「特集全米暴動」の記事一覧

元大統領ジャクソンの像襲撃に、現大統領トランプが即座に応戦

<強権で知られた第7代大統領アンドルー・ジャクソンの像が人種差別抗議運動の標的に> 首根っこに縄を掛けられ引き倒されようとしているのは、強権ぶりで名をはせた米第7代大統領アンドルー・ジャクソンの像。 ホワイトハウス前のラファイエット公園に立つ像が、人種差別抗議運動の標的になった。 一方で、現大統領のトランプは、像の破壊などに10年の禁錮刑を科す大統領令に署名。 ジャクソン像破壊未遂の4人の男は即座に訴追された。 <本誌2020年7月14日号掲載> 【関連記事】日露戦争を終わらせたルーズベルト像も人種...

母親の手記「真の正義を手にするまで私は決して諦めない」

<今回の黒人差別反対運動の発端となったジョージ・フロイド事件の前にも、同じように警察の暴力で息子を失った女性がいた。その痛みと願いを本誌に寄稿。「Black Lives Matter」特集より> 私がジョージ・フロイドのことを知ったのは事件の翌朝だった。電話してきた記者から、彼がどのように亡くなったのかを聞いたとき、たちまち心に強烈な痛みを感じた。 思い出したのは2014年7月17日のことだ。その日、私の息子エリック・ガーナーは警官に腕で首を絞め付けられ、それが原因で死亡した。 涙があふれた。エリッ...

コロナ禍なのにではなく、コロナ禍だからBlack Lives Matter運動は広がった

<社会心理学で読み解く黒人差別反対デモ拡大の理由。未知のウイルスに怯えていた人々が社会運動に生きる意味を見いだした。本誌「Black Lives Matter」特集より> 白人警察官に首を押さえ付けられたジョージ・フロイドが、「息ができない」と訴え、絶命する映像は、多くの人の脳裏に焼き付けられ、永遠に忘れられることはないだろう。その衝撃的な映像は、事件が起きたミネソタ州ミネアポリスだけでなく、全米そして世界各地でBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動に火を付けた。 警察の過剰暴力に...

