「欧州」の記事一覧

アフガン難民危機がくる、「EUだけでは手に負えない」(マクロン)

<突如、実権を掌握したタリバンの支配を恐れるアフガン人が、国外へ逃れてくる。2015年のシリア難民危機以来の対応を世界は迫られることになる> 8月15日、アフガニスタンの反政府勢力タリバンが全土を掌握、首都カブールを陥落させたことで、アフガン難民危機への懸念が広がっている。米軍の撤退方針が明らかになった2月以降、欧州連合(EU)の欧州庇護支援事務所(EASO)には多くの難民申請が寄せられるようになっており、5月には月4648件に達していたと、AP通信は報じている。 加盟国の外相は8月17日に緊急会合...

クラブ支配を盤石にしたUEFAだが、このままではいずれ破綻する運命だ

<欧州スーパーリーグを潰すことに成功した金満組織UEFAだが、自身の利益よりファンとクラブのために真剣に議論すべき時が来た> 欧州最強の文化的輸出品は何か。それはワインでもチーズでもない。世界で最も愛されるスポーツであるサッカーだ。 欧州のクラブチーム王者の座を争うチャンピオンズリーグ(CL)の決勝は、世界で約4億人がテレビ観戦する。アメリカンフットボール、NFLの優勝決定戦であるスーパーボウルの実に4倍だ。 ところが、これほどグローバルな成功を収めているのに、欧州サッカーは欧州経済と同様の問題に直...

LGBT情報は教育に悪い? ハンガリー政府が性的少数者を敵視する理由

<保守的なオルバン首相率いる与党フィデスが、LGBT情報の未成年への流通を禁止する法改正を強行> ハンガリーで6月15日、同性愛や性転換に関する情報を18歳未満に対して広めることを制限する改正法案が可決され、議論を呼んでいる。 同法案は、保守的なオルバン首相率いる与党フィデス・ハンガリー市民連盟が小児性愛禁止を目的として議会に提出したもの。その中で、同性愛や性転換に関する情報も、学校教育や未成年を対象にした映画・広告で流通させることを禁じるよう改正された。 人権団体は、小児性愛とLGBTの同一視は間...

ワクチン接種進む欧州で高まる同調圧力 拒否した者が解雇される事例も

<個人主義や人権意識の高いはずの欧州で、自らの体について自己決定権が奪われかねない事態が起きている> スイスでは新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、6月初旬の時点で、全国で2回摂取完了した人は26%、1回終了した人は42%に達した。スイス最大の都市チューリヒのあるチューリヒ州では、16歳以上の接種予約が5月初旬に開始になり、7月からの学校の夏休みを前に摂取を急速に進めようという意図がうかがえる。 一方で、スイスでもすぐに接種はしない、または摂取は拒否すると決めている人がいる。そんな考えの介護職の...

欧州各国、コロナ検査キット無償配布 一方で製薬会社の「暴利」批判も

<日本からすれば無償配布があるだけで十分な話だが、実際に開始された国では問題も──> フランスやドイツでは、短時間で結果がわかる新型コロナウイルス抗原検査が医療機関や薬局などで無料で受けられる。オーストリアでは、3月から15歳以上の国民に、この抗原検査キットが薬局で無償配布されている。 4月9日からは、イギリスでも、イングランド地方において全市民に抗原検査キットの無償配布が始まった。自分で検査を行い、陽性の判定が出た場合はPCR検査を受けることが必要となる。 スイスでも4月7日から、全国民860万人...

ボスニアが、世界各国から極右が集まるホットスポットになった訳

<欧州全体で難民やイスラムへの反感が強まるなかで、ボスニア・ヘルツェゴビナが世界の極右を引き付けている> 最近セルビアを退去処分になり、隣国ボスニア・ヘルツェゴビナに入国したある人物を、当局が追っているという。アメリカのネオナチで、極右団体「ライズ・アバブ・ムーブメント(RAM)」創設者のロバート・ルンドだ。 ここ数年で、ボスニアは世界の極右過激主義者を引き付けるホットスポットと化している。過去20年ほど、脆弱な中央政府の下で治安当局がイスラム過激派対策ばかりに注力するなか、極右は着々と影響力を強め...

アストラゼネカ製「ワクチン禍」は意図的なフェイクニュースか?

<ポーランド首相府長官は、欧州17カ国に広がった接種停止は「計画的な偽情報キャンペーン」ではないか、と批判。淡々と接種を続ける国もある> ポーランドのミハウ・ドボルチク首相府長官は3月16日、アストラゼネカ製ワクチンの安全性をめぐって欧州に広がる懸念について、「計画的な虚偽情報キャンペーン」の結果と考えられると述べ、ポーランドは今後も接種を続けると語った。 欧州諸国でアストラゼネカ製ワクチンの接種を一時停止する動きが3月10日から1週間で少なくとも15カ国に広がっていることに対する発言だ。関連性はま...

ロンドンで子供の貧困が深刻化 約4割がクリスマスプレゼントなし

<3人に1人は自宅で暖房が使えず、2人に1人は食事もまともに取れない現状> イギリスで最も裕福なはずの大都市ロンドンで、何十万人もの子供たちが貧困にあえいでいる。英市民団体「子供の貧困アクショングループ」の調査によれば、ロンドンでは相対的貧困にある子供が70万人(全体の37%)で、その比率は国内最大規模。今年はコロナ禍による経済の低迷で、状況が悪化しつつあるという。 さらに、ロンドンに住む4~18歳の貧困層の子供8万4000人を調査した慈善団体チャイルドフッド・トラストの報告によれば、今年のクリスマ...

ロンドンで子供の貧困が深刻化 約4割がクリスマスプレゼントなし

<3人に1人は自宅で暖房が使えず、2人に1人は食事もまともに取れない現状> イギリスで最も裕福なはずの大都市ロンドンで、何十万人もの子供たちが貧困にあえいでいる。英市民団体「子供の貧困アクショングループ」の調査によれば、ロンドンでは相対的貧困にある子供が70万人(全体の37%)で、その比率は国内最大規模。今年はコロナ禍による経済の低迷で、状況が悪化しつつあるという。 さらに、ロンドンに住む4~18歳の貧困層の子供8万4000人を調査した慈善団体チャイルドフッド・トラストの報告によれば、今年のクリスマ...

アメリカを抜いてEUの最大貿易相手国にのし上がった中国の戦略的勝利

<新型コロナ危機をきっかけに、アメリカに代わってEUの最大貿易国にのし上がった中国は大喜び。アメリカも中国の欧州進出に警戒感を高めるが> EUの最大の貿易相手国という新たな立場を、中国は経済の急成長による成果のひとつとして歓迎している。だが国際秩序における中国の台頭は、アメリカだけなく、他の西側諸国からも懸念と批判を引き起こしている。 12月4日の記者会見で、中国外務省の華春瑩(ホァ・チュンイン)報道官は、先日発表されたEUの貿易統計の結果を「中国とEUの両方にとって良いニュース」と称賛した。 欧州...