「格差」の記事一覧

アメリカの新型コロナ死亡者の40%は「トランプのせい」と報告書

<歴史ある医学誌ランセットに発表された報告書がトランプ政権のコロナ対策を厳しく糾弾> 2020年に新型コロナウイルスで死亡したアメリカ人のうち約40%は、ドナルド・トランプが大統領でなければ死を免れていただろう――医学誌に新たに発表された報告書が、そう指摘した。 2月11日発行の医学誌ランセット(世界で最も歴史があり知名度も高い医学誌)に発表されたこの報告書は、パンデミックが起きる前の2018年で見ても、ほかのG7諸国(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス)の人口あたりの死亡率と比較す...

飽食ニッポンで「飢餓」経験者が急増している

<食品ロスが社会問題になる一方で飢餓が広がるのは、それだけ格差が大きくなっているため> 新型コロナウイルスの影響で、日本社会は大変な状況が続いているが、昨年は天候が良く、農作物の育ちが良い豊作だったそうだ。しかし外食産業の落ち込みで需要が減っているので、供給過剰で値崩れが起き、農家は頭を抱えている。いわゆる豊作貧乏だ。 余剰の農作物は廃棄されるという。コロナ禍で1日1食という人もいるのだから、困っている人、お腹を空かせている人に届けることはできないものだろうか。食べられる物を捨てる、いわゆる食品ロス...

日本の小学生のスマホ所持率が、貧困層と富裕層の両方で高い理由

<低所得層には一人親世帯が多く、高所得層には共稼ぎ世帯が多いため、子どもに連絡手段として持たせていることも考えられる> 未来社会を言い表す言葉として「Society 5.0」がある。サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会のことだ(内閣府)。 生産・流通・販売、交通、健康・医療、金融、公共サービス等の幅広い産業構造の変革、人々の働き方やライフスタイルの変化を伴うのは必至で、スマホといった情報機器が生活に...

黒人住宅街「富裕化」に猛抗議するレッドハウスの住民たち

米オレゴン州ポートランドの街角でソファに座るのは、黒人居住区からの強制退去に抗議する人々だ。 この地域では「都市の富裕化」が進んでおり、裁判所も差し押さえを理由に、黒人と先住民の一家に65年間住んでいた家から退去するよう命令。 その家は「レッドハウス」の名で、住民たちによる激しい抗議活動のシンボルとなっている。 <2020年12月29日/2021年1月5日号掲載> ===== 抗議活動のシンボルとなっている「レッドハウス」 KGW News-YouTube...

コロナ禍で米富裕層はますます豊かに 苦しい労働者が「逆支援」

<好業績を上げながらそれを労働者に還元しない企業のせいでアメリカの格差はますます拡大しているとシンクタンクが指摘> 経済格差とそれが地域社会の健康に及ぼす影響について調べた新たな報告書が発表され、アメリカの億万長者の資産総額がコロナ禍で1兆ドル近く増えたことが分かった。それも、コロナ禍で収入が減ったり失業した多くのアメリカ人が固唾を飲んで見守るコロナ支援策の第二弾が議会で停滞する一方でだ。 シンクタンク「政策問題研究所」が労組や地域団体などのネットワーク「社会正義のための団体交渉」、非営利組織「ユナ...

米ミレニアル世代は30代の頃のベビーブーマーより4倍貧しい

<コロナ禍で世代間の格差がさらに拡大、ミレニアル世代の資産は親の世代が30代だった頃と比較すると大幅に少ない> アメリカのミレニアル世代(1981年から1996年までに生まれ、現在24歳から39歳)は、7200万人の労働力があり国内の労働人口としては最大の比率を占めるが、所有する資産は国全体の4.6%に過ぎないことが分かった。 一方、1946年から1964年に生まれたベビーブーマー世代は、ミレニアル世代の10倍の資産を保有している。若年層が年長の世代より金がないのは普通のことだが、1989年に働いて...

パンデミック後には大規模な騒乱が起こる

<疫病の歴史によると、パンデミックの後にはまともな抗議運動が力を失い、時の権力を揺るがすような騒乱が起こることが多い。その因果関係は?> 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が終息すれば、世界各地で再び社会不安が高まる可能性がある──2人の研究者がこう警告し、3つの理由を挙げて説明した。 イタリアにあるボッコーニ大学のマッシモ・モレッリ教授(政治科学)とフェラーラ大学のロベルト・チェンソロ教授(経済学・経営学)は、学術誌「ピース・エコノミクス、ピース・サイエンス・アンド・パブリック・ポリ...

米貧困層は郵便投票の切手代がない!

<切手購入がむずかしい低所得の少数派の選挙権を奪えば格差の拡大再生産になると、権利団体は送料の無料化を要求している> 11月の大統領選に向けて郵便投票をめぐる議論が盛んだが、そこに新たな問題が持ち上がった。アメリカは世界最大の新型コロナウイルス感染国で、その勢いはまだ収まらない。「密」になりがちな投票所に出かけるのは危険なため、郵便投票が奨励されている。 だが、ドナルド・トランプ大統領は不正の温床だとして郵便投票に反対しているし、トランプが最近指名したばかりの郵政長官はトランプに有利な郵便「改革」を...

「私は恵まれていたが、ディケンズで社会の不平等を知った」哲学者マーサ・ヌスバウム

<3歳で『ぞうのババール』、6歳で『ライド・フォー・フリーダム』、そして10歳頃にディケンズに出合う。哲学者マーサ・ヌスバウムの土台になった5冊とは。本誌「人生を変えた55冊」特集より> 「大きなもりのくにで、ちいさなぞうがうまれた。なまえはババール。かあさんはこの子がかわいくてたまらない」――ジャン・ド・ブリュノフ著『ぞうのババール』は、3歳の頃からずっとお気に入りの一冊だ。 『ぞうのババール』 ジャン・ド・ブリュノフ[著] 邦訳/評論社 (※画像をクリックするとアマゾンに飛びます) 私はこの本を...

『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』は何の本か?

<「自尊心」をキーワードに沖縄の貧困問題に迫った『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』の著者自身が、反響の大きさを受け、本の成り立ちを説明する> 拙著が物議を醸している。沖縄最大のジュンク堂書店那覇店では6週間連続総合ランキング1位(7月末現在)であることをはじめ、全国的にも大いに注目され、出版から1ヶ月もたたないうちに4刷が決まった。手に取ってくださっている多くの方々は、驚き、勇気づけられ、感動し、涙する一方で、激怒し、恨み、絶望する人たちもいる。 そうなることを望んでいたわけではないが、現実に...