「米中対立」の記事一覧

「中国封じ込め策には抜け穴がある」、パキスタン首相独占インタビュー

<アフガニスタンや中国と地理的・戦略的に深く結び付いたパキスタン。カーン首相が語る対米関係と対テロ対策の本音> 本誌は9月にパキスタンのイムラン・カーン首相への単独インタビューを実施した。聞き手は外交担当シニアライターのトム・オコナー、やりとりはeメールで行われた。 なぜいまパキスタンか。この国がアフガニスタンとも中国とも、地理的かつ戦略的に深く結ばれているからだ。カーン首相は自らの目標や南アジアの現況に対する憂慮を率直に語り、アメリカは今後もアフガニスタンに関与すべきだとし、その理由を説明した。こ...

中国でまた核ミサイル発射施設110基を発見──冷戦以来「最も大規模な」軍備増強

<アメリカのシンクタンクが、衛星画像から核ミサイル用地下発射施設計250基にのぼる建設サイトを発見。「核抑止に徹する」という中国の本物の核の脅威が姿を表した> 中国が、西部新疆ウイグル自治区の砂漠地帯に、核ミサイルサイロ(核ミサイル用地下発射施設)を新たに110基建造していることが、7月26日付の調査で判明した。専門家はこの動きを、冷戦以来「最も大規模な」建設活動だと表現している。 ワシントンDCにある米国科学者連盟(FAS)の核情報プロジェクトで、世界各国の軍備増強を研究しているマット・コーダとハ...

東京五輪でも米中「覇権争い」 金メダル競争は中国有利?

<貿易でも領土でも人権でもぶつかり合いながらトップの座を争う2つの超大国。オリンピックも例外ではない> 米中が相まみえれば競争に火がつく──当節、それは避けられない現実だ。貿易でも領有権でも新型コロナウイルスの起源でも、2つの超大国は激しくぶつかり合ってきた。スポーツも例外ではない。来年北京で開催予定の冬季五輪について、中国の人権問題を理由にボイコットすべきだという声もアメリカにはある。 コロナ禍で1年遅れで開催された東京五輪(8月8日まで)も同じだ。メダルの総獲得数で、米中はトップを争っている。 ...

米軍のRC-135U偵察機が中国沿岸に最接近、あと47キロまで

<日本や東南アジア諸国の領土・領海を脅かす中国に、「最大限の圧力」作戦を展開するアメリカ> 3月22日、米軍の偵察機が中国沿岸の防衛線にこれまでになく接近し、約47キロメートルまで近づいた後で引き返したことを、北京の研究者らが明らかにした。 北京大学のシンクタンクである「南海戦略態勢感知計画(SCSPI)」がツイッターで述べたところによれば、この米空軍の偵察機「RC-135Uコンバット・セント」は、南シナ海で活動する米軍偵察機3機のうちの1機だという。 同機のルートを示す現地時間22日午前の飛行追跡データでは、台湾南部とフィリピンのルソン島を隔てるバシー海峡を一直線に飛行したことがわかっている。 レーダーシステムで情報を収集するRC-135Uはその後、中国南東部の福建省から広東省にかけての海岸線に接近してから引き返した。 USAF RC-135U Combat Sent #AE01D5 just set a new record of 25.33NM, the shortest distance US reconnaissance aircraft have reached from the China's coastlines, based on public data so far.In addition, there was also a P-8A & an EP-3E spotted over the #SouthChinaSea, March 22. pic.twitter.com/uLv49u70Gv— SCS Probing Initiative (@SCS_PI) March 22, 2021 この飛行により、同機は中国から約47キロメートル内に侵入したとSCSPIは述べ、公開情報にもとづけば、米軍偵察機が中国の海岸線に接近した例としては「最も近接した」と表現した。 とはいえ、沿岸部から航空機までの距離の測定に関して、公開されている飛行追跡データがどれだけ正確なのかは不明だ。 中国本土周辺における米軍の活動を追跡しているSCSPIによれば、コンバット・セントは、「AE01D5」というトランスポンダー・コードを使用していたという。 同機は、22日に南シナ海で活動していた3機の偵察機の1機で、ほかの2機は「P8(ポセイドン)」と「EP-3」だったとSCSPIは述べている。 来年は米豪に加え英独も参加 米空軍のRC-135Uは、2021年になってから、すでに何度か中国メディアに登場している。3月には、国営ネットワークの「中国中央電視台」(CCTV)も、沖縄の嘉手納空軍基地から飛び立った同機の、黄海と東シナ海での偵察任務を追跡していた。 SCSPIは3月12日、南シナ海における2020年の米海軍及び米空軍の活動に関する年次報告書を公開した。同報告書のまとめによれば、米軍の偵察機は2020年、1000回近くにわたって紛争海域に飛来したという。 米軍の重爆撃機と戦艦は、中国が領有権を有する島々の周辺で、記録的な数の任務を実施し、その過程で中国に「最大限の圧力」をかけたとSCSPIは述べている。 SCSPIは2020年10月本誌に対し、米軍は2009年以降、「この海域での活動頻度を大幅に上げている。水上艦艇の出現頻度は60%以上増加し、年間およそ1000シップデイ(延べ展開日数)に達している」と述べていた。 「空に関しては、1日あたり平均3〜5機の戦闘機を南シナ海に送り込んでおり、年間の接近回数は合計1500回を越える。これは、2009年と比べてほぼ2倍だ。そのほとんどは偵察機だ」とSCSPIは続けた。 米軍が中国周辺海域で存在感を強めている背景には、中国軍が戦闘能力を強化し、日本や台湾の近海でほぼ毎日のように偵察飛行を実施している状況がある。 アメリカの主要同盟国も、南シナ海での「航行の自由」作戦に参加している。2020年にはオーストラリア海軍の戦艦が参加した。2021年には、ドイツとイギリスの戦艦が同海域を航行する予定になっている。 (翻訳:ガリレオ)

人民日報、「大差で勝った」と言い張るトランプを笑う

<一方、当確が出たバイデンとハリスには各国首脳から次々と祝福のメッセージが> 中国共産党機関紙である人民日報は11月7日、アメリカの大統領選挙に「大差で」勝利したという嘘のツイートをしたドナルド・トランプ大統領をあざ笑った。 中国共産党中央委員会の公式新聞であり、ツイッターで700万人のフォロワーを誇る人民日報は、民主党候補のジョー・バイデン前副大統領が当選を確実する数時間前に、自分が選挙に勝ったと宣言したトランプのツイートに、「あはは!」という言葉に笑いを示す絵文字を添えて返信した。 I WON THIS ELECTION, BY A LOT!— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) November 7, 2020 トランプのこの投稿に対して、ツイッター社は正式な結果が出ていないのに勝者を偽る内容であるとして、警告を出した。 その直後、バイデンが激戦州のペンシルベニアで勝利をおさめ、選挙人20人を獲得したことが判明すると、AP通信と主要テレビ局はバイデンが第46代アメリカ合衆国大統領として選出されることが確実になったと報じた。 トランプは5日にも、ペンシルベニア州を大差で獲得したと主張したが、その時点ではまだ多くの票が集計されていなかった。最終的にバイデンは3万票以上の差をつけて勝利を収めた。 トランプを嘲笑った外国メディアは人民日報だけではない。AP通信によると、コロンビアの日刊紙パブリメトロは、星条旗のマスクをした男の写真と共に「バナナ・リパブリック(政情不安定な中南米の小国)はどっち?」という見出しを1面に掲げた。 中国だけではない批判 7日発売のドイツの大手ニュース雑誌シュピーゲルは、「スクワッター(不法占拠者)」というタイトルのもとに、ホワイトハウスの執務室で、ライフル銃を構える挑戦的なトランプのイラストを表紙に掲載した。背後に掲げられたバイデンの写真に弾痕が見える。 オーストラリアの週刊紙サタデー・ペーパーは、一面に「現実以外のあらゆるものにしがみつく小さな手」というタイトルをつけてトランプの手の写真を掲載した。一方、イギリスのガーディアン紙は、トランプは「現実に逆らう戦い」をしていると評した。 Today's front page: "One small hand clinging to everything except reality". https://t.co/vyyUKcrXn3 pic.twitter.com/jnYgXsOfbQ— The Saturday Paper (@SatPaper) November 6, 2020 トランプを嘲る人民日報の姿勢は、近年の激しい米中対立の結果でもある。長引く貿易・技術・人権紛争、安全保障問題、そして新型コロナウイルス感染爆発の責任問題をめぐって、米中関係は過去40年で最悪と言われている。 AP通信は10月に、中国の指導者はバイデンが大統領選挙に勝つことを望んでいると報じた。中国側はバイデンであれば、米中が対立している分野の一部に協力関係を築く余地があるのではないかと期待しているようだ。だが民主党も共和党も、近いうちに中国に対する姿勢を軟化させる気配はない。 ===== 開票結果で次第にバイデンの追い上げを食うようになるとトランプは、激戦州の選挙は不正に操作されていると主張し続けたが、週末にはバイデンの当確が報じられ、世界の指導者は祝福のメッセージをバイデンに送った。 イギリスのボリス・ジョンソン首相はツイッターでバイデンとカマラ・ハリスの「歴史的業績」を祝福し、カナダのジャスティン・トルドー首相は2人と仕事をすることを「本当に楽しみにしている」とつづった。 「両国は親しい友人であり、パートナー、同盟国だ」とトルドーはツイートした。「私たちは世界の舞台でユニークな関係を共有している。その土台の上に協力関係を構築することを本当に楽しみにしている」。 インドのナレンドラ・モディ首相は、黒人として、南アジア系アメリカ人として、さらに女性として史上初めて副大統領に選出されたハリスに特別な祝辞をツイートした。 「あなたの成功は画期的であり、すべてのインド系アメリカ人にとって大きな誇りだ」とモディは述べた。「力強いインドとアメリカの関係は、あなたのサポートとリーダーシップで、さらに強固なものになると確信している」 ===== I WON THIS ELECTION, BY A LOT!— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) November 7, 2020

「中国共産党は略奪者」 米国務長官ポンペオ、一帯一路参加のスリランカを訪問で

アジアを歴訪中のポンペオ米国務長官は28日、中国共産党がスリランカとモルディブで「略奪者」のように活動していると批判した。 インドに続きスリランカを訪問したポンペオ氏は、首都コロンボでラジャパクサ大統領と会談。記者会見で「ひどい取引や主権侵害、海と陸での無法行為などから中国共産党が略奪者であることが分かっている。米国は異なる方法を取る。われわれは友人でありパートナーだ」と述べた。 スリランカのグナワルダナ外相は会見で「スリランカは中立で非同盟であり、平和に向けて取り組んでいる」とし「米国や他の国との...

米中衝突が生むアジアの新たなパワーバランス

<中国の台頭への強い不安が地域の国々そしてアメリカをつなぐ接着剤になっている> 近年、アジアにおける影響力を拡大してきたアメリカと中国は今まさに、この地域を巡る勢力争いのまっただ中にいる。アメリカのドナルド・トランプ大統領はオーストラリアやインド、日本と言った国々とのパートナーシップをさらに発展させ、この争いで優位に立とうとしている。 トランプの大胆なアプローチはチャンスでもありリスクでもある。 米大統領選の投票日を半月後に控え、トランプはもちろん民主党のジョー・バイデン候補側も、外交政策と言えば取...

「中国、北朝鮮のサイバー犯罪を資金洗浄で支援」米司法省高官が非難

米司法省のジョン・デマーズ次官補(国家安全保障担当)は22日、国際的な制裁下にある北朝鮮がサイバー攻撃で盗んだ資金の洗浄を中国が支援していると非難した。 サイバー関連の知識や訓練といった形でも支援が行われている可能性が高いと指摘した。 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)が主催したイベントでデマーズ氏は「とりわけ目立つのは、北朝鮮の制裁逃れを支援する中国の関与だ。北朝鮮が何らかの方法で入手した資金や、体制内に持ち込みたい資金、もしくは盗むなどした資金の洗浄(マネーロンダリング)や、物資移動...

インドネシア大統領ジョコ、米国の哨戒機給油要請を拒否

米国が今年、インドネシア領内に哨戒機P8を着陸させ給油する許可を要請したが、インドネシア政府が拒否したことが関係筋の話で明らかになった。4人のインドネシア政府関係者によると、7月と8月に米政府高官から国防相と外務相に対し何度か働き掛けがあったが、ジョコ大統領が拒否した。同国は長く外交政策における中立を保ってきたため、インドネシア政府は米国の要請を驚きを持って受け止めたという。P8は南シナ海での中国の軍事活動を監視する上で中心的な役割を果たしている。インドネシアのルトノ外相は9月上旬に行われたロイター...

尖閣問題への米軍介入で中国軍との戦闘は不可避──仮想「東シナ海戦争」の結末

<米シンクタンクの机上演習が示す日米共闘のシナリオと米中対立の血みどろの惨劇> 2030年。東シナ海にある日本の島を、中国軍部隊が占領した。日本は両用戦タスクフォースを派遣し、直ちに到着した米軍の軍艦や航空機が同行する。 日本を支援せよ。ただし、中国軍部隊との戦闘は回避せよ──それが米軍側の指令だった。 そのもくろみはたちまち崩れる。ワシントンのシンクタンク、新アメリカ安全保障センター(CNAS)が実施した机上演習によると、米軍が介入すれば、中国軍部隊との交戦を避けることは不可能だ。 「危険なゲーム...