「選挙」の記事一覧

黒人の投票を制限する「現代のジム・クロウ法」にコカ・コーラやMLBが反対表明

<共和党の重鎮ミッチ・マコネルが「企業は政治に口を出すな」と擁護したジョージア州改正選挙法のからくり> ジョージア州で先月成立した、有権者の投票行動を制限する法律に対し、企業にも反発が広がっている。米大リーグ機構(MLB)やコカ・コーラ、デルタ航空などが反対を表明しており、上院のミッチ・マコネル院内総務(共和党)はこれらの団体や企業を「とても愚かしい」と批判した。 共和党が多数派を占めるジョージア州議会は今年3月、州の選挙法を大きく変更する改正案を可決した。ジョージア州のブライアン・ケンプ知事(共和...

「口だけ立派」なメルケル時代の終焉で、ドイツに押し寄せる厳しい現実

<メルケルの引退が迫るなかで与党CDUは迷走しているが、今こそドイツは巨大な構造的課題に取り組むべきだ> アンゲラ・メルケル時代が終わりに近づいている。その評価はどうであれ、2005年11月にドイツ首相に就任して以来、メルケルは独自の姿勢を貫いてきた。 政治における一時代が静かに幕を閉じることはまれだ。ドイツ政界のムッティ(お母さん)の「長いお別れ」も例外ではない。ここへきて、ドイツ政治はようやくヒートアップし始めた。 ドイツは相次ぐ地方選挙や州選挙、9月26日には総選挙が行われる「スーパー選挙イヤ...

米欧の研究で分かった、ポピュリスト政党の倒し方

<どの国でもポピュリズムの温床はラストベルト(さびついた工業地帯)。この地域で経済が再生し、人々が明るい未来を展望できるようになれば、選挙結果も変わってくる> (本誌「ポピュリズム2.0」特集より) アメリカにジョー・バイデン大統領が誕生して1カ月がたつ。 だが、バイデンが2020年大統領選で薄氷の勝利を挙げたミシガン州やペンシルベニア州、ウィスコンシン州などのラストベルト(さびついた工業地帯)では、今もドナルド・トランプ前大統領が唱えた過去へのノスタルジーとナショナリズム、そして排外主義を支持する...

トランプの敗北が世界的に見て「異例」だった理由

<米民主党は政権交代に成功したが、世界中、ポピュリスト政権を野党が選挙で蹴落とした例はごくわずか。なぜ勝てたのか。選挙戦で最も重要だったのは「過激に走らない程度の大胆さ」だった> (2月16日発売の本誌「ポピュリズム2.0」特集より) 独善的なポピュリストを選挙で追い落とすのは楽じゃない。先の米大統領選に関する多くの論評には、この点への言及が欠けていた。 世界中を見渡しても、独善と独断ゆえに大衆の支持を勝ち得た(つまり一度は選挙に勝った)指導者を、次の選挙で野党陣営が蹴落とした例はごくわずかだ。 こ...

米上院選、ジョージア州の民主党勝利でバイデン次期政権が手にした恩恵

<上院で多数派の座を奪還し、立法と行政の両方を手にした民主党だが、忘れてはいけないオバマ時代の教訓も> 1月5日にジョージア州で行われた2つの連邦上院議員選挙の決選投票で、民主党の新人ラファエル・ワーノック(51)とジョン・オソフ(33)が、それぞれ共和党の現職を破って当選した。 黒人牧師のワーノックと、ユダヤ系ジャーナリストのオソフが南部のジョージアで上院議員に選ばれたことは、それだけで歴史的快挙だ。だが民主党には、ほかにも喜ぶべき大きな理由があった。 この2議席により、民主党は上院で多数派の座を...

1月20日、トランプは「自分の大統領就任式」に出る?

<ネット上ではトランプ支持者がトランプの「2度目の就任式」を呼び掛け、すでに6万人が参加を表明している> ドナルド・トランプ大統領支持者が、来年の1月20日にトランプの「大統領就任式」を企画している。そして、同日に行われるジョー・バイデン次期大統領の就任式のかわりに、このイベントに出席するよう呼び掛けている。 「ドナルド・J・トランプ2度目の就任式」と称するフェイスブックのオンラインイベントには、32万7000件を超える回答があり、うち6万人が参加を予定している。説明書きによると、同イベントはトラン...

選挙無効からレイプ名誉棄損まで、トランプに保守派がノーを突き付ける

<トランプ陣営が起こした訴訟はほとんどが敗訴や棄却に終わっているが、大統領選絡みのものだけではない。保守派判事を大量に指名し、裁判を有利に運ぼうという思惑通りに行っていないのはなぜか> ドナルド・トランプ米大統領は再選にノーを突き付けられたことが気に入らないらしく、大統領選に不正があったと主張して譲らない。トランプ陣営は選挙結果に異議を唱えて次々に訴訟を起こしているが、今のところほとんどