「生物」の記事一覧

営農するアリ「ハキリアリ」、そのシャープな歯は金属製だった

<葉を噛み切って集め、巣に持ち帰ってキノコを栽培。商売道具の鋭い歯は、重金属の原子で覆われている> 人類の定住生活を可能にしたともいわれる農耕は、歴史上で大きな役割を果たしてきた。実はアリのなかにも、一種の栽培業を営む種類がある。中南米に分布するハキリアリだ。 ハキリアリは鋭い歯を使って木の葉を小さく切り取り、地下の巣に持ち帰って菌床をつくる。正確には、餌となるのは私たちが想像するようなキノコではなく、成長前の姿でカビのような見た目をした「菌糸体」だ。いわゆる傘と柄の形となる子実体に成長しないよう適...

巨大なとさかを持つ約1億年前の翼竜の骨格が発見される

<サンパウロ大学で収蔵されている約3000個の標本から、翼竜の一種「トゥパンダクティルス・ナビガンス」のほぼ完全な骨格と軟組織の一部が見つかった> 2013年にブラジル・サンパウロ州サントス港での強制捜査により警察が押収し、サンパウロ大学で収蔵されている約3000個の標本から、前期白亜紀(約1億4500万年前から約1億50万年前)の翼竜の一種「トゥパンダクティルス・ナビガンス」のほぼ完全な骨格と軟組織の一部が見つかった。その研究成果は2021年8月25日にオープンアクセスジャーナル「プロスワン」で発...

虫の捕食と花粉媒介を共存させるユニークな食虫植物を発見

<北米西海岸の湿地に生息し、北アメリカの都市近郊にも広く生息する植物が食虫植物であることが初めて確認された> オモダカ目チシマゼキショウ科イワショウブ属に分類される単子葉植物「ウェスタン・フォルス・アスフォデル」は、米アラスカ州からカリフォルニア州までの北米西海岸の湿地に生息し、夏には、粘着性のある腺毛で覆われた長い茎にブヨやユスリカのような小さな虫がくっつく。 このほど、北アメリカの都市近郊にも広く生息するこの植物が食虫植物であることが初めて確認され、一連の研究成果が2021年8月17日付の「米国...

5億年前から地球に生息するスライム状の「モジホコリ」がISSへ送り込まれる

<多核単細胞生物で粘菌の一種の「モジホコリ」が、国際宇宙ステーションに打ち上げられた......> フランスで「ブロブ」と名付けられたアメーボゾア(アメーバ動物)に属する多核単細胞生物で粘菌の一種の「モジホコリ」が、他の実験機器や物資、機材などとともにシグナスの無人宇宙補給機に積み込まれ、2021年8月10日、米ヴァージニア州ワロップス飛行施設から国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられた。 720種類以上もの性別があり、脳がなくても学習する 黄色いスライム状のモジホコリが地球に初めて現れ...

生きた動物や人間から毛を失敬 シジュウカラの大胆不敵な犯行

<巣作りに利用。わざわざむしり取るのには理由があるようで......> 鳥の巣をよく観察すると、材料に動物の毛が紛れ込んでいることがある。実は意図的に哺乳類の毛を使っている場合があり、こうした例は多くの鳥類の系統でみられるものだ。巣を保温する効果を持ち、とくに寒冷地においてヒナの生存率を高める効果があると考えられている。 その入手経路は完全に解明されているわけではないが、過去の研究においては環境中に落ちている抜け毛や動物の死骸から回収するという考え方が示されてきた。ところが最近、生態学の研究者がみず...

ホッキョクグマは道具を使って狩りをする イヌイットの伝承は真実だった

<北極ならではの道具を活用。18世紀から語られてきた伝承が、研究によって真実だと証明された> どう猛な性格と同時に、純白の毛皮が愛らしささえ感じさせる不思議なホッキョクグマ。そんな北極圏の主に、賢いという新たなイメージが加わることになりそうだ。最新の論文により、道具を使って狩りをするという生態が明かされた。 今回その生態に迫ったのは、カナダ・アルバータ大学の生物学研究者であるイアン・スターリング博士だ。ホッキョクグマ研究の権威である博士は、今年80歳という年齢ながら精力的に研究をこなす。博士は現地に...