「ホワイトニング」もNG? 黒人差別反対運動から進むネーミング変更

<黒人差別の撤廃を訴える「Black Lives Matter」運動の抗議デモが始まってから1ヵ月が経過したが、その波は、思わぬ方向へ拡大している......> BLM運動でブランドやネーミング変更が加速 ジョージ・フロイドさんが白人警察官の暴行により死亡した事件を受け、黒人差別の撤廃を訴える「Black Lives Matter(ブラックライブズマター)」運動の抗議デモが始まってから1ヵ月が経過したが、その波は、思わぬ方向へ拡大している。企業やアーティストが、次々にネーミング変更をしているのだ。 19世紀創業の米老舗食品メーカー、クエーカーオーツ(Quaker Oats)社は今月17日、シロップやホットケーキのパッケージデザインにあしらわれていた人気商品、アント・ジェマイマ(Aunt Jemima)のブランド名変更を発表した。消費者にすっかりなじみのある黒人女性のジェマイマ叔母さんがマスコットキャラクターだったが、もとは白人が黒塗りして演じたショーのキャラクーにちなんで名付けられた背景があるとし、同社には変更の依頼が多く寄せられていた。 アーティスト名を変える動きも出ている。カントリーミュージックバンドのレディ・アンテベラム(Lady Antebellum)はレディ・エー(Lady A)に、ザ・ディクシー・チックス(The Dixie Chicks)はザ・チックス(The Chicks)に、それぞれバンド名を変更した。 それぞれ米南部出身のバンドで、活動名は土地柄の歴史に由来していたが、いずれも奴隷制時代を想起させるものだったため、昨今の差別問題に配慮したようだ。 例えば、アンテベラムとはアンテベラム・サウス(Antebellum South)、つまり「南北戦争以前の時代」という言葉の一部で、南部の地域経済が奴隷制度により大成長を遂げた時代だ。またディクシーはディキシーランド・ジャズ(Dixieland Jazz)という言葉からも想像しやすいが、これもそのような時代の南部をイメージさせる言葉だ。ちなみに、メイソン-ディクソン線(Mason-Dixon line)という、メリーランド州とペンシルベニア州の州境に引かれていた線があるが、この線より南は奴隷制存続を主張していた歴史がある。 また、4月のことだが、バターの人気メーカー、ランド オー レイクス(Land O'Lakes)がパッケージを一新した。以前はネイティブアメリカンのイラストが描かれていたのだが、そのイラスト部分が除いたものに変更した。 The gang's all here for #NationalSiblingsDay! https://t.co/yuK2HaqJZQ pic.twitter.com/3YN3XhFEdi— Land O'Lakes (@LandOLakesKtchn) April 10, 2018 A4 Our Test Kitchen Experts developed this Short-Cut Puff Pastry Recipe to help reduce the time it takes you to make homemade flakey, multi-layered puff pastry! It's still a labor of love, but we're sure you'll appreciate the time back! https://t.co/Lg6Z5g7g9w #JuneDairyMonth pic.twitter.com/HPy6uouL8C— Land O'Lakes (@LandOLakesKtchn) June 10, 2020 こうしたパッケージデザインの変更はよく行われていて、昨年も、動物愛護の観点からお菓子のパッケージの動物のイラストに変更されたことがあった。 【過去記事】 動物愛護の点からパッケージを変更した企業 「米人気スーパーの菓子パッケージが批判を受けて変更、そのワケは?」 ===== 「ホワイトニング」もNG? 世界各国でも進むネーミング改革 BLM運動の流れにおける名称変更の動きは、アメリカから世界中に広がっている。オーストラリアのビール醸造会社で「植民地ビール」という意味を持つコロニアル・ブルーイング(Colonial Brewing)は、オーストラリアをはじめとする諸外国で起こった植民地化により先住民族が危害を加えられた歴史を省み、社名変更の検討をしているという。 また、英リバプールにあるペニー・レーン通りは、ビートルズの名曲『ペニー・レーン』でもおなじみだが、この名前も奴隷船のオーナー名に由来するのではないかということで、名称変更が議論されている。 一方、英&オランダに本拠地を置き、ダヴなど人気スキンケアを取り扱うユニリーバ(Unilever)社は25日、同社製品から明るい肌色やトーン(色調)をさす「ホワイトニング」「ライトニング」「フェアネス」などといったワードや表現を、数ヵ月以内に商品名から削除すると発表した。 同社は変更の背景として「美しさの多様性を称賛するブランドとして、肌の色調に関係なくどのような肌色でも綺麗に輝けるようサポートする」ことが理由にあるとした。 同社の方針転換はアメリカの消費者に歓迎されることだろう。これはBLM運動より以前からある価値観だが、色白が美のバロメーターになっていないからだ。もちろん多様性もあるのだが、日焼けをしていた方がより健康的に見えるということで、天気の良い日は水着になって公園やビーチで日焼けをする人が多い。 今後は日本を含む世界中で、ネーミングや美の価値観などについて企業や著名人はより敏感になり慎重な発信が求められていくだろう。 【話題の記事】 ・「ドイツの黒人はドイツ人とは認められない」 ベルリンで起きた共感のデモ ・動画:「鶏肉を洗わないで」米農務省が警告 その理由は? ===== Aunt Jemima Brand To Change Name, Logo Based On 'Racial Stereotype' | NBC Nightly News 【話題の記事】 ・「ドイツの黒人はドイツ人とは認められない」 ベルリンで起きた共感のデモ ・動画:「鶏肉を洗わないで」米農務省が警告 その理由は? ・マーモットの肉を食べた夫婦がペストに感染して死亡 ・ヒトの老化は、34歳、60歳、78歳で急激に進むことがわかった

イエス・キリストは白人から黒人に戻る?

