「特集日本のコロナ危機」の記事一覧

「新しい生活様式を自分で実践しますか」専門家会議に参加している公衆衛生学者に聞いた

<新型コロナ対策として打ち出された「新しい生活様式」。まるで校則のように細かいが、専門家自身はどう行動しているのか。国際医療福祉大学の和田耕治教授にその意図を尋ねた。本誌「検証:日本モデル」特集より> 「新しい生活様式」――ニューノーマル(新しい日常生活)を送る上でのバイブルのようなリストが5月のゴールデンウイーク中に発表され、大きな反響を呼んだ。 筆者の最初の印象は「校則のように細かい」だ。無期限で行動を指示されているような感じがするし、すべて守ろうとすると生活が成り立たなくなる人もいるだろう。例...

西浦×國井 対談「日本のコロナ対策は過剰だったのか」

<専門家会議に対する批判の声を受け、世界的に活躍する感染症学者、西浦博・北海道大学教授と國井修・グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)戦略投資効果局長が緊急対談。日本の対策の根拠と課題とは? 本誌「検証:日本モデル」特集より> 日本の新型コロナウイルス対策は過剰だったのか。本誌は、数理モデルを用いて対策に当たった北海道大学教授の西浦博と、感染症対策の第一人者でスイス在住の國井修(グローバルファンド〔世界エイズ・結核・マラリア対策基金〕戦略投資効果局長)に対談を依頼した。2人の専門家...

「損切りの科学」:グーグルが活用する学知でコロナ危機を乗り越える

<コロナ不況時の資産売却で損しないためには、オークションや料金設定に応用されている「メカニズムデザイン」を生かす手もある。本誌「コロナ不況に勝つ 最新ミクロ経済学」特集より> いかにしてコロナ騒動を生き抜くか。楽しい問いではない。何かを得るというよりは、いかに損失を減らすかという問いだからだ。失業や倒産のニュースは連日相次いでいる。疫病にはかからずとも経済的には死に得るというのが、新型コロナウイルスの恐ろしいところである。 お金に困窮することの弊害は2つある。1つ目は単純に、お金がないとモノやサービ...

導入進む「ダイナミックプライシング」 コロナ不況下の家計にはどう影響する?

<意外に広がる「ダイナミック・プライシング」は、正しい情報を早く入手した者が勝つ非情な仕組み。本誌「コロナ不況に勝つ 最新ミクロ経済学」特集より> 近年、販売価格をリアルタイムで変動させる「ダイナミック・プライシング」を導入する企業が増えている。目的は収益の最大化だが、利用者にとっても、価格変動を逆手にとって安く商品を購入できるようにも思える。コロナ危機によって経済が混乱するなか、「定価」がなくなることは消費者にとってどのような意味があるのだろうか。 日本では商品は定価で買うものという認識が強いが、...

アベノマスクと2008年金融危機、ゲーム理論で比べて見えたもの

<人々の行動原理を理解しなければ、為政者の施策は社会を混乱に陥れる。コロナ禍でのマスク問題と同様の状況は、リーマン・ショックの際にも生じていた。本誌「コロナ不況に勝つ 最新ミクロ経済学」特集より> コロナ禍の人間社会への影響と、その渦中の人々の行動を考察することは、ウイルスの医学的な考察と同様に重要...

新型コロナで増えた消費、減った消費──巣ごもり・デジタル需要は増加、外出型消費は大幅減

<外出自粛の影響で家計消費は減少しても、「デジタル需要」や「非接触志向」など巣ごもりニーズに沿ったサービスへの需要は増している> *この記事は、ニッセイ基礎研究所レポート(2020年5月13日付)からの転載です。 はじめに──4月の消費者心理は急速に悪化、リーマンショック後の水準を大きく下回る 5月中にも緊急事態宣言が解除される地域も出るようだが、消費者心理は厳しい状況にある。内閣府「消費動向調査」によると、消費者態度指数は急速に悪化している。4月の値は21.6を示し、リーマンショック後の最低値であ...

日本の「生ぬるい」新型コロナ対応がうまくいっている不思議

<PCR検査の実施件数は極端に少なく緊急事態宣言には強制力が伴わないのに感染者数が着実に減りつつあるのは何故か> 日本の新型コロナウイルス対策は、何から何まで間違っているように思える。これまでにウイルス検査を受けた人は人口のわずか0.185%で、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)の導入も要請ベースと中途半端。国民の過半数が、政府の対応に批判的だ。それでも日本は、感染者の死亡率が世界で最も低い部類に入り、医療システムの崩壊も免れ、感染者数も減りつつある。全てがいい方向に向かっているように...

コロナショック後はマンションの買い時か──新築・中古マンションの価格推移から考える

<世界経済を揺るがすコロナショックで、マンションが買いやすくなるかもしれない。新築と中古で異なる販売価格決定のメカニズムを知っておくとタイミングもわかりやすくなる> *この記事は、ニッセイ基礎研究所レポート(2020年4月27日付)からの転載です。 これまで首都圏の新築マンション価格は上昇を続けてきた。(株)不動産経済研究所によれば、2019年の1戸当たりの平均価格は5,980万円(前年比+1.9%)、面積当たりの単価は7年連続上昇の87.9万円/m2(同+1.2%)となった。7年前(2012年)の...

食と健康の時代に答えをくれるのは「日本」

<発酵食品文化や食材への敬意――。日本料理はコロナ危機でさらに発展し、世界に広がるだろうと、NYの著名フレンチシェフ、デービッド・ブーレイは言う。本誌「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集より> ニューヨークの著名フレンチシェフ、デービッド・ブーレイ(66)は早くから和食の要素を取り入れ、食と健康の関係も研究。2016年には日本政府から「日本食普及の親善大使」に任命された日本通だ。新型コロナウイルスで大打撃を受けているニューヨークから、ジャーナリスト・北丸雄二のインタビューに答えた。 ◇ ◇ ...

コロナ後に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」再来の希望

<人を「コスト」でなく「財」としてみる。そんな日本の姿勢がかつて世界を魅了した意味を、多くの外国人労働者を受け入れる今こそ考えたい。本誌「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集より> 日本の将来を左右する「出入国管理及び難民認定法の改正案」が2018年12月に可決・成立した。国家の長年の方針を大どんでん返しする法案であるにもかかわらず、国会において熟議されることなく、与党の数の論理で押し込まれた印象は否めない。国民が消化不良のまま迎えた「移民開国元年」の昨年を経て、世界中がコロナ禍真っただ中の今...