「便秘解消に効く」危険すぎるウナギ治療で中国人男性が緊急手術

<「命を落としていたかもしれなかった」と手術した医師は言う> いかなる状況であろうと決してやってはいけないことの教訓として、この話は知っておいた方がいい。 中国・江蘇省の興化市に住む男性が、便秘を治すために生きたウナギを肛門から直腸に挿入し、入院した。環球時報の国際版グローバル・タイムズ紙によれば、20センチのウナギは結腸に到達すると、それを噛んで腹部に入ったという。 驚いたことに、こうした奇妙な方法でウナギが使われるのは今回が初めてではない。 2017年には、ある男性が友人の勧めで「民間療法」と称されるこの方法を試したとメンズヘルス誌が伝えている。49歳のその男性は病院に運ばれ、ウナギを摘出する緊急手術が行われた。ウナギがどのように体内に入ったのかを尋ねられた彼は「自ら泳いで入ってきた」と答えたが、最終的には自分で入れたと告白した。 また2020年には、FOXニュースが同様の事件を報じている。その事件では、ウナギが男性の腸を引き裂き、深刻な感染症を引き起こした。手術した医師は、「血液に大量の糞尿が混じっていた」と語っている。腹腔には極太のウナギが2匹いたという。 今回の興化市のケースもこれらの事件とよく似ている。 この男性は、前日から腹痛を感じていたものの「恥ずかしくて医者に診てもらえなかった」という。最終的には病院に向かい、ぬるぬると滑るウナギが摘出された。 手術を担当した医師は、「大腸内のバクテリアが腹腔に到達すると溶血を引き起こす可能性があるため、彼は命を落としていたかもしれなかった」と述べた。 なお、摘出された時点でウナギはまだ生きていたという。 ===== Believe it or not, not the first time I've seen someone in China do this. FOR THE LOVE OF GOD DO NOT DO THIS PPLhttps://t.co/ZQB4gUZc7N— Kerry Allen 凯丽 (@kerrya11en) July 28, 2021

金魚を湖に放さないで!巨大金魚繁殖でミネソタ州の市が住民に訴え

<米ミネソタ州にあるバーンズビル市が、「飼っている金魚を池や湖に放さないでください!」とツイートし話題に。増殖して生態系を乱した金魚の話は、各地でこれまでに繰り返し報じられている> 湖で30センチ超の金魚28匹を捕獲 米ミネソタ州にあるバーンズビル市は7月9日、「飼っている金魚を池や湖に放さないでください!」と、巨大な金魚の写真と共にツイッターに投稿し、話題になっている。同市当局が、市内にあるケラー湖で調査を行ったところ、巨大金魚が28匹捕獲されたという。最大のもので全長38センチ、重さ2キロ弱と、フットボール大のものもあった。市当局は、金魚は「皆さんが思っているより大きくなるうえ、水質汚染につながります」と訴えている。 Please don't release your pet goldfish into ponds and lakes! They grow bigger than you think and contribute to poor water quality by mucking up the bottom sediments and uprooting plants. Groups of these large goldfish were recently found in Keller Lake. pic.twitter.com/Zmya2Ql1E2— City of Burnsville (@BurnsvilleMN) July 9, 2021 金魚は、フナを原種とする中国原産の観賞用の淡水魚で、もともと米国には生息していない。ところがバーンズビル市当局には、ケラー湖に金魚の群れがいるとの情報が住民から寄せられていたという。ケラー湖は、バーンズビル市の南東に位置しており、湖の東岸は隣接するアップル・バレー市に面している。 そこでバーンズビル市は、アップル・バレー市や、コイの駆除を行うミネソタの企業カープ・ソリューションズと協力し、金魚などケラー湖に生息する魚について、実態調査を行うことにした。 米CNNによると、1回目の調査で10匹、2回目の調査では18匹の金魚を捕獲した。どれも全長30センチ以上ある大きなもので、カープ・ソリューションズのオーナーであるプシェメック・バイエル氏はCNNに対し、この大きさに達するまでに、金魚はここに何年も生息していたはずだと話した。 「金魚汚染」に悩む世界各地の川や湖 ミネソタ州自然資源局によると、同州で金魚は侵入生物種として規制されている。売買や飼育は出来るが、公共の場所に放すのは違法行為となる。しかしペットとして飼っていたであろう金魚が放されて、ケラー湖でこのような事態になったと考えられている。 増殖したり巨大化したりして生態系を乱している金魚の話は、各地でこれまでに繰り返し報じられている。 今回のケラー湖がある同じミネソタ州で、地元ニュースサイト「ブリング・ミー・ザ・ニュース」が昨年11月に報じた話によると、カーバー郡にあるビッグ・ウッズ湖の入り江で昨年10月下旬、3万~5万匹の金魚が駆除された。 ===== また2017年には、米農務省が「巨大な金魚、タホ湖の巨大な問題に」との見出しで、タホ湖に生息する巨大な金魚などの外来種が、生態系を壊している問題を伝えていた。 米国のみならず、オーストラリアやカナダでもこれまで、巨大化したり増えたりした金魚の問題が話題になっており、当局は住民に対して、金魚を川や湖などに放さないよう訴えてきた。 金魚のイメージと実態のギャップが原因 中でも、巨大金魚が川の全域に住み着いてしまったというオーストラリアのバッセ川は、「世界最速の金魚の増殖率」と言われるほどだ。2016年にバッセ川の問題を報じていた米ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、もともとは20年ほど前、不要となったペットの金魚わずか数匹を小川に流した人がいたことが原因とみられている。その金魚が大きくなり、川を下り、増殖し続けたのだ。 同川を調査したマードック大学のスティーブン・ビーティ―博士は当時NYTに対し、金魚被害の原因は、人々が金魚に持つ「小さくてかわいい」というイメージと、実際の生態にギャップがあるからだと説明していた。 金魚被害の問題が取り上げられるたびに、金魚が在来種の卵や魚を食べてしまう点や、水底の堆積物をかき乱して水を汚染させること、金魚のフンが藻の繁殖を促し透明度の高い水を緑にしてしまうこと、菌やウイルスをもたらすことなど、生態系への悪影響が指摘されている。金魚を自然環境に放すと「害魚」になる、と表現する報道も少なくない。しかし状況は一向に改善していないようだ。 今回のケラー湖での調査を受けてバーンズビル市は、飼えなくなった金魚は湖や池に放さずに、友達や近所の人にあげるなどするよう訴えている。また米・魚類野生生物局は、金魚をペットショップや学校などに寄付する方法もあると提案している。 ===== Monster' Goldfish the Size of Footballs Are Invading Lakes

大量のレース鳩がこつぜんと消えたミステリー

<英国イングランドの中東部に位置するピーターバラで行われた鳩のレースで、放された1万羽の鳩がほとんど戻ってこなかった......> 英全土で1日のうちに25万羽の鳩が行方不明に 6月のある晴れた土曜日、英国イングランドの中東部に位置するピーターバラで行われた鳩のレースで、奇妙なことが起きた。3時間程度で終了すると思われたレースで、放された1万羽の鳩がほとんど戻ってこなかったのだ。 鳩レースは、レース会場で一斉に鳩を放ち、鳩の巣であるそれぞれの鳩舎までの距離と、戻ってきた時間をもとに速さを算出してスピ...

豪に残るネズミ被害の爪痕 農家は涙で穀物を廃棄、壁の中からは死骸の悪臭

<オーストラリア東部を襲ったネズミの大発生は収束に向かっているが、事態の改善までに多くの犠牲を伴った。穀倉地帯に迫るネズミの波が、農業を営む人々のわずかな希望を打ち砕く> オーストラリアでは毎年のように干ばつが続いており、昨年末には追い討ちをかけるように大規模な森林火災に見舞われた。その後久方ぶりの雨に恵まれ、農家は束の間の安堵を得る。農家のコリン・ティンク氏は英インディペンデント紙に対し、この雨でようやく幸運が訪れたと思った、と語っている。降雨のおかげで3月までのオーストラリアの夏の期間中、氏は2...