<世界で人種差別に関わる像や記念碑の撤去が広がるなか、ついにイエス・キリストを白人として描く肖像の見直しを英国国教会の大司教が指示した> イギリスのカンタベリー大司教ジャスティン・ウェルビーは6月26日、英国国教会をはじめ世界中の宗教機関は、「白いキリスト」について「当然」再考すべきだと語った。 制度的な人種差別を終わらせろと抗議する行動が世界中で勢いを増す中、世界の165を超える国にまたがる数百万人もの信者の頂点に立つアングリカン・コミュニオンの大司教が、イエス・キリストを白人として描くことは人種...

BLMの指導者「アメリカが我々の要求に応じないなら現在のシステムを焼き払う」の衝撃

<概ね平和的に警察改革を求めていると思った「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事)」運動の指導者の一人が暴力を口にし始めた真意は> 黒人差別の撤廃を訴える「ブラック・ライブズ・マター(BLM:黒人の命も大事)」運動のニューヨーク地区責任者が6月24日、FOXニュースに出演。インタビューの中で、アメリカが真の変革に向けて行動を起こさないならば「現在のシステムを焼き払う」用意があると発言した。 Watch the latest video at foxnews.com 「この国が我々の要求に応えな...

キリスト像の撤去まで求める過激な主張の根拠──黒人差別反対運動

<南軍の将軍や建国の父の彫像が次々に破壊・撤去されるアメリカで、キリスト像こそが白人至上主義のプロパガンダと攻撃される理由> 人種差別に対する抗議デモの広がりに伴い、南北戦争の記念碑などが次々に撤去されているアメリカで、ついにイエス・キリスト像までが槍玉に上がっている。 制度的な人種差別の象徴だとして、ツイッターでイエス像の撤去を呼びかけたのは、市民活動家のショーン・キング。脅迫コメントの殺到を受けて、「キリスト教白人至上主義者」の暴力を糾弾している。 「イエス像を撤去したら『おまえを殺す』という脅...

警察を占拠したデモ隊の「自治区」に流れる不穏な空気

<デモ隊が「自治区」を宣言したシアトルでは、自治区内で2度も銃撃事件が発生し、市長は警官隊を突入させることも辞さない構えを見せている> アフリカ系アメリカ人ジョージ・フロイドを白人の警察官が死亡させた事件以来、全米に人種差別への抗議活動が広がっているが、その一環として、ワシントン州シアトルでは、デモ隊が警察署の周辺を封鎖、警察官の立ち入れない「自治区」の設立を宣言した。 シアトルのジェニー・ダーカン市長は、この周辺で2度にわたる銃撃事件が起きたことから、自治区の解体を宣言。一方、デモ参加者は自治区を...

今度は殺害された黒人6人の写真が吊るされた

<黒人差別に対する抗議デモが続く一方で、黒人に対するヘイトや暴力事件は増加している> 警官や白人に殺された黒人6人の写真、公園の木に吊るしたロープの先に括り付けてあるのが見つかった。かつての黒人に対する凄惨なリンチを想起させる首吊り用のロープだ。 現場となったウィスコンシン州ミルウォーキー郡の保安局は、同郡のリバーサイド公園に写真を吊るした容疑者について、市民からの情報提供を求めている。 犯行のあった6月20日にフェイスブックに投稿された動画には、黒人の人権団体「オリジナル・ブラックパンサー」ミルウ...

警官隊との衝突で倒れた両足のない男性の動画が拡散

<見境をなくした警察は障害者にも暴力を振るうのか、とデモ参加者とネットユーザーに抗議が広がっている> オハイオ州コロンバスで行われた黒人差別反対するデモで、数十人の警官が唐辛子スプレーでデモ参加者たちを追い散らした。その様子を撮影した動画によると、追われた参加者のなかには、両足のない男性も含まれていた。 ソーシャルニュースサイト「レディット」やその他のソーシャルメディアに投稿された複数の動画を見ると、抗議デモ参加者たちが医師の助けを求めて叫んでいる。その横には、義足が2本とも外れた男性が倒れている。...