「特集コロナ禍の世界」の記事一覧

新型コロナでひとり勝ちのアマゾン──ポストコロナに向けた「無人配送」戦略

<コロナ禍で一変した世界で、コスト削減を進めウイルスに打ち勝つため、アマゾンは無人配送車やドローン開発に邁進する。米経済ジャーナリスト、ブライアン・ドゥメインの新著『ベゾノミクス』より一部抜粋> 新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)のせいで外出もままならず、買い物をデリバリーに頼る人が増えた時期、大忙しだったのがネット通販のアマゾンだ。 もちろん、アマゾンはそれ以前からアメリカ人の暮らしに不可欠な存在だった。昨年12月時点で国内のプライム会員は推定1億1200万人。1人当たりの平均...

首相側近のロックダウン破りに猛反発、いかにもイギリス的なエリート不信

<自分たちで決めたルールに従わない政治エリートに対して、英国民の怒りが爆発> 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は国によって違った形で表れる。ボリス・ジョンソン英首相の上級顧問ドミニク・カミングスの長距離移動に対する猛反発は、いかにもイギリスらしい現象だった。 カミングスはただの顧問ではない。イギリスのEU離脱をめぐる2016年の国民投票の際には離脱キャンペーンの責任者を務め、昨年からは首相の上級顧問としてブレグジットを実現に導いた。 そんな政権の実力者が今、3月27日にロンドンから約...

コロナ危機が示した台湾の生き残り戦略

<サプライチェーンの「脱中国化」が進む今なら、中国にない透明性と信用を武器に、バイオ医療などの先端分野で確固たる地歩を築ける> 台湾は新型コロナウイルスのパンデミックへの迅速かつ高度に効率的な対応で世界から高い評価を受けた。6月1日時点で、台湾(人口2400万人)の確認感染者は443人、死者は7人にすぎない。プロ野球の試合も観客を入れて行われている。中国との人の往来が活発な台湾は感染が大きく広がると予測されていたが、見事に封じ込めに成功した。 成功のカギは、公共・民間部門の効率的な連携と技術の革新的...

芝生の上でもソーシャルディスタンス……ニューヨークの新たな日常が始まる

<公園の芝生には1.5メートル置きに円が描かれ、人々は距離を取りながらリラックス> 新型コロナウイルスの流行がようやく下火になりつつあるニューヨーク。 5月下旬の週末にはブルックリンの水辺に広がるドミノパークにも多くの市民が繰り出した。 ソーシャルディスタンス(社会的距離)を守るために芝生の上に1.5メートル置きに円が描かれ、来園者は距離を取りながらリラックス。 コロナ時代の新たな日常の光景となりそうだ。 <本誌2020年6月9日号掲載> 【参考記事】NYの青空で航空ショー 医療従事者ら市民に感謝と...

WHO脱退も対中強硬姿勢も自分の失態隠し。トランプ外交が世界を破壊する

<WHOと中国を悪者にすれば選挙での武器になるかも知れないが、情報は最初からきちんとそろっていたはずだ> 5月29日、アメリカのドナルド・トランプ大統領はWHOから脱退すると宣言した。これは道義的に問題があるばかりか違法な決定だ。また、指導者としてのトランプの問題点の最たるものがあぶり出された場面でもあった。つまり、自分の失敗を他人のせいにする、他の国や組織の指導者たちと礼儀正しく手を携えて国際問題に取り組むのを嫌がる、前後も考えず利己心のままに行動し、科学を軽視するといった側面だ。 今回のトランプ...

韓国居住の外国人困惑 再入国の手続き厳格化で

<韓国政府は6月1日から居住外国人の再入国を制限すると発表し、韓国に居住する外国人の反発が相次いでいる.....> 韓国の首都圏で新型コロナウイルスの集団感染が再発し、政府は5月29日午後6時から6月14日まで防疫管理を強化すると発表した。 首都圏の美術館や博物館、公園、国公立劇場など公共施設の運営を中止し、政府や自治体、公共機関が開催する行事は取りやめるか延期となる。 ソウル・梨泰院のクラブで発生した集団感染は7次感染まで広がり、小中学校の生徒や教職員の感染も相次いでいる。800校を超える学校が5...

民主主義vs権威主義、コロナ対策で優位に立つのはどっち?

<NZ、ドイツ、台湾......女性が指揮する民主主義国の感染抑制策が評価されているのは、政治が成熟しているから> 新型コロナウイルス危機は、いま地政学の面で強まっているイデオロギーの衝突を示す最前線だ。「権威主義圏」を代表する中国は、封鎖措置で感染の抑制に成功したと主張している。「民主主義圏」を代表する国は幅広いが、一部には対応のまずさも目立った。では危機管理には、どちらの政治体制が適しているのだろうか。 この問いに対しては、つい権威主義体制のほうが向いているのではと答えたくなるかもしれない。アメ...

下水が新型コロナ早期警戒システムになる?

<下水汚泥に含まれる新型コロナウイルスのRNAの濃度を調べることで、感染者数や入院患者数の変化を事前に予測できる可能性がある......> 下水のモニタリングによって、新型コロナウイルス感染症の発生の初期兆候を検知できる可能性があることが明らかとなった。 下水汚泥の新型コロナのRNA濃度は、時間差で感染流行と高い相関 米イェール大学の研究チームは、2020年3月19日から5月1日まで、人口約20万人の下水を処理する米コネチカット州ニューヘイブンの下水処理場で下水汚泥試料を毎日採取し、新型コロナウイル...

コロナショックで孤立無援のイタリアが恨み節──加速する反EU感情の行く先

<制限解除が進むも経済は戦後最悪に──支援が得られないなか、国内の右派勢力が離脱志向を加速させている> ロックダウン(都市封鎖)開始から2カ月以上。新型コロナウイルスによる死者が3万2000人を超えるイタリアが、ようやく「完全再開」に向かい始めた。 マスク着用などの規定は今夏末まで継続されるが、6月3日から出入国禁止措置が解除され、国内の移動規制も緩和。既にレストランや理髪店は再オープンし、近くジムやプールも営業再開する。 5月16日、一連の緩和措置を発表したジュゼッペ・コンテ首相は引き続き警戒を呼...

中国がWHOに送り込んだプロパガンダ宣伝マン

<中国政府お墨付きのニュースキャスターが、流暢な英語を武器にWHO親善大使として中国の宣伝を堂々と発信中> オンライン上で開催されたWHO(世界保健機関)の年次総会は5月19日に閉幕したが、WHOのテドロス・アダノム事務局長は今こそ世界に説明しなければならない。WHOの活動や課題を人々に知らせる重要な役目を負い、スポーツや芸術分野の著名な人物が起用される「親善大使」の1人に、なぜ中国政府お墨付きのニュースキャスターがいるのか。この人物はWHO親善大使の肩書を利用して、中国の新型コロナウイルス対策を模...