「軍事」の記事一覧

中国が米衛星を破壊する宇宙兵器を配備──米情報機関

<地上発射型の対衛星兵器で、低軌道上の人工衛星の破壊や光学センサーの無効化を狙う> 新たな報告により、中国がアメリカの衛星を無効化する破壊的な宇宙兵器の配備を進めていることが明らかになった。 米国家情報長官室(ODNI)は4月13日に発表した毎年恒例の脅威評価報告書の中で、「中国は既に、地球低軌道にある衛星を破壊するための地上発射型対衛星兵器(ASAT)や、おそらくは衛星の光学センサーを無効化または損傷させるための地上発射型ASATレーザーを配備している」と述べた。通信衛星や偵察衛星などの衛星がなけ...

米艦船がバイデン就任後4度目の台湾海峡通過 中国軍機の台湾ADIZ侵入も急増で緊迫

<台湾海峡や南シナ海で軍事行動を活発化させるアメリカに対し、中国軍も不穏な動きを見せている> 緊張感が高まる台湾海峡を4月7日、米軍の駆逐艦が通過した。米海軍がこの発表を行った数時間前には、中国の軍用機15機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入したことを台湾政府が明らかにした。 ジョー・バイデンがアメリカ大統領に就任してから、米海軍ミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン」が台湾海峡を通過するのは2度目、ほかの駆逐艦も合わせると4度目となる。さらに現在、米海軍の「セオドア・ルーズベルト」空母打撃軍が南シ...

カミカゼ・ドローンで戦況は一変 米軍「最強」の座も危うい

<昨年のナゴルノカラバフ紛争では安価な戦闘用ドローンが大活躍。莫大な軍事力がなくても大国相手に戦える時代に> 現代の戦争では、敵軍を追跡し、殺すことがかつてないほど容易に、しかも安くできるようになった──これが昨年秋、ナゴルノカラバフ地域を実効支配していたアルメニアと、アゼルバイジャンの間で起きた紛争で、米軍の戦略家たちに突き付けられた現実だった。 アゼルバイジャンが市販のトルコ製ドローンや自爆攻撃を仕掛ける「カミカゼ・ドローン」を使って、アルメニアに勝利したのだ。 今や、安価な戦闘用ドローンが世界...

台湾・尖閣・南シナ海「トラブルメーカー」中国の野望をどう止める

<日米「2+2」で日本が真っ先に触れたのは台湾問題。挑発行為を繰り返し、軍事大国化する中国への警戒感が高まっているが、その真の狙い何なのか。それに対する米軍の次の一手とは> アジア太平洋地域を初の外遊先に選んだバイデン政権の閣僚は同盟国から、そして一部の米軍高官からも強く要請された。挑発行為を繰り返す地域のトラブルメーカー、中国を何とかしてくれ、と。 中国の威嚇的な行為は、軍事衝突を際どく回避しつつ、アメリカ主導の東アジアの地域秩序を自国主導につくり直す企ての一環だと、米国防総省の高官らはみている。...

冷戦終結以降の軍縮路線を捨てて「核軍拡」に舵を切るイギリス

<ロシアや中国などの脅威に対抗するため、核弾頭の数を増やすと発表した> イギリスが数十年ぶりに「核軍拡」に踏み切る。3月16日、ジョンソン英首相がこの先10年の安全保障と外交の方針として、冷戦終結以降、30年にわたって既定路線だった軍縮の方針を捨て、核弾頭の数を増やすと発表した。ロシアや中国など敵国からの脅威に対抗するためだという。 現在、イギリスの核兵器保有数は世界5位だ。今後、保有する核弾頭数の上限を現状の180から260に引き上げ、サイバー攻撃や生物兵器、化学兵器による破壊的な脅威に対抗するた...

英国は日本を最も重視し、「新・日英同盟」構築へ──始動するグローバル・ブリテン

<伝統的な世界国家に回帰しようという英国が、外交・安全保障の新たな方針を発表する。その要となるのはインド太平洋地域、そして日本との関係を同盟関係に引き上げることだ。同盟とはなにか。日本にとってどんな意味があるのか> 英国政府は3月16日、欧州連合(EU)離脱後の国家戦略「グローバル・ブリテン」に関する初めての戦略報告「Integrated Review(統合レビュー)」を発表する。 この報告は英国が過去50年にわたって欧州の安全保障に専念しながらも、いつか伝統的な世界国家に回帰しようと長期にわたって...

米バイデン政権初の外国訪問で国務・国防両長官が携えてきた対日不満

<中国に対抗する上で日本の防衛力強化が遅れていることを米側は懸念。たとえば米軍基地の強化は韓国のほうが日本より進んでいるという> 3月15日、アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官が、バイデン政権発足後初めての外国訪問として日本に到着した。2人は日本の茂木敏充外務大臣・岸信夫防衛大臣と外務・防衛閣僚会合を行う。背景には、影響力を拡大しつつある中国への対応と、ドナルド・トランプ前政権の4年間で揺らいだ同盟諸国との結束強化という2つの課題を早い段階で解決しておきたいという...

インドはどうやって中国軍の「侵入」を撃退したのか

<小競り合いが続いていたカシミール地方でインドが中国軍を押し返した戦術と戦略> インドと中国は2月10日、過去50年間で最大の衝突が生じていた国境紛争で、一部地域からの撤退を開始した。 実効支配線を挟んだにらみ合いは続いているが、今回問題となったインド北東部、ラダック地方のパンゴン湖周辺では、両軍が装甲車などを撤収する様子が衛星写真などで確認された。インドと中国は、領有権争いのある地域を「緩衝地帯」とも呼んでいる。 この結果にインドは大喜びしているに違いない。実効支配線を侵害してインド側に入り込んで...

黒人国防長官が挑む米軍のダイバーシティー

<アメリカにも軍隊にも深く根差した、人種差別意識と過激主義の排除に乗り出すロイド・オースティンの挑戦> アメリカ海軍は組織内から過激主義を排除し、兵員構成を人種的・性的に多様化する作業に邁進する――そう固く誓う公式報告が出た。1月6日に起きた連邦議会議事堂襲撃事件の捜査で、白人系反政府集団と米軍出身者の結び付きが明らかになったのを受けての対応だ。 あの事件で逮捕された者のうち、約20%が退役もしくは現役の軍人だった。海軍の人事部門を統括するジョン・ノウェル中将は本誌に、あのような過激思想は米軍の信ず...

バイデンが提唱する対中連携を拒否 シンガポールが中国と海上演習を実施

<アメリカは安全保障上の最大のパートナーだが、同時に中国との関係も絶対に悪化させたくないシンガポール> アメリカと中国が東南アジアで主導権争いを繰り広げるなか、シンガポールが今週24日、約5年ぶりに中国海軍との海上合同演習を実施した。 ジョー・バイデン米大統領は、中国がアジアで影響力を拡大させる現状に対抗する、いわゆる「民主主義国家の連携」を提唱している。しかしシンガポールのリー・シェンロン首相は、この考えを「冷戦型」と呼んで、参加を拒否する姿勢だ。 ビジネスを重視するシンガポールの外交政策を考慮す...