「特集新型コロナウイルス」の記事一覧

感染者急増するロシアはコロナ対中包囲網にどう対応するか──モスクワ便り

未曽有の被害を人類にもたらしているコロナ災禍に対して西側諸国は、中国に賠償を求めるべく対中包囲網を強化している。蜜月の中露はどう対応するかを、プーチン側近とも接触のある「モスクワの友人」に聞いた。 対中包囲網を強化する西側諸国 今年4月29日、フランスのFRI(Radio France Internationale、ラジオ・フランス・アンテルナショナル、フランス国際ラジオ)は、<コロナに対して世界8か国が中国に100兆ドルの損害賠償を求めている 中国激怒>と報道した。それによれば、4月29日までの時...

米ジョージア州が「ロックダウン破り」、濃厚接触でも営業再開を待ちきれず

<トランプ大統領以下、ウイルス制圧より経済再開を焦る勢力が騒ぎ始めたアメリカで、ジョージア州がハイリスクのビジネス再開を決定。ウイルスの思う壺か> 新型コロナウイルス大流行の中心地であるアメリカで、ジョージア州のブライアン・ケンプ知事(共和党)が4月24日から幅広いビジネスの活動再開を認めると発表したことを受け、同州の複数の市長が、驚きといらだちを表明した。 ケンプは4月20日の記者会見で、ジム、フィットネスクラブ、ボーリング場、ボディアートスタジオ、理美容院、ネイルサロン、エステサロン、マッサージ...

コロナ危機に拡散する「独裁ウイルス」を許すな

<自然災害や国家的危機が常に権力強化の道具になってきた事実を教訓に、権力者から民主主義をできる限り守らなければならない> ハイチのフランソワ・デュバリエ元大統領は1963年、こう宣言した。「全権の根源は神と国民にある......全権を手にした私は、永遠にそれを保持する」と。 その言葉に嘘はなかった。デュバリエは1971年に死去するまで大統領の座にとどまり、死後は息子ジャンクロードが後継者としてさらに15年間、独裁を続けた。 大昔の話と思うかもしれないが、私にとってはそうではない。私の家族はハイチ出身...

ウイルス発生源をめぐる米中対立と失われたコロナ封じ込め機会

<当初ウイルスを過小評価し続けたトランプは、感染拡大が深刻化し、影響が経済に及ぶと、一転して中国を非難し始めた。米中両国が互いの知見を共有し協力しなければ、問題の解決は難しい> 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生源に関して、米国のトランプ政権は、最初の発生地となった武漢市のウイルス研究所から流出したものとの見方を強めている。ポンペイオ国務長官は、中国政府がこの研究所への米国人専門家のアクセスを拒否していることを明らかにし、トランプ大統領は武漢の研究所が発生源となった可能性についての調...

アメリカの無関心が招いた中国のWHO支配

<トランプの資金停止宣言は極端だが、明らかになった中国によるWHO支配の危険に先進国は対処するべき> 中国の担ぐ候補者が初めてWHO(世界保健機関)の事務局長に選ばれたとき、それを聞いたアメリカ合衆国大統領が眉をつり上げることはなかった。その数年前に、中国ではインフルエンザに似た未知の感染症SARS(重症急性呼吸器症候群)が発生していた。彼らは当初、その事実を隠蔽した。その後も事態の深刻さを過小評価し続けたが、アメリカは意に介さなかった。大統領は中国との間で波風を立てたくなかったし、政権内部にもWH...

日本で医療崩壊は起きるのか? 欧米の事例とデータに基づき緊急提言

<スペイン、イタリア、米ニューヨーク州では、死亡率が飛び抜けて高い。医療崩壊は何が原因なのか、そして日本でも起きるのか。感染症対策の第一人者が検証・提言する。本誌「日本に迫る医療崩壊」特集より> 4月15日、新型コロナウイルスによる世界の感染者数がついに200万人を突破した。10万人を超えたのが3月7日。それから1カ月もたたずに100万人、さらに半月足らずで200万人である。世界全体の死者数は4月10日に10万人を超え、いまだにうなぎ上りだ。魔の手はアジアから欧州、そしてアメリカに渡り、世界213カ...

コロナ対策で緊張する中露国境の新たなホットスポット

<ロシアからの輸入症例の増加に戦々恐々の中国と、国境封鎖で取り残された中国人をさっさと帰したいロシア> ロシアと国境を接する中国・黒竜江省の町、綏芬河は人口約7万人の小さな町。主要産業である木材加工の機械は停止し、残った作業員は手作業で木を切り、仕分けている。ついこの間まで、湖北省武漢を中心に広がった新型コロナウイルスは、はるか遠い場所の出来事でしかなかったと、木工所の監督を務めるスー・ウェイは言う。何しろ、ロシア沿海地方のウラジオストクからたった120キロのこの町は、武漢から2000キロも離れてい...

コロナ第2波が中国とアフリカの友好に影を落とす理由

<新型コロナの逆輸入が懸念される中国で、国外渡航歴や感染者との濃厚接触がないアフリカ系住民が検査を強制されたり、14日間の隔離を強いられる露骨な差別が広がっている> 新型コロナウイルスの封じ込めに成功しつつある中国が、コロナ第2波に怯えている。国外からの感染の「輸入」、特にアフリカ諸国出身者からの感染拡大だ。 アフリカ諸国の外交官や報道、SNSなどの情報によると、広東省広州などで、アフリカ系住民への露骨な差別が広がっているという。ホテルから追い出される、逮捕される、パスポートを押収される、などの事例...

コロナ抗議デモ拡大、トランプが反抗をけしかけ「ミシガンを解放せよ」

<外出制限より仕事を返せと主張する命知らずの抗議デモが広がり始めた> アメリカの一部の州では、新型コロナウイルス感染抑止のための「自宅隔離」や「外出禁止」などの厳しい措置に対する抗議デモが広がっている。そしてドナルド・トランプ大統領がそれをけしかけている、とメリーランド州のラリー・ホーガン知事(共和党)は批判した。 ホーガン知事のメリーランド州では4月18日にデモが起きた。州都アナポリスでデモ隊が派手に車を走らせ、旗を振り、警笛を鳴らした。 新型コロナウイルスの感染者数は全米でまだ増加を続けており、...

新型コロナで激変する世界の航空業界、その未来は中国が決める

<コロナショックで大打撃を受ける世界の航空路線図──保護主義に向かうアメリカを尻目に中国が空を牛耳る> COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が脅かすのは、地上に生きる人と企業の存亡だけではない。グローバル化を追い風に順調に業績を伸ばしてきた世界の航空業界も、激しい乱気流に巻き込まれている。 その衝撃の大きさを雄弁に物語る数字がある。この疫病のせいで、座席数にして週に2000万席を超える定期旅客便が運休や廃止に追い込まれているのだ。 壊滅的な打撃には違いないが、2001年9月11日の米同時多発...