「習近平」の記事一覧

香港よ、変わり果てたあなたを憂いて

<活力と多様性と自由が失われ、市民と警察が憎しみ合う、監視都市・香港に希望は残されているのか> 7月1日、北京の天安門広場で華々しく開かれた中国共産党建党100周年の祝賀大会。習近平(シー・チンピン)総書記(国家主席)は1時間以上も演説し、「中華民族の偉大な復興」のために党と人民が奮闘し、列強に支配された「半植民地」から世界第2位の経済大国へと上り詰めたと強調した。さらに80回以上も「人民」という言葉を使い、「歴史と人民が中国共産党を選んだ」と述べた。 中国の憲法は、中国は「労働者階級が主導し、労農...

習近平最大の痛手は中欧投資協定の凍結──欧州議会は北京冬季五輪ボイコットを決議

バイデンが主導しようとしている対中包囲網は見せかけが多く軟弱だが、欧州議会がウイグル人権弾圧問題で中国の報復制裁に対して決議した「中欧投資協定の凍結」ほど、習近平にとって手痛いものはない。欧州議会は北京冬季五輪ボイコットをさえ呼びかけている。 EUがウイグル問題に関して制裁 今年3月22日、EU(欧州連合)主要機関の一つである「欧州議会」は、中国のウイグル人権弾圧に対して制裁を科すことを議決した。制裁対象となったのは以下の4人と一つの機構である。 ●王君正(新疆ウイグル自治区・副書記、新疆生産建設兵...

バッハ会長の頭には「チャイニーズ・ピープル」しかない

バッハ会長が「日本人」を「中国人」と言い間違えたのは、ただ単なる「うっかりミス」だろうか?彼の頭には中国との利害関係しかなく、私たち日本人は東京2020を巡り「習近平+テドロス(WHO)+バッハ」の構図を直視しなければならない。 バッハ会長が「最も大切なのはチャイニーズ・ピープル」と 7月13日、IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長が、東京2020組織委員会の橋本聖子会長を表敬訪問した際、日本人の安全を訴える場面で「最も大切なチャイニーズ・ピープル」(中国の人々)と言い、あわてて「ジャパニー...

中国のことを最も好きな国はどこ? アメリカのことを最も好きな国はどこ?

<バイデン大統領の時代になってアメリカへの好感度はどうなった? 中国のことを好きな人が多い国は?> 他国への好感度はその国のリーダーの印象に大きく左右される。ピュー・リサーチセンターが今年2月から5月に17カ国で行った調査によれば、米中両国の好感度がそろって低調だった昨年と比べると、今年はバイデン大統領が誕生したアメリカの印象が劇的に改善した。 世界全体で平均61%が「好意的な印象」と答えた。好印象の割合が最も高いのは韓国の77%で、74%のイタリアや71%の日本が続く。 一方、習近平国家主席の支配...

中国共産党100周年式典は、習近平ただ1人を礼讃するイベントと化した

<共産党の未来は、習近平の未来。後継者指名を先送りにして強権支配を続ける習の前途に、毛沢東の教訓がちらつく> 世界有数の厳重飛行制限空域である北京の大通りの上空に現れたいくつものヘリ──中国共産党の結党100周年記念式典の最終リハーサルが始まったのは、本番の2週間前だった。 「100」の字を組んで編隊飛行するヘリが、私の自宅の窓の向こうを飛び過ぎていく。青・黄・赤のスモークをたなびかせたジェット機がその後を追い、けたたましい音を立てて天安門広場へ向かった。 100周年記念式典に際して軍事パレードは行...

東京五輪開催に反対する人は反日なのか?

安倍前首相が月刊誌で「反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している」と言っているが、そうだろうか? 反対しているのは主としてコロナ感染が広がり日本人の命が脅かされるのを心配しているからではないのか? 偶然、同月号に厳しく中国を非難する論考を書きながら、一方ではコロナ禍での東京五輪開催には反対している者として私見を述べたい。 安倍前首相の主張 安倍前首相が月刊誌『Hanada』における対談で、「東京五輪を政治利用する野党に向けた発言」という流れの中で、以下のように言っている。...

中山服をトップのみが着るのは中国政治の基本:建党100周年大会の構成と習近平演説を解剖

7月1日の建党100周年祝賀大会の構成と習近平の演説は強いシグナルを発していた。参加者が歓声を上げた個所は「人民の心」の表れだ。習近平だけが中山服を着ているのは中国の現役最高指導者のルールに過ぎない。 一、建党100周年祝賀大会の構成から見えるもの 大会冒頭の挨拶は民主党派の一つ「中国国民党革命員会」主席 何よりも驚くべきは、「中国共産党」の建党100周年祝賀大会だというのに、大会の冒頭の演説が習近平・中国共産党中央委員会(中共中央)総書記ではなく、中国国民党革命委員会の万鄂湘主席(全国人民代表大会...

中国共産党100周年、習近平の「今後」を予測する

<世界がその動きを注視するが、いま何を狙っているのか。人権状況はさらに悪化する、米中貿易戦争は当分終わらない、頭痛のタネが2つある......。4つの観点から今後を予測する> 世界は今やアメリカではなく中国を中心に回っているかのようだが、当の中国は今年後半以降、どうなっていくのだろうか。 4つの観点から予測すると――。 国内の重点課題 まずは7月1日の中国共産党結党100周年を盛大に祝い、党の、そして党の指導下にある国家の長寿と繁栄を習近平(シー・チンピン)国家主席の業績に重ね合わせる(なにしろ20...

建党100周年祝賀演劇大会、江沢民・胡錦涛等欠席させ「毛沢東と習近平」を演出

6月28日北京で建党100周年祝賀演劇大会が開催されたが、習近平は「毛沢東の新中国」と「習近平の新時代」を強調するため、鄧小平亡き今、江沢民政権と胡錦涛政権のトップを欠席させた。 中国共産党100周年を祝賀する演芸大会<偉大なる道のり> 6月28日夜、北京にある国家体育場(鳥の巣スタジアム)で「慶祝中国共産党成立100周年文芸演出」<偉大征程>(中国共産党100周年を祝賀する演芸大会<偉大なる道のり>)が開催された。 舞台が始まる前に、アナウンサーが「偉大なる党が、中国人民を新しい道へと邁進させ、新...

建党100年、習近平の狙い──毛沢東の「新中国」と習近平の「新時代」

建党100周年と米中覇権の分岐点に遭遇した習近平は、そのタイミングを最大限に利用して、毛沢東の「新中国」と習近平の「新時代」という二つの「新」に中国を区分し、一党支配体制の維持と対米勝利を狙っている。「父を破滅に追いやった鄧小平を乗り越える」結果が付随するのが、内心の狙いでもあろう。 「新中国」を建設した毛沢東 1949年10月1日に毛沢東が天安門の楼上で「中華人民共和国」誕生の宣言をした時には「今天、中華人民共和国成立了!(今日、中華人民共和国が成立した!)」と表現した。 天地に鳴り響き、大地を揺...