「習近平」の記事一覧

香港を殺す習近平、アメリカと同盟国はレッドラインを定めよ

<全人代が国家安全法を香港に導入へ──。諸外国の警告にも動じない中国政府を前に、自由と民主化運動と「一国二制度」は風前の灯火なのか。できることは限られているが、まだ交渉の時間はある> 一国二制度の約束など、とうの昔に忘れたのだろう。中国政府はいよいよ、反体制運動を抑え込む国家安全法を「特別行政区」であるはずの香港に力ずくでも適用しようとしている。それを許したら終わりだ。香港は中国本土の専制的なシステムに組み込まれ、窒息してしまう。 1997年にイギリスから中国へ返還されて以来、香港の行政府は基本的に...

WHO演説で習近平が誓ったコロナ後の「失地回復」

<年次総会の場を借りて習が猛アピールしたのは、失地回復の決意表明とダメージコントロールだった> 新型コロナウイルス感染症が、中国からヨーロッパ、アメリカを経て、中南米で猛威を振るうなか、WHO(世界保健機関)の年次総会が開かれた。5月18日の開会式を含め、2日間の短縮日程は、全てビデオ会議で進行。中国の習近平(シー・チンピン)国家主席が登場したのは、その開会式でのことだ。 その演説を読み解くと、中国の防衛線と弱点、そして今後何に重点を置くつもりなのかが見えてくる。 中国が今、何よりも力を入れているの...

「イギリスが香港のために立ち上がらないことこそ危機」パッテン元総督

<香港への統制を強化する「国家安全法」をパッテン元総督が強く懸念> 中国政府が香港の統制を強化する「国家安全法」の制定に向けて動き出した。これを受けてイギリス統治時代の香港で最後の総督を務めたクリス・パッテンは中国を強く批判するとともに、香港の自治を守るためにさらなる行動を起こすようイギリス政府に求めた。 「中国は(香港や国際社会を)欺いている。物事を自分たちの都合に無理やり合わせようとし、それを指摘されると、『戦狼』外交官たちがいじめと恫喝を用いて相手を黙らせようとする」とパッテンは英タイムズ紙と...

香港の自由にとどめを刺す中国、国際社会はどう反応するのか

<全人代で明らかになった、香港の統制を強める法制度。今年9月に予定されている立法会選挙も大混乱に陥りかねない。旧宗主国イギリスは歯切れが悪いが、英政府にできることもある> 2015年、未来の香港を舞台にした低予算のディストピア映画が作られた。向こう10年の間に、警察が反体制派に容赦なく暴力を振るい、子供たちが中国共産党のイデオロギーに洗脳され、人々はいい仕事に就くために北京語を学ばなくてはならなくなるというストーリーだ。『十年』という映画である。 それから5年もたたずに、現実はぞっとするくらい、この...

米中どちらに軍配?WHO総会で習近平スピーチ、トランプ警告書簡

18日、WHO総会オンライン会議で習近平がスピーチしWHOの調査を承諾し、2年間で20億ドル拠出するとしたのに対して、トランプはWHOが30日以内に中国寄りを改善しなければ拠出金を停止し脱退する可能性を示唆した。 習近平のスピーチのために関係国首脳に声掛け これまでWHO総会に関係国首脳がスピーチをするという例はあまり見られない。 しかし今年は習近平のスピーチを可能ならしめるために、敢えて関係国首脳にビデオメッセージの形で開会の挨拶を冒頭に盛り込んだとしか解釈できない。 開会の辞を述べたのは順番に以...

台湾、2期目スタートの蔡英文「中国との対話望むが『一国二制度』は受け入れず」

台湾の蔡英文総統は20日、2期目就任にあたっての演説で、台湾は中国との対話を望むが、中国が提案する「一国二制度」は受け入れられないと語った。 蔡総統は「平和、対等、民主主義、対話という言葉を繰り返したい。中国政府が台湾をおとしめ、中台間の現体制を弱体化させるために『一国二制度』を利用することをわれわれは受け入れられない。われわれはこの原則を堅持する」と語った。[ロイター]Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます ※画像をクリックするとアマゾンに飛び...

感染者急増するロシアはコロナ対中包囲網にどう対応するか──モスクワ便り

未曽有の被害を人類にもたらしているコロナ災禍に対して西側諸国は、中国に賠償を求めるべく対中包囲網を強化している。蜜月の中露はどう対応するかを、プーチン側近とも接触のある「モスクワの友人」に聞いた。 対中包囲網を強化する西側諸国 今年4月29日、フランスのFRI(Radio France Internationale、ラジオ・フランス・アンテルナショナル、フランス国際ラジオ)は、<コロナに対して世界8か国が中国に100兆ドルの損害賠償を求めている 中国激怒>と報道した。それによれば、4月29日までの時...

コロナ禍の今、米中衝突の危機はそこまで迫っている

<イデオロギー的な敵対心、貿易戦争の長期化、地政学的な対立──コロナ危機を経て米中関係はさらに悪化する> 数十万人の命を奪い、世界経済に大打撃を与えている新型コロナウイルスの蔓延は、地政学的な風景も変えようとしている。米中関係がますますこじれ、両国が互いをさらに敵対視することになりそうなのだ。 コロナ禍はただでさえ危機にあった米中関係にとって、とどめの一撃になったかもしれない。特に中国当局が流行の初期段階で情報を隠蔽していたことと、中国の国土封鎖が世界のサプライチェーンを寸断したことは、米中関係に潜...

ポストコロナの日中関係:歩み寄る中国外交の本気度を見極めよ

<米中冷戦で日本の中立を望む中国は領土や安全保障でも譲歩を提示する? 本誌「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集より> 猛威を振るう新型コロナウイルス禍はまだ終わりそうにないが、終息後の世界の輪郭は見え始めてきた。 まず、明るい兆しはない。1930年代の世界恐慌と同じく、危機の中で国際協力体制は破綻した。各国は国境を封鎖し、重要な医療用品の輸出を禁止している。国連とWHO(世界保健機関)は存在感を失った。コロナ禍が世界恐慌と同様の影響を世界秩序に与えるならば、たとえワクチンが早期に開発されても...

全人代開幕日決定から何が見えるか?

全人代開幕が今月22日となったが、これは決して「一党支配体制だからコロナに勝てた」を象徴していない。全人代の主人公は李克強。コロナ戦から外された習近平は何を恐れ、アフターコロナで何を狙っていくのか? 全人代開幕日が決定されたことに対する位置づけ 4月29日、全人代(全国人民代表大会)常務委員会が栗戦書・全人代常務委員会委員長の主催で開催され、新型コロナの影響で延期されていた2020年の全人代(第13期全人代第3回会議)を5月22日に開幕すると決定した。コロナ感染拡大が収束し、3000人から成る全人代...