「特集コロナ禍の世界」の記事一覧

感染再拡大のスウェーデン、対策主導の疫学者がマスクの効果を疑問視

<8月には欧州各地でも「反マスク運動」が頻発> 新型コロナ対策としてロックダウン(都市封鎖)を行わず集団免疫戦略を取るスウェーデンで、6月末以降減少傾向だった新規感染者が一転、8月初旬から再び増加している。公衆衛生庁は「新たな感染拡大の危機」と警告した。 そんななか、同国のコロナ対策を主導してきた疫学者アンデシュ・テグネルは、マスクの効果を疑問視する発言を続けている。8月後半の英紙インタビューで、「マスクが全てを解決してくれると信じるのはとても危険だ」と話した。「マスクは他の対策を補完するかもしれな...

新型コロナに見舞われたブラジル先住民がロックダウンならぬ道路封鎖

<弓矢を手にした先住民が違法採掘、森林伐採への抗議と新型コロナ支援を求めて幹線道路を占拠した> ブラジル北部パラ州で、先住民カヤポの人々がロックダウン(都市封鎖)ならぬ道路封鎖を行った。 弓矢を手に幹線道路を占拠。 新型コロナウイルスでの支援を求め、違法採掘や森林伐採にも抗議の声を上げた。 コロナ感染拡大が続くブラジルでは先住民族にも被害が広がり、先住民の感染者は2万6000人、死者は690人に上っている。 <本誌2020年9月1日号掲載> 【関連記事】新型コロナよりはるかに厄介なブラジル大統領 【...

米大学再開をぶち壊す学生たち、乱痴気騒ぎでクラスターも発生

<「若くて健康な」学生たちがキャンパスに戻ったら、行動変容はやはり絵に描いた餅だった> 新型コロナウイルスの感染拡大で休校していたアメリカ各地の大学が、授業を再開し始めている。しかし、感染拡大はまだ続いているというのに、多くの学生は感染予防に協力せず、パーティーを開いて乱痴気騒ぎを続け、マスクも着用しようとしない。たちまち、キャンパス内で複数のクラスター感染が起こった大学もあり、大学は頭を痛めている(8月に学校再開せよ、というのは、経済を再活性化したいドナルド・トランプ大統領の強い要請だった)。 ジ...

「娘も接種した」とプーチンが太鼓判を押すロシア製ワクチンは信頼できるのか?

<世界初の新型コロナワクチンは「スプートニクV」と名付けられ、9月から大量生産が始まる見通し> ロシアのプーチン大統領は8月11日、国内で開発された世界初の新型コロナウイルスのワクチンを承認すると発表した。臨床試験の開始から2カ月弱で、最終段階となる第3段階は始まったばかりだ。 スプートニクVと名付けられたワクチンは、9月から大量生産が始まる見通し。プーチンは、自身の娘の1人もワクチンを接種したと明かした。接種後には一時発熱したが「それだけだった」という。プーチンが娘について言及するのは、極めて珍し...

コロナで学ぶ正しいセレブパワーの使い方

<世界的著名人が(たぶん)善意でやっているはずの行動がときに反感を買うのはなぜ?> アメリカで1カ月以上にわたり展開されてきたキャンペーン「#パス・ザ・マイク(マイクを回そう)」が7月1日、大成功のうちに終了した。 これは、セレブが新型コロナウイルス感染症対策の最前線に立つ人に話を聞き、その様子をソーシャルメディアで流すというシンプルなもの。大量のフォロワーがいるセレブのプラットフォームを専門家に提供することで、新型コロナに関する正しい情報を広めようというわけだ。 リレー方式のキャンペーンのトップバ...

コロナが迫るサステナブルへの転換「2020年は大変革の始まった年として記憶されるだろう」

<人類の行動が地球のほぼ全ての種の未来を決定づける段階に入っているが、社会と経済を急停止させた新型コロナはサステナブルな方向に舵を切る契機にもなり得る> 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まってずいぶんたつが、世界経済への衝撃が消え去る気配はない。テクノロジーが支配する現代社会において、平時でこれほどの経験は前例がなかった。 感染拡大の第2波が発生し、さらに第3、第4......と続くのか。世界中の指導者がこの恐ろしい問いに頭を悩ませているが、答えは誰にも分からない。グローバルなサ...

急拡大中の米政府債務はトランプ政権下でどれだけ増えた?

<就任前には「8年間で債務を消し去る」と豪語したが、実際には膨らむ一方> 新型コロナウイルスが招いた経済危機への対応がまだまだ必要になりそうなアメリカだが、トランプ大統領が就任して以降、政府債務が大幅に膨らんでいる。 トランプは就任前に「今後8年間で」債務を消し去るとしていたのに、就任時の2017年1月に19兆9000億ドルだった連邦政府の債務残高は現在、6兆6000億ドル増えて26兆5000億ドルに。現在も大型のコロナ対策のため、国債発行が急増中だ。 既に財政出動は3兆ドルを突破しており、今年度の...

自由の行き過ぎ? マスクをするのがイヤで店員に催涙スプレー

<過剰とも思えるアメリカのマスク嫌いは「個人の自由」を懸けた戦い。11月の大統領選に向けてますますエスカレートする?> 米ミズーリ州のピザ店で8月2日、マスクをしていないことを理由に入店を断られた女性客(27歳)が、店員らに向けて催涙スプレーを噴射する事件が起きた。場所は、セントルイス市内サウス・リンドバーグ大通りにあるレストラン「インクレディブル・ピザ・カンパニー」。 通報を受けて警察が到着したのは午後4時30分ころ。マスクの着用を拒否するこの客に、店外に出るよう店員が求めたことがきっかけで激しい...

北京ではなく南へ 台湾・蔡英文が加速させる「新南向政策」の展望

<「中国の一部」という呪縛から逃れて東南アジア、南アジア諸国と共にうまく中国離れを実現できるか──全ては2期目の女性総統の手腕に懸かっている。本誌「台湾の力量」特集より> これからは北(の都=北京)ではなく南(のアジア諸国やオーストラリアなど)を向くべきだ──「新南向政策」と銘打って、蔡英文(ツァイ・インウェン)がそんな経済戦略を発表したのは2016年の8月。まだ総統になったばかりの時期だった。あれから4年、2期目に入った蔡の前には新型コロナウイルスが立ちはだかる。果たして「南向」の風は吹き続けるの...

再開は早過ぎた?クルーズ船でクラスター発生、寄港先市町村にも拡大か

<新型コロナウイルスの集団感染で世界中のクルーズ船が停止した後、いち早く再開したノルウェーのロアール・アムンセン号だが、ミスを犯したと船長が謝罪> ノルウェーのクルーズ船運航会社フッティルーテンは8月3日、乗員36人と乗客5人が新型コロナウイルスの検査で陽性だったことを受け、今後のすべての運航を停止すると発表した。 感染者が確認されたのは、ロアール・アムンセン号。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が発生し、世界各地でクルーズ船が運航停止となったなか、世界で初めて再開したクルーズ船...