「特集世界経済コロナショック」の記事一覧

導入進む「ダイナミックプライシング」 コロナ不況下の家計にはどう影響する?

<意外に広がる「ダイナミック・プライシング」は、正しい情報を早く入手した者が勝つ非情な仕組み。本誌「コロナ不況に勝つ 最新ミクロ経済学」特集より> 近年、販売価格をリアルタイムで変動させる「ダイナミック・プライシング」を導入する企業が増えている。目的は収益の最大化だが、利用者にとっても、価格変動を逆手にとって安く商品を購入できるようにも思える。コロナ危機によって経済が混乱するなか、「定価」がなくなることは消費者にとってどのような意味があるのだろうか。 日本では商品は定価で買うものという認識が強いが、...

アベノマスクと2008年金融危機、ゲーム理論で比べて見えたもの

<人々の行動原理を理解しなければ、為政者の施策は社会を混乱に陥れる。コロナ禍でのマスク問題と同様の状況は、リーマン・ショックの際にも生じていた。本誌「コロナ不況に勝つ 最新ミクロ経済学」特集より> コロナ禍の人間社会への影響と、その渦中の人々の行動を考察することは、ウイルスの医学的な考察と同様に重要...

いつになったら経済は元に戻るのか──景気回復への長くて遠い道のり

<新型コロナでほとんど仮死状態に陥った経済が以前の水準に戻るのは1年後か、それとも10年後か> いつになったら経済は元に戻るのか──。新型コロナウイルス感染症の拡大が、取りあえずピークを越えたように見えるなか、アメリカでは政府も国民も「ポスト・コロナ経済」へと関心が移ってきている。 ホワイトハウスの見解は一致していない。4月のある記者会見で、ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問とスティーブン・ムニューシン財務長官は、米経済は7月には「盛り上がっている」と、極めて明るい見通しを示した。一方、ケビン・ハ...

コロナ禍のEU経済を史上最悪の不況が襲う

<ロックダウン対応で経済活動が休止状態となったEU加盟諸国。2020年のEU全体の経済成長率はマイナス7.5%の見込み> EUは5月上旬、コロナ禍がEU史上最悪の景気後退をもたらすとの見通しを示した。 EU加盟諸国の経済活動は、ロックダウン(都市封鎖)などの対応により3月半ばまでに休止状態となった。 その影響で、今年上半期、特に第2四半期に生産活動が収縮。EU加盟27カ国全体の今年の経済成長率はマイナス7.5%となり、失業率は昨年の6.7%から9%に上昇するとみられる。 欧州ではこれまでに150万人...

パンデミック不況が日本経済にもたらした「貸し手不足」問題

<バブル崩壊後の課題が解決されないままだった日本。コロナ禍が日本に内在する多くの問題をあぶり出し、新たな現象も発生している。本誌「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集より> 今回の新型コロナウイルスによるパンデミック不況は、日本に内在する多くの問題をあぶり出した。 まず経済面では、ここ数年間日本経済を牽引してきたインバウンドの観光客増とオリンピックに向けての期待が打ち破られ、政治面では法制度の不備で政府が全国的な医療危機に迅速に対応できないことが表面化し、外交面ではこれまでの国連至上主義の限界...

ポスト・コロナの世界経済はこうなる──著名エコノミスト9人が語る

<未知のウイルスとの戦いが続くなかで、雇用や企業活動は元に戻るのか、従来型の金融・財政措置で未曽有の不況は回避できるのか> グローバル化と経済自立、そのバランスが焦点に ■ジョセフ・スティグリッツ(ノーベル賞経済学者) 多くの経済学者は、政府が自国の食料安全保障やエネルギー安全保障政策を担保するべきだという考えを嘲笑してきた。グローバル化の時代に国境は意味を持たない。自国の食料事情やエネルギー事情に不足があるなら、国外から調達すればいいというのだ。 だが今、多くの国がマスクや医療物資の確保に血眼にな...