「核兵器」の記事一覧

冷戦終結以降の軍縮路線を捨てて「核軍拡」に舵を切るイギリス

<ロシアや中国などの脅威に対抗するため、核弾頭の数を増やすと発表した> イギリスが数十年ぶりに「核軍拡」に踏み切る。3月16日、ジョンソン英首相がこの先10年の安全保障と外交の方針として、冷戦終結以降、30年にわたって既定路線だった軍縮の方針を捨て、核弾頭の数を増やすと発表した。ロシアや中国など敵国からの脅威に対抗するためだという。 現在、イギリスの核兵器保有数は世界5位だ。今後、保有する核弾頭数の上限を現状の180から260に引き上げ、サイバー攻撃や生物兵器、化学兵器による破壊的な脅威に対抗するた...

クアッドで議論されるべき人民解放軍の本当の脅威

<中国は軍備増強と兵器システムの刷新を進めているが、軍内部には脆弱性も抱えている> 中国の潜在的な脅威を視野に入れた非公式な対話の枠組み「日米豪印戦略対話」(クアッド)の初の首脳会談がオンライン形式で米東部時間の3月12日に開催される予定だ。 会談に先立ち、デービッド・フィリップ米インド太平洋軍司令官が3月9日に米議会で行なった証言が注目されている。 とりわけ国境地帯で中国と小競り合いが絶えないインドにとっては、ヒマラヤのラダック地域の複数の拠点に中国軍が居座り続けているというフィリップ司令官の証言...

バイデンは戦争回避のためイラン核合意に復帰せよ(元米当局者)

<「アメリカにとって最大の脅威はイランの核武装。その阻止に向けた最善の手段」が核合意への復帰だと、元当局者らが主張> 米安全保障・外交分野の元当局者41人が、ジョー・バイデン大統領にイラク核合意への早期復帰を求める公開書簡を連名で送った。復帰しなければ新たな戦争に道を開きかねず、アメリカにとって大きな負担が生じるという。 核合意はバイデンが副大統領を務めたオバマ政権下の2015年に結ばれたもので、バイデンはもともと復帰には前向きな姿勢だ。ただ現在は、復帰の条件でイランと折り合わず非難の応酬が続いてい...

核科学者暗殺の報復誓うイラン 開発加速で国際社会との対立は激化へ

<「核開発の父」暗殺を受け、イラン議会はIAEAの査察拒否やウラン濃縮を推進できる新法を可決> イランのハタミ国防相は昨年12月中旬、軍の核兵器開発を統括する防衛技術革新機構(SPND)の予算を256%増額すると発言した。国際社会の働き掛けや米トランプ政権の脅しを無視して核開発予算を大幅に増やす判断は、イランと国際社会の対立が一段と激化した表れと言える。 引き金となったのは、「イラン核開発の父」としてSPNDを率いてきたモフセン・ファクリザデが11月末にテヘラン近郊で暗殺された事件。イラン当局はイス...

北朝鮮のタカ派外相、姿見えず──バイデン次期政権睨んで交代か

<秋以降、対米強硬派の李善権外相が公の場に姿見せていない。話し合い路線へ転換の兆し?> 対米強硬派として知られる北朝鮮の李善権(リ・ソングォン)外相が公の場に姿を見せなくなって久しい。アメリカの政権交代を前に、朝鮮労働党委員長の金正恩(キム・ジョンウン)はもっと交渉手腕に優れた人物を新たな外相に任命する計画だとも伝えられている。 韓国の朝鮮日報によれば、李外相は8月を最後に公の場で目撃されていない。また、韓国の聯合通信は、これが今後の人事と関係があるのか事態を「注視している」という韓国政府高官の話を...

アメリカは長崎に2つ目の原爆を落とす必要があったのか?

<広島に続き長崎にも原爆を投下したことで、戦争の終結が早まり多くの命が救われたと主張する肯定論の背景にあるもの> 8月9日、長崎は原爆投下から75年の節目を迎えた。長崎への原爆投下は、第2次世界大戦の終盤における重大な出来事の1つで、広島に続く歴史上2度目の核攻撃だった。 1945年8月9日に長崎に投下された原爆「ファットマン」は、その年のうちに7万人以上の死者を出し、その多くは原爆投下から24時間以内に命を落とした。原爆により長崎市浦上地区は完全に破壊され、後に残ったのは一握りの建物だけだった。 ...

原爆投下75年、あの日アメリカが世界に核兵器をもたらした、と各国が非難

<核保有国も非保有国も、それぞれの立場から原爆の犠牲を悼み、アメリカの核政策を恨み、核廃絶を訴えた> 広島と長崎に原爆が投下されて75年、アメリカの外交政策に批判的な複数の国が、世界に核戦争を持ち込んだアメリカを強く非難した。 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、広島に原爆が投下された8月6日、平和記念式典の参列者に向けてメッセージを発表。「罪のない民間人の痛ましい死は、今も地球上の多くの人の心に残っている」と述べた。第2次大戦の終盤に投下された原爆により、広島では15万人が死亡。広島の3日後に原爆が...