「民主化」の記事一覧

独裁返りか? チュニジア「アラブの優等生」報道が無視してきたこと

<大統領サイードの全権掌握には、反対デモが起こっているだけでなく、賛成の声もある──欧米メディアが使い続ける「優等生」という表現が誤解を助長してきた、チュニジア政治と民主化プロセスの複雑性とは> 7月25日、チュニジアのカイス・サイード大統領が、ヒシャム・メシシ首相の解任と、議会の30日間停止を発表した。首都チュニスの議事堂周辺には治安部隊が配置され、議員たちの立ち入りを禁止した。 さらに翌日、サイードは法相代行と国防相も解任し、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラの支局閉鎖を命令。一般市民について...

日本の大学教員だった父を突然、中国当局に拘束されて

<北海道教育大の袁克勤(えん・こくきん)教授は2年前の2019年5月、帰省先の中国吉林省で長春市国家安全局に突然拘束され、その後2020年3月まで全く消息不明が分からなかった。現在は詳細不明のスパイ容疑をかけられているが、中国籍であるがゆえに日本政府も手が出せない。父を奪われた長男・成驥氏の慟哭と怒りの手記> 2019年5月29日、中国吉林省長春市内にある長春駅の近くで私の父、袁克勤は長春市国家安全局員によって突然身柄を拘束された。父はその4日前の5月25日に彼の母、つまり私の祖母の葬儀に参列するた...

習近平政権が人権活動家の出国を認めない本当の理由

<習近平が先日、重要会議で「愛され、信頼される中国」の国際的イメージをつくり出せと命じた。だが中国政府は、日本留学中の娘が意識不明の重体になった人権活動家の出国すら認めない。恐怖政治の裏側にある極度の緊張状態ゆえだ> 習近平国家主席は5月31日、中国共産党中央政治局の会議で、国際社会とのコミュニケーションにおいて「開放的で自信をもち、謙虚で控えめ」な姿勢を示した上で、「信頼され、愛され、尊敬される」中国のイメージをつくりだすよう指示した。国際社会における中国のイメージは悪化の一途を辿っている。私の身...

ルカシェンコが今度は国内ニュースサイトの編集長を拘束

<民間航空機を強制着陸させて反体制派ジャーナリストを拘束したことで世界から非難を浴びるなか、ベラルーシのルカシェンコ政権はまたニュースサイトの編集長を「過激主義」の疑いで拘束した> ルカシェンコ独裁政権による反政府活動家や独立系ジャーナリストの弾圧が激化しているベラルーシで、5月30日に著名なニュースサイトの編集長が「過激主義」の容疑で逮捕された。 AP通信によると、ベラルーシのニュースサイト「ホロドナ・ライフ(Hordna.life)」の編集長アリアクセイ・ショタが拘束されたのは、同サイトに「過激...

日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か

<対ミャンマーODAビジネスの「黒幕」が昨夜、ヤンゴンに飛んだ。ミャンマー国軍の司令官と会う予定だという。出国直後にジャーナリストの北角氏が解放されたのも偶然ではない可能性がある> クーデターの首謀者であるミャンマー国軍のミンアウンフライン総司令官と親密な関係にある、日本ミャンマー協会の渡邉秀央会長が5月13日深夜、ミャンマーに向かった。独立系メディア「民主ビルマの声」(DVB)によると、渡邉氏は首都ネピドーで国軍司令官と会う予定という。「国軍司令官」が誰を指すかは不明だが、同氏はクーデター直前の1...

「美しい真珠を血で汚さないで」 TASAKIの国軍系企業との取引停止を人権団体が要請 日本企業全体の動向をミャンマー国民が注視

<国軍系企業との関係を断てない日本企業に対するミャンマー市民の反発は強まる一方。一番人気だったビールさえ店頭から姿を消している> ミャンマーの国軍系企業と外資との提携に国際的な監視の目が強化されるなか、日本の高級真珠会社TASAKIの国軍系企業との提携を国際人権団体が停止するよう求めている。2月のクーデター後に在ミャンマーの日本人経営者らが日系企業に勤めるミャンマー人に行ったアンケート調査では、約76%が日本企業に「国軍や国軍系企業との関係を解消ないしは事業撤退をすべき」と答えている。TASAKIは...

利権がつなぐ日本とミャンマー「独自のパイプ」 ODAビジネスの黒幕と国軍トップがヤンゴン商業地開発で合弁事業

<クーデターを機に明らかになった、国軍と日本政財界のつながりと、日本政府が制裁に乗り出せない理由> ミャンマー国軍のクーデターから3ヶ月になる5月1日、東京など世界18か国の都市で「国民を解放せよ」と叫ぶミャンマー人らの抗議デモがあった。欧米諸国の国軍への制裁強化と世界で高まる国軍批判の声をよそに、日本政府がいまだに旗幟を鮮明にしないのはなぜなのか。その謎を解くカギとして無視できないのが、両国を結ぶ利権のネットワークである。一例として、ODA(政府開発援助)ビジネスの黒幕とされる日本ミャンマー協会の...

オーウェル的世界よりミャンマーの未来に投資しよう、「人間の尊厳」を原点に

<独裁者の国軍か命を賭して抵抗する国民か、いつまでも旗幟を鮮明にしようとしない日本外交の破綻ぶりは、諸外国やミャンマー国民の目にも明らかになりつつある> 4月13日から1週間のミャンマー正月を祝う今年の「ティンジャン」は、2月の国軍クーデター後の「オーウェル的世界」の再来によって例年のにぎわいが影をひそめた。オーウェル的世界とは、ビッグブラザーを頂点とする監視体制下で人間の自由が窒息させられていくディストピア国家を描いた、英国の作家ジョージ・オーウェルの名作『1984年』になぞらえたもので、アウンサ...

ロシアで「40万人デモ」が計画中 プーチン政権の重大リスクに

<服役中のナワリヌイは体調不良を訴えてハンストを実施中だが、彼を支援する大規模なデモが計画されている> 毒殺未遂事件を生き延びてロシアに帰国した反体制派指導者のアレクセイ・ナワリヌイが1月に逮捕されると、ロシア全土に抗議デモの嵐が吹き荒れた。だがこの春、それを上回る規模の抗議運動がプーチン政権にさらなる揺さぶりをかけるかもしれない。 懲役2年6カ月の判決を受けて服役中のナワリヌイは、両手の感覚が麻痺するなどの体調不良を訴え、治療を求めてハンガーストライキを行っている。彼の支援ネットワークは再び大規模...

内戦前夜、ミャンマーの緊張緩和に乗り出した中国

<国軍の後ろ盾と思われてきた中国はここへきて、スーチー派とも話をしたことを認めた。露骨な内政干渉は避けつつ、国内各勢力の衝突回避を図る独自の道は成功するか> 中国がミャンマー国内の緊張を和らげる取り組みを強化している。ミャンマーでは軍部のクーデター以来、混乱が激化、軍部とクーデター反対派、様々な少数民族の武装勢力による内戦に突入する恐れが高まっている。 今年2月にアウンサン・スーチー国家顧問が拘束されて以来、現在ミャンマーを支配する軍事政権とそれに抗議する国民との衝突が悪化しているが、中国はミャンマ...