「独裁」の記事一覧

独裁返りか? チュニジア「アラブの優等生」報道が無視してきたこと

<大統領サイードの全権掌握には、反対デモが起こっているだけでなく、賛成の声もある──欧米メディアが使い続ける「優等生」という表現が誤解を助長してきた、チュニジア政治と民主化プロセスの複雑性とは> 7月25日、チュニジアのカイス・サイード大統領が、ヒシャム・メシシ首相の解任と、議会の30日間停止を発表した。首都チュニスの議事堂周辺には治安部隊が配置され、議員たちの立ち入りを禁止した。 さらに翌日、サイードは法相代行と国防相も解任し、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラの支局閉鎖を命令。一般市民について...

北朝鮮のナンバー2は誰? 「第1書記」ポスト復活は金正恩の健康不安が理由か

<北朝鮮で金正恩が2016年まで使っていた「第1書記」のポストが復活したと韓国が発表。その狙いと有力な候補者とは> 北朝鮮で事実上のナンバー2となる第1書記のポストが復活し、金一族以外の人物が就任する──。 6月上旬に韓国統一省は、北朝鮮が今年1月の朝鮮労働党大会で改正した党規約で、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が2016年まで使っていた呼称が復活したと発表。韓国メディアは金の最側近である趙甬元(チョ・ヨンウォン)の就任が有力だと報じた。 5年間の空席を経てかつての肩書が復活した背景には、健康不安...

「空賊」と化したベラルーシ 前代未聞の暴挙で払う代償の大きさは?

<国際線をハイジャックして反体制派を拉致した前代未聞の暴走に対し、国際社会にできる対応策は限られているが......> 不審な男が私の後をつけてきて、私のパスポートを写真に撮ったようだ──。 ベラルーシ国籍のロマン・プロタセビッチ(26)は5月23日の朝、現在の住まいがあるリトアニアの首都ビリニュス行きの飛行機に乗り込む前、アテネの空港から同僚にテキストメッセージでそう伝えていた。アテネでは恋人と一緒に、つかの間の休暇を楽しんでいたのだった。 プロタセビッチはベラルーシの反体制ジャーナリスト。テレグ...

「欧州最後の独裁者」ベラルーシ大統領の豪邸告発動画で国民の怒りが爆発

<今週ネット上で公開された反体制派のドキュメンタリー動画を、わずか数日間で400万人以上が視聴した> ベラルーシで長期政権を続けるアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の浪費生活を告発するドキュメンタリーが今週8日にネット上で公開され、数日間で420万回以上視聴された。国民の間には、大統領の不正蓄財への怒りが巻き起こっている。 『Lukashenko. Goldmine(ルカシェンコ、金鉱)』というタイトルのこの調査報道ドキュメンタリーは、ポーランドに拠点を置くベラルーシ反体制派のニュースメディアNEX...

「ルカシェンコ後」のベラルーシを待つ危険過ぎる権力の空白

<長期独裁政権の不正選挙にベラルーシ国民の怒りが爆発──退陣は秒読みだが、勢いのあるチハノフスカヤはあくまで「暫定指導者」。権力の空白につけ込む存在とは> あいつは終わりだ! この状態から復活するのは誰であっても不可能だろう──。 暗号化チャットアプリで、そんなメッセージが筆者の元に届くようになったのは、8月9日のベラルーシ大統領選の約1週間後のこと。「あいつ」とは、今回6選を決めたとされるアレクサンドル・ルカシェンコ大統領のことだ。 選挙は、逮捕された反体制活動家の夫の代わりに出馬した英語教師のス...

プーチン終身大統領に道を開いたロシア「全国投票」は不正まみれ

<投票は最初から違法、プーチンの大統領続投を国民が望んだように見せるためだけの仕掛けだった> ロシアで1日に行われた憲法改正の是非を問う全国投票では、8割近くが改正案に賛成の票を投じた。だがロシア国内の専門家からは不正選挙を疑う声が挙がっている。 今回の改正案には、最低賃金や年金額に関する新たな規定のほか、結婚は「男女間のもの」と定めるといった社会に関する規定の改正なども含まれる。だが目玉は24年に任期満了を迎える予定のウラジーミル・プーチン大統領が2036年まで続投できる新たな規定で、それ以外の項...