「米外交」の記事一覧

バイデン次期政権でも「台湾重視」の対中強硬姿勢は変わらない

<同盟国との協力を重視しながら、トランプ政権のインド太平洋戦略を引き継ぐ見通しだと専門家は分析する> ジョー・バイデン米次期政権のインド太平洋戦略は、同盟国とより緊密に協力する一方で、基本的にはドナルド・トランプ現政権の戦略を引き継いで、中国の封じ込めを念頭に台湾重視の政策をとっていくことになるだろうと、外交専門家は分析している。 1月12日、米政府がインド太平洋戦略などについて2018年に承認した内部文書が公表された。本来は2043年まで非公表の扱いだったが、一部を編集した上でホワイトハウスが機密...

「危険で脆弱な超大国」独裁国家・中国のトリセツ

<元米国防総省中国部長が新著で解き明かすのは、世界規模の野望を持ちながら、弱さも秘めた現代中国の姿だ。アメリカと同盟国は、その矛盾を理解せよ> ソ連崩壊から約30年が過ぎた今、アメリカの覇権争いの相手は中国だ。習近平(シー・チンピン)政権の発足以来、中国はより強く自己主張する路線を推し進め、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でアメリカとの競争は激化した。 表面的に見れば、中国は自信に満ちている。経済は回復基調にあり、軍の現代化やテクノロジー開発の加速、外交的影響力の拡大が進む。 その中...

イランの韓国籍タンカー拿捕の裏にトランプ恐怖症

<タンカーをイラン革命防衛隊に拿捕された韓国は自国軍を現場に派遣、他国の協力を求めているが> 韓国船籍の石油タンカーがペルシャ湾でイランに拿捕された事件で、韓国は急遽、現地近海に自国の軍を派遣。さらに、周辺地域で活動する国々に事態打開のための協力を求めている。 イランの精鋭部隊、革命防衛隊は1月4日、指揮下のズルフィカール艦隊が、サウジアラビアを出てペルシャ湾を航行中の韓国籍のタンカーを「海洋環境に関する法律に違反した」という理由で拿捕したと発表した。 このタンカーの名は「韓国ケミ号」。石油化学物質...

核科学者暗殺の報復誓うイラン 開発加速で国際社会との対立は激化へ

<「核開発の父」暗殺を受け、イラン議会はIAEAの査察拒否やウラン濃縮を推進できる新法を可決> イランのハタミ国防相は昨年12月中旬、軍の核兵器開発を統括する防衛技術革新機構(SPND)の予算を256%増額すると発言した。国際社会の働き掛けや米トランプ政権の脅しを無視して核開発予算を大幅に増やす判断は、イランと国際社会の対立が一段と激化した表れと言える。 引き金となったのは、「イラン核開発の父」としてSPNDを率いてきたモフセン・ファクリザデが11月末にテヘラン近郊で暗殺された事件。イラン当局はイス...

北朝鮮のタカ派外相、姿見えず──バイデン次期政権睨んで交代か

<秋以降、対米強硬派の李善権外相が公の場に姿見せていない。話し合い路線へ転換の兆し?> 対米強硬派として知られる北朝鮮の李善権(リ・ソングォン)外相が公の場に姿を見せなくなって久しい。アメリカの政権交代を前に、朝鮮労働党委員長の金正恩(キム・ジョンウン)はもっと交渉手腕に優れた人物を新たな外相に任命する計画だとも伝えられている。 韓国の朝鮮日報によれば、李外相は8月を最後に公の場で目撃されていない。また、韓国の聯合通信は、これが今後の人事と関係があるのか事態を「注視している」という韓国政府高官の話を...

中国国内に台湾版「国家安全法」を求める声

<「非平和的再統一」に備えよと、強硬派の法学者が主張> 中国政府は台湾向けの「国家安全維持法(国安法)」を起草し、台湾の「非平和的再統一」に向けた準備をすべきだ――台湾問題をめぐる中国国内のセミナーで上がった声だ。 発言の主は北京航空航天大学の田飛龍(ティエン・フェイロン)准教授。法学者で、今年6月30日に香港で施行された国安法を強く支持している。田は香港での教訓を台湾問題に応用する機は熟したとも述べた。 香港の中国評論通信社によれば、田は河南省信陽で開催された台湾問題に関するセミナーに招待された1...

米U-2偵察機が中国の防空識別圏に進入、台湾への軍事行動を牽制

<米軍機がここまで中国沿岸に接近したのは10月以来。中国の台湾侵攻を警戒する米軍と、米軍の妨害を警戒する中国軍が火花を散らす> 航空機追跡データによると、12月10日、米空軍の偵察機1機が中国の防空識別圏(ADIZ)を通過し、中国東部の沿岸地帯から51海里(約95キロメートル)以内に進入した。 北京のシンクタンク「南海戦略態勢感知計画(SCSPI)」によれば、「ドラゴンレディ」の異名を持つ高高度偵察機U-2は韓国のソウルから出撃し、台湾海峡に進入。冷戦時代にロッキード社によって開発された同偵察機は、...

オバマ回顧録は在任中の各国リーダーを容赦なく斬りまくり

<プーチンは「信頼できない派閥のボス」、メルケルは「あまりに保守的」、サルコジは「二枚舌」──各国指導者への辛口評価のオンパレード> 全2巻の刊行が予定されているバラク・オバマ前米大統領の回顧録の第1巻『プロミスド・ランド(約束の地)』が、11月17日に発売された。この本でオバマは、在任中に会った各国の指導者にかなり辛口の評価を下している。 ロシアのウラジーミル・プーチンは米地方政界の派閥のボスを思わせ、フランスのニコラ・サルコジは「大げさなレトリック」が大好き。中国の指導層については「世界秩序の覇...

ネタニヤフとムハンマド会談、事実とすれば中東は変わる

<アラブの盟主サウジアラビアは、イスラエルのネタニヤフ首相の訪問を否定しているが、湾岸諸国にはパレスチナ人の土地をイスラエルから取り戻すよりイスラエルと協力してイランに対抗することを重視する雰囲気になっている> サウジアラビアの外相は、高齢のサルマン現国王を支える陰の実力者ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、同国を訪問中の米国務長官マイク・ポンペオとともにイスラエル当局と会談したという報道を否定した。 ポンペオは、首都リヤドで開催されたG20サミットに出席するためにサウジアラビアを訪れている。この訪...

米国務長官に指名されたブリンケンの外交語録

<ロシアと北朝鮮に甘く中国と同盟国には厳しかったトランプ政権の外交は正常化するか> 米大統領選で勝利を確実にしたジョー・バイデンは、アンソニー・ブリンケン(58)を次期政権の国務長官に指名すると発表した。 ブリンケンはバラク・オバマ前政権で国務副長官や国家安全保障問題の大統領副補佐官を務めた。当時、...