「環境」の記事一覧

「脱炭素社会」実現に日本政府動き出す 再生エネルギーはコストと産業育成で課題も

日本がようやく「脱炭素」に重い腰を上げた。産業としても期待される洋上風力などの再生可能エネルギーを主力電源と位置付け、育成に本腰を入れる。 ただ、電力の「安定供給」のためには、蓄電池など島国日本にとって必須な技術の確立を急ぐ必要があるほか、原発再稼働の議論は避けて通れない現実もある。他国に遅れをとっている現状、この目標を掲げなければ、国際社会での活動がままならなくなる懸念に背中を押された格好だ。 日本政府はこれまで「2050年までに80%削減」や「50年にできるだけ近い時期に脱炭素社会を実現できるよ...

毎年ネットで「三峡ダム決壊!」がバズる理由

<三峡ダムはおしまいだ、ダムが決壊すれば共産党もこれまでだ――でも、何も起こらなかった。中国国内・国外それぞれの「バズる」理由がある> (2020年10月13日号「中国ダムは時限爆弾なのか」特集より) 長江沿岸を中心とした広い地域で大雨が降り、今年の中国は歴史的な水害に見舞われた。 半ば水没した街など、衝撃的な写真や動画は日本のネットでも注目を集め、「中国には世界最大の三峡ダムがあるのに、なぜこんな洪水に?」「大水害でダムは間もなく決壊するのでは」といった話に広がった。 単なる噂で終わらず、私のとこ...

決壊のほかにある、中国・三峡ダムの知られざる危険性

<「決壊説」が繰り返されてきたが、専門家によれば、中国の河川管理・洪水管理の技術は決して劣ってはいない。だが、問題は他にある。汚職と環境破壊、三峡ダムの相反する「致命的な欠陥」も明らかになった> (本記事は2020年10月13日号「中国ダムは時限爆弾なのか」特集収録の記事の後編です) ※前編:「世界が騒いだ中国・三峡ダムが『決壊し得ない』理由」から続く 黄河と異なる「河床低下」問題 なるほど。三峡ダムは当面は決壊しそうにない。だが問題がないわけではない。 例えば、三峡ダムの周辺では地質のもろさが問題...

世界が騒いだ中国・三峡ダムが「決壊し得ない」理由

<世界最大のダムが「決壊する!」と注目を浴びたが、今も決壊しないまま。そこで専門家に話を聞き、堤体の構造や今夏の洪水時に何が行われたかを検証した。三峡ダムは本当に大丈夫なのか。なぜ決壊しないのか> (本記事は2020年10月13日号「中国ダムは時限爆弾なのか」特集収録の記事の前編です) 中国では今年6月半ばの梅雨入り以来、62日間にわたって大雨と集中豪雨が続き、190以上の河川が氾濫し、四川省から江蘇省まで至る所で洪水が発生した。6300万人以上が被災し、5万棟以上の家屋が倒壊する被害が出た。 ネッ...

環境省、年内にも尖閣諸島で自然環境の調査検討=加藤官房長官

加藤勝信官房長官は15日午後の定例会見で、環境省が年内にも尖閣諸島で自然環境調査を行うことを検討していると発表した。同日、中国公船が尖閣諸島沖の日本の領海に侵入したことに対しては中国側に厳重に抗議したという。 官房長官によると、調査は「自然環境の把握を目的として、環境省が全国を対象にこれまで実施している各種調査の一環」。「過去に作成した植生図や希少な野生動物などの生息状況に関する調査について、最新の人工衛星画像を用いて実施する」という。 尖閣諸島周辺では中国公船の侵入が続いており、官房長官は「15日...

世界の発電、今後10年で太陽光が「新たな王様」に= 国際エネルギー機関

国際エネルギー機関(IEA)は13日に公表した年次の世界エネルギー見通しで、太陽光発電が今後10年の再生可能エネルギーの供給拡大をけん引すると予想した。現在と条件が変わらないという前提で、再生エネは発電量全体の伸びの80%を占めると見込む。 IEAは既に発表された政策や目標を反映する中心的シナリオとして、再生可能エネが2025年までに石炭に代わり、最大の電力供給源になるとの見通しを示した。 太陽光と風力の世界の発電量に占める割合の合計は2019年の8%から30年には30%近くまで上昇する見込み。太...

コロナ禍でプラスチック業界に激震 廃棄増がリサイクル圧迫

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)でプラスチック業界が激震に見舞われている。武漢からニューヨークまであらゆる地域で、フェイスシールドや手袋、食品のテイクアウト用容器、オンラインショッピングで注文された商品の配送用緩衝材などの需要が増えているが、こうした製品はリサイクルできず、廃棄物が急増している。 一方、業界内ではコロナ禍でリサイクル品と新品の間で価格競争が激化。5カ国で20人以上に取材した結果や価格データから、世界各地でリサイクル品がその競争に負けている実態が明らかになった。 中国...

SDGs優等生の不都合な真実──「豊かな国が高い持続可能性を維持している」という嘘

<国連が目指す持続可能な開発の指標で、各国の達成度の評価が実情と違い過ぎる。地球上の誰もがスウェーデン並みの消費をすれば、生態系や環境への負荷は現在の3倍になる> 地球と人の未来を守るため、2030年までに達成すべき17の目標を掲げた持続可能な開発目標(SDGs)が国連で採択されてから5年。その実現に向けた「行動の10年」が始まっている。動植物を含めた「生き物の世界」と人間主導のグローバル経済の共存共栄に向けた具体的努力が問われるのだが、そもそも各国は今、どんな位置に着けているのか。 それを知る指標...

その数333基、世界一のダム輸出国・中国の「無責任」

<決壊、ひび割れ、水資源対立......。アフリカ・アジアを中心に各地でダム建設を進める中国だが、この「ダム輸出」は単なる善意の経済支援ではない。本誌「中国ダムは時限爆弾なのか」特集より> 中国は世界のダム建設数第1位の「ダム輸出王国」である。 環境保護団体インターナショナル・リバーズの2014年のデータによれば、中国が国外で建設したダムの総数は333基に上り、その半数以上がアジア(57%)、特に東南アジア(38%)に位置している。次にアフリカ(26%)が多く、さらに南米(8%)、ヨーロッパ(7%、...

著名ワイナリーが消失した理由

<カリフォルニアの山火事はまだ続いていた> 米カリフォルニア州の火災が止まらない。 24の大規模火災が同時発生中の同州で9月末、世界的なワインの産地であるナパ郡とソノマ郡を記録的高温、乾燥、強風によって急拡大した火災が襲った。 ナパの著名ワイナリー「カステロ・ディ・アモロサ」の一部も焼失し、オーナーはボトルが散乱する様子に目を覆う(写真)。 10月1日時点で鎮火のめどは立っておらず、6万8000人が避難を余儀なくされている。 <2020年10月13日号掲載> ===== 炎に包まれるワイン産地のナパ...