「歴史」の記事一覧

【やさしい解説】米南部で「復活」した人種隔離政策「ジムクロウ法」とは

リベラルアーツガイドは、人文社会科学系学問の復権をめざし、修士以上の研究者有志が中心となって現代社会と関わりの深いトピックについてやさしく解説しているサイトです。 ジムクロウ法(Jim Crow laws)とは、1870年代から1960年代までアメリカ南部における、州・郡・市町村レベルでの人種隔離をする規則と条例です。「ジムクロウ」という言葉の語源は、顔を黒塗りした白人俳優のトーマス・ライスが演じたキャラクターにあります。 ジムクロウはアメリカ合衆国における人種主義制度の一つにすぎませんが、アメリ...

災害大国だからこそ日本の日常にある「奇跡」

<インド洋津波災害でも、インドネシアのシムル島では津波を語り継いだために起きた奇跡があった> はじめに、東日本大震災で亡くなられた方々とご遺族の皆さまに哀悼の意を表するとともに、未だ避難生活を送られている方々、全ての被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 東日本大震災が発生した日、牙を剥き出し陸地をえぐりながら迫る津波の凄まじさ、人々の大切なものを破壊し、根こそぎさらってゆく無情さ、そして親族、友人の無事を祈る人びと。それらの映像が未だに鮮明に脳裏に焼きついている。被災地からの映像を見ているだ...

日本人が知らない「人民元」73年の歴史──5つの転機があった

<中国の経済成長と共に存在感を高めてきた人民元は、IMFから「国際通貨の象徴」に選ばれ、名実共に世界の表舞台に立った。何が飛躍の転機になったのか。AIIBや一帯一路もその国際化と関係しているのか> (本誌「人民元研究」特集より) 1948年に人民元が発行されてから73年。 かつては激しいインフレに見舞われたり外貨交換には兌換券が必要だったりと世界経済では「弱小」だった人民元が、今や米ドルから基軸通貨の称号を奪うとの議論が起こるまでに存在感を高めた。 その背景には、急速な貿易の拡大に牽引された中国の経...

こんなに動いていた! 10億年のプレートの移動が40秒の動画で示される

<豪シドニー大学らの研究チームが4年かけて10億年にわたるプレートの完全なモデルを構築することに成功した...... > 地表を覆う固い岩盤、すなわち「プレート」は、地表のあらゆる生命体に影響をもたらす生命維持システムだ。1年あたり数センチのペースでゆっくりと移動しながら、地球の気候や潮汐、火山活動、動物の移動や進化などに作用してきた。このような地質作用ゆえに、地球は生命体を宿すことができたと考えられている。 4年かけて完全なモデルを完成させた 従来、時代区分や地域ごとに研究がすすめられてきたため、...

全身が泥で覆われた古代エジプト時代のミイラが初めて発見される

<全身を泥で覆われた約3200年前の古代エジプトのミイラを、豪マッコーリー大学の研究チームが発見した......> 豪マッコーリー大学の研究チームは、全身を泥で覆われた約3200年前の古代エジプトのミイラを初めて発見した。 26〜35歳の女性とみられるこのミイラは亜麻布で巻かれた後、砂や泥、藁からなる混合物で全身を覆われ、さらに亜麻布で包まれていた。 紀元前1207年頃にミイラ化された 新王国時代後期から第21王朝にわたる紀元前1294〜945年のミイラでは樹脂で覆われたものがいくつか確認されている...

「庶民派」菅首相を突き刺した、家族スキャンダルの破壊力

<「夜の銀座」、森発言に続き、長男の官僚接待問題が......総務省との深い関係は「政治家・菅」の本質を物語る> 昨年9月、菅義偉氏は無派閥ながら巧みな政略で自民党総裁選を制し、第99代首相に就任した。秋田の農家出身で苦学の末に議員秘書から首相に上り詰めた、という成功譚は好意的に受け止められ、世間は久しぶりの庶民派宰相の誕生に沸き返った。 ところがそれから半年。新型コロナウイルス感染拡大が続くなか、誰が政権を担っても批判されて当然という困難な状況にあることを差し引いたとしても、現在の菅政権はまさに満...

ロシアの政権転覆が成功しない理由──ナワリヌイとエリツィンは違うから

<毒殺されかけ、ロシア帰国後に逮捕された反政府活動家ナワリヌイの釈放を求めて、何万もの市民が抗議デモを行っている。しかし、それがプーチン独裁の終焉につながる可能性は極めて低い> 厳寒のロシアで、何万もの市民が街頭に繰り出した。去る1月23日のこと、反政府派の著名活動家アレクセイ・ナワリヌイの即時釈放を求める抗議デモだった。 ナワリヌイは5カ月前、化学兵器に使われる神経剤ノビチョクで毒殺されかけ、ドイツで治療を受けていたが、1月17日に帰国した途端に逮捕された。今は首都モスクワ市内に収監されており、こ...

EU復帰はあり得ない──イギリスの将来を示すスイスの前例

<今後数十年でイギリス経済が受ける打撃と、EUに対する態度がどう変わるかは、1992年に加盟の道を自ら閉ざしたスイスを見れば分かる> 30年後のイギリス政治を想像してみよう。政府は二酸化炭素排出量実質ゼロを達成し、勝利を宣言しているかもしれない。議会はオートメーション化による大量失業に対処するため、最低所得保障を承認しているかもしれない。 だがブレグジット(イギリスのEU離脱)を果たしてから30年後のこの国で、EUへの復帰が議論されていることは、まずあり得ないだろう。 むしろ政治家は、誰がEUに対し...

懲役20年の実刑確定、朴槿恵の恩赦は韓国の「国民統合」に資するのか?

<革新系の与党代表が、保守系政治家である朴や李明博元大統領の赦免を求める理由とは?> 1月14日、韓国大法院(最高裁)は、収賄や職権乱用の罪に問われた朴槿恵(パク・クネ)前大統領に対するソウル高裁の判決を支持。これで懲役20年の実刑と罰金の判決が確定した。 報道により朴をめぐる一連のスキャンダルが明るみに出たのは、2016年秋。それを受けて朴の退陣を求める大規模な抗議デモが巻き起こり、ついには2017年3月、国会の弾劾決議によって朴が大統領を罷免された。いわゆる「キャンドル革命」である。朴の失職に伴...

アイルランド母子施設で子供9000人死亡、発覚したきっかけは…

<首相が謝罪する事態にまで発展。施設に入居していた母親の80%は18~29歳で、レイプの被害者もいた> アイルランド各地で1998年まで運営されていた母子支援施設で約9000人の子供が死亡していたことが分かり、同国首相が謝罪する事態にまで発展している。 施設は未婚の母子家庭を救済する目的で政府や修道院が1920年代から運営し、未婚の母と子供の合わせて約11万人が暮らしていた。 1月12日発表の政府調査によると、母親が望まないまま子供が養子に出される慣行や、非倫理的なワクチン実験、心理上の虐待などが施...