月27日、人里離れた集落が武装したグループに襲われ、住民4人が殺害される事件がおきた。 現地治安当局は殺害を免れた住民らの証言や殺害された4人が全員キリスト教徒であることなどから、襲撃グループは同州ポソ周辺を本拠地として活動を続けるイスラム教系テロ組織「東部インドネシアのムジャヒディン(MIT)」である可能性が極めて高いと断定して捜査を続けている。 MITは中東のテロ組織「イスラム国(IS...

インドネシア、現職閣僚が汚職容疑で逮捕 「牙抜かれた」政府の汚職捜査機関KPKが久びさの快挙

<権限縮小などで弱体化された捜査機関だが、社会不正をただす情熱は消えていなかった> インドネシアの政府機関「国家汚職撲滅委員会(KPK)」は11月25日、現職閣僚のエディ・プラボウォ海洋水産相を汚職容疑で逮捕したことを明らかにした。 KPKによるとインドネシアが今年5月新たに解禁したロブスターの幼生を海外に輸出する政策をめぐり、エディ容疑者が担当大臣として輸出業者などから多額の賄賂を受け取っていた疑いがあるという。 エディ容疑者とともに訪米に同行していた妻や海洋水産省関係者、贈賄側の輸出業者なども逮...

タイ政府、王室への不敬罪2年ぶりに適用へ 天下の宝刀抜き、反政府運動は新局面へ

<批判が許されない王室への改革を求めるデモ隊に明日は来るか?> 学生や若者を中心とした反政府運動が続き、社会不安が高まっているタイで11月24日、ワチラロンコン国王や王室への批判、誹謗を許さない「不敬罪」の適用方針が明らかになった。 最高で禁固15年というタイの厳しい「不敬罪」は「不敬」の適用範囲が必ずしも明確でなく、時の政権や治安当局による「恣意的運用」が人権侵害や言論統制につながるとして人権団体やメディアなどから批判の声が長年上がっていた。 しかしプラユット政権は過去2年間、この「不敬罪」の適用...

「イスラム教徒はフランス人殺す権利」 斬首テロめぐるマハティール発言に「テロと宗教は無関係」とインドネシア大統領

<ムハンマドの風刺画は表現の自由というフランス大統領の発言は東南アジアにも大きな波紋を起こしている> インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は10月31日、フランスで発生したイスラム教預言者ムハンマドの風刺画を巡る殺人事件とそれに伴うマクロン仏大統領の発言に関して声明を発表し「テロと宗教は無関係である」としてインドネシア国民に冷静な対応を呼びかけた。 10月16日にパリ近郊でフランス人中学校教師(47)がイスラム教過激派とされるチェチェン系ロシア人(18)に首を切られて殺害された。この教師が授業中にム...

タイ、国会議場で野党議員が3度腕を切る「流血の抗議」 反政府デモの混乱は政界にも影響

<若者たちの抗議に対して義憤に駆られた野党議員がまさかの行動に──> 学生ら若者を中心に続くタイ・バンコクの反政府デモは連日、警察の警戒をかいくぐるように各所で行われている。これまでのところ治安当局との大きな衝突や流血の惨事は起きていないが、連日の大規模デモに治安当局は放水や催涙ガスなどで対応している。ただ一向に沈静化しないデモにプラユット政権は疲労と焦燥を強めている。 そんななか、10月27日に開会中の国会本会議の議場で野党議員の一人が突然自分の腕を刃物で切る自傷行為を行い、学生デモへの同情と当局...

民主化求めるデモ隊に守勢のタイ王制支持派 「国王の意思」力に反転攻勢を狙う

抗議デモに包囲された首相府は、ワチラロンコン国王が散策する写真をツイッターに投稿した。付されていたハッシュタグは、「#KingKeepFighting(王は戦い続ける)」である。 抗議デモによるプラユット・チャンオチャ首相への退陣要求、そしてタイ王制にとって数十年来で最大の試練に直面して、王制支持のエスタブリッシュメント(支配層)は、反撃に向けた勢力結集を図ろうとする素振りを見せつつある。 抗議デモがますます王制批判の色を強める中で、王宮は数カ月にわたり沈黙を保ってきた。だが、2014年に権力を掌握...