「貿易戦争」の記事一覧

「中国に甘いバイデン」は誤解、対中改善しようにも手は限られている

<では、どうするか。バイデンも中国の勢いを封じるため総力を挙げるが、求められるのは対立しつつ協力を仰ぐ高度な二正面作戦。トランプ時代と決定的に異なる対中戦略の3本柱、似て非なる戦術とは?> (本誌「バイデンvs中国」特集より) 史上最高齢でホワイトハウスの主となるジョー・バイデン。彼が米政界きっての外交通であることは周知の事実だが、その指導力が試されるのは中国との関係だ。この御し難い大国と対峙しつつも協力していく持続可能で実効性のある戦略を、果たして描けるだろうか。 言うまでもないが、前任者ドナルド...

暴走する中国の今後を左右するWTO事務局長選 米次期政権はどう向き合うべきか?

<次期事務局長選のポイントは、国際貿易ルールを破り続ける中国の責任を追及し、実効性ある改革を推進できる候補であるかが重要に> この数カ月、米大統領選に世界の関心が集まる一方で、もう1つの重要な選挙はほとんど注目されていない。それは、前任者の退任に伴い3カ月間空席となっているWTO(世界貿易機関)の次期事務局長選びである。問われているのは、中国の国際貿易ルール破りに対抗するために、実効性あるWTO改革を推進できるかという点だ。 国際貿易システムは、長らく機能麻痺に陥っている。トランプ米大統領は2度の大...

RCEPは「中国のクーデター」と危機感を強めるアメリカ、世界貿易の欧米離れを止められるか

<トランプがぶち壊してきた多国間貿易の枠組みを見直し、CPTPPへの復帰を再考せざるを得なくなる> 11月15日、アジア太平洋地域の15カ国が世界最大規模の貿易協定に署名した。これにより、世界貿易の欧米離れと東アジアへのシフトがさらに加速すると予想される。この東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は、2012年に中国の提唱によって始まり、その後なかなか交渉が進まなかったが、ドナルド・トランプ米政権が貿易保護主義を追求したことで、早期妥結の必要に迫られていた。アメリカはRCEPに参加していない。 RC...

中国の対米輸出がV字回復、制裁下でも増えた需要は?

<9月のアメリカへの輸出は前年同月比で20.5%増> 米トランプ政権の制裁関税にもかかわらず、中国が対米輸出を好調に伸ばしている。 9月の対米輸出は前年比20.5%増の440億ドル。中国経済が新型コロナウイルス感染拡大から急速に立ち直ったことが背景にあり、2020年第2四半期でコロナ禍以前の成長率を回復した最初の主要経済国になった。 9月の全輸出額も前年比9.9%増の2398億ドルに達し、前月比でも9.5%増加。マスクや医療品の需要も大きいが、トランプの中国テクノロジーたたきにもかかわらず、電気製品...

中国・超大国への道、最大の障壁は「日本」──そこで浮上する第2の道とは

<かつてアメリカが通った道か、歴史の常識を覆す新たな道か。習体制はどちらのアプローチを選ぶ?本誌「中国マスク外交」特集より> もはや、超大国になる野望を隠すつもりはないらしい。中国が世界のリーダーの地位をアメリカから奪おうとしていることに疑いの余地はない。その兆候は、世界中のあらゆる場所に表れている。 習近平国家主席は2017年、中国が「新時代」に突入したと宣言し、「世界の舞台で中心的な役割を果たす」と述べた。19年には米中関係が悪化するなかで、中国共産党政権の樹立に至る過程での長く厳しい戦いを引き...

中国「マスク外交」の野望と、引くに引けない切実な事情

<新型コロナ禍をいち早く克服して積極外交に打って出たが、あからさまなゴリ押しと欠陥品のせいで、かえって中国離れが進む。本誌「中国マスク外交」特集より> 新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)は、世界を根底から変えるだろう──。そんなことが、今や常識のように言われている。だが、コロナ後の世界秩序がどのようなものになるかについては、大きな議論がある。 このうち現在有力になりつつあるのが、世界における中国の台頭が加速する、という説だ。 これは一見したところ説得力がある。中国は当初こそ、事実...

限界超えた米中「新冷戦」、コロナ後の和解は考えられない

<貿易戦争はギリギリで回避したかにみえたが、パンデミックで米中対立は危険な局面へ。「中国もいずれ『普通の国』になると希望を抱く時代は終わった」。軍事面、経済面......米ソ冷戦との違いは何か。デカップリング以外の施策はあるか。本誌「米中新冷戦2020」特集より> いずれ中国もわれわれの仲間になる──。この漠然とした思い込みは、過去40年間、アメリカの対中政策の根幹を成してきた。だが今、その「言い出しっぺ」の1人が、とうに自明になっていた事実を認めつつある。 ロバート・ゼーリック米国務副長官(当時)...

コロナ禍、それでも中国から工場は戻ってこない

<パンデミックで打撃を受けた米企業がサプライチェーンの脱中国依存を図っても、アメリカに雇用が戻らない2つの理由。本誌「米中新冷戦2020」特集より> ドナルド・トランプ米大統領の掲げる「アメリカ第一主義」で、最も重要なのは雇用の国内回帰だ。2017年の就任演説でも「取り残される大勢のアメリカ人労働者のことを考えもせず、工場は次々と閉鎖され、国外へ出て行った」と非難し、自分の政権は「アメリカ人の仕事を取り戻す」と豪語していた。 あれから3年余り。新型コロナウイルスの感染拡大で10万人以上のアメリカ人が...

「切り離してはならない」米中デカップリングに第2次大戦の教訓

<新型コロナウイルス流行で加速する切り離し論。思い出すべきは大戦前夜の日米関係の教訓だ。デカップリングを選択すれば、予測不可能な地政学的影響を招くことにもなりかねない。本誌「米中新冷戦2020」特集より> 彼らを切り離してはならない──アジアの経済大国に駐在する米大使は本国の国務長官に宛てた電報で、そう告げた。「経済的余地」を与えなければ、彼らは力ずくで経済帝国を建設せざるを得なくなる、と。 だが歴史的な景気低迷のさなか、米政府は経済ナショナリストらの手中にあった。そのため、ジョセフ・グルー駐日米大...

中国、米農産品輸入停止を指示 トランプの対応次第で第1段階通商合意破棄も

トランプ米大統領が香港に対する優遇措置を撤廃する方針を示したことを受け、中国政府が国有企業に対し米国から大豆と豚肉の輸入を停止するよう指示したことが複数の関係筋の話で明らかになった。 中国全国人民代表大会(全人代)が5月28日に「香港国家安全法」の制定方針を圧倒的賛成多数で採択したことを受け、トランプ大統領は29日、香港に対する優遇措置を撤廃するよう政権に指示したと明らかにした。 こうした中、複数の関係筋は匿名を条件に、米国産のトウモロコシと綿の大規模な輸入がすでに保留されていることを明らかにし、ト...