「米中関係」の記事一覧

バイデンのアジア重視を示したキャンベル元国務次官補起用

<早くから中国の覇権拡大を警戒してきたキャンベルをインド太平洋調整官に起用したことで、新政権はアジアに関心がないという懸念は吹き飛んだ> 中国がアメリカの地政学的ライバルであることは今や明らかだ。アジア太平洋地域では、中国の覇権主義的な動きを警戒する日本、インド、オーストラリアが地域におけるパワーバランスを回復するため、アメリカの関与を切望している。にもかかわらず、アメリカがこの地域で中国との綱引きに負けつつあることは、多くの専門家が一致して認めるところだ。 トランプ政権も何もしなかったわけではない...

「危険で脆弱な超大国」独裁国家・中国のトリセツ

<元米国防総省中国部長が新著で解き明かすのは、世界規模の野望を持ちながら、弱さも秘めた現代中国の姿だ。アメリカと同盟国は、その矛盾を理解せよ> ソ連崩壊から約30年が過ぎた今、アメリカの覇権争いの相手は中国だ。習近平(シー・チンピン)政権の発足以来、中国はより強く自己主張する路線を推し進め、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でアメリカとの競争は激化した。 表面的に見れば、中国は自信に満ちている。経済は回復基調にあり、軍の現代化やテクノロジー開発の加速、外交的影響力の拡大が進む。 その中...

世界で「嫌われる国」中国が好きな国、嫌いな国は?

<中国人にとって最も印象が悪いのはアメリカと日本で、反対に好意的に見ているのはドイツ、イタリア、韓国など> 新型コロナへの対応をめぐり中国への不満が渦巻くなか、2020年10月、欧米や東アジアなど14カ国を対象にした世論調査で対中感情が急激に悪化していることが浮き彫りになった。 では中国の人々は世界各国をどう見ているのか。 約1000人の中国人を対象に同じ14カ国の印象を尋ねたところ、最も印象が悪いのはアメリカで「非常に否定的」と「やや否定的」が計77%。続く2位は計61%の日本だった。 一方、イタ...

香港民主派53人の一斉逮捕をバイデン次期米政権が非難「中国の民主主義締め付けに反対する」

<逮捕者の中には米国人弁護士も含まれ、米中関係の次の火種になる可能性もある> 次期米国務長官に指名されているアントニー・ブリンケンは、香港当局が1月6日朝に民主派の前議員や活動家53人を逮捕したことを非難。ジョー・バイデン次期米政権は香港の人々を支持し、中国による「民主主義の締め付け」に反対すると表明した。 民主派の53人は、中国政府が2020年6月に施行した「香港国家安全維持法」に違反したとして逮捕された。 「民主派活動家たちの一斉逮捕は、普遍的権利を求めて声をあげた勇敢な人々に対する攻撃だ」とブ...

アメリカを抜いてEUの最大貿易相手国にのし上がった中国の戦略的勝利

<新型コロナ危機をきっかけに、アメリカに代わってEUの最大貿易国にのし上がった中国は大喜び。アメリカも中国の欧州進出に警戒感を高めるが> EUの最大の貿易相手国という新たな立場を、中国は経済の急成長による成果のひとつとして歓迎している。だが国際秩序における中国の台頭は、アメリカだけなく、他の西側諸国からも懸念と批判を引き起こしている。 12月4日の記者会見で、中国外務省の華春瑩(ホァ・チュンイン)報道官は、先日発表されたEUの貿易統計の結果を「中国とEUの両方にとって良いニュース」と称賛した。 欧州...

暴走する中国の今後を左右するWTO事務局長選 米次期政権はどう向き合うべきか?

<次期事務局長選のポイントは、国際貿易ルールを破り続ける中国の責任を追及し、実効性ある改革を推進できる候補であるかが重要に> この数カ月、米大統領選に世界の関心が集まる一方で、もう1つの重要な選挙はほとんど注目されていない。それは、前任者の退任に伴い3カ月間空席となっているWTO(世界貿易機関)の次期事務局長選びである。問われているのは、中国の国際貿易ルール破りに対抗するために、実効性あるWTO改革を推進できるかという点だ。 国際貿易システムは、長らく機能麻痺に陥っている。トランプ米大統領は2度の大...

RCEP締結に習近平「高笑い」──トランプ政権の遺産

RCEPの締結は中国のコロナ禍早期脱出とトランプ政権の一国主義のお陰だと、中国は大喜びだ。日中韓FTAまで内包してしまい、インドの不参加、台湾経済の孤立化も中国には有利だ。インドやロシアとはBRICSで結ばれている。 「多国間主義と自由貿易の勝利」と中国 中国共産党の機関誌「人民日報」やテレビ局CCTVは、アジアの自由貿易協定であるRCEP(アールセップ=東アジア地域包括的経済連携)締結を「多国間主義と自由貿易の勝利」と一斉に讃えた。これはトランプ政権が唱えてきた「一国主義と保護貿易」の反対側の立場...

中国反体制派の在米富豪に、怪し過ぎる「共産党スパイ」疑惑

<真意を疑われても仕方のない経歴と問題行動、そしてアメリカで見つけた「同志」とは──。本誌「アメリカ大統領選 中国工作秘録」特集より> アメリカで中国共産党幹部の腐敗を暴くと息巻く元政商の郭文貴(クオ・ウエンコイ)。その郭が9月、中国を逃れてきた反体制派や、彼らを支援する在米活動家を「共産党のスパイ」だとするリストを発表した。「裏切り者を抹殺しよう」と、郭はオンライン動画で葉巻を片手に訴えた。「始めよう。まずはこの売国奴たちを始末しよう」 その数日後、テキサス州ミッドランドにあるボブ・フーの自宅前に...

中国への頭脳流出は締め付けを強化しても止められない……「千人計画」の知られざる真実

<中国がカネに飽かせて進める人材招致を必要以上に敵視すると、アメリカは優秀な人材を失うことに──。本誌「アメリカ大統領選 中国工作秘録」特集より> 先端技術開発で各国が激しい競争を繰り広げる今、イノベーションの才能がある科学者、技術者、研究者の育成と確保に一国の命運が懸かっていると言っても過言ではない。 中国はそれを痛感している。14億の人口を抱えるこの国は教育・研究に莫大な予算を投じてきたが、最先端の技術開発では今も大半の先進国に後れを取っている。 その証拠に中国本土で研究を行い、ノーベル賞を受賞...

米爆撃機2機が中国の防空識別圏に異例の進入

<米大統領選後の混乱に乗じて台湾空軍を消耗させる中国軍に警告> 11月17日、米軍の超音速爆撃機2機が中国の防空識別圏(ADIZ)に進入した。米大統領選後の混乱を受けて同地域の情勢が不安定化するなか、中国をけん制する狙いがあるとみられる。 航空機追跡サイト「Aircraft Spots」がツイッターに投稿した情報によれば、米空軍のB1B爆撃機、MAZER01とMAZER02はグアムにあるアンダーセン空軍基地から出撃。台湾北東にある東シナ海上空のADIZに進入した。KC135ストラトタンカー空中給油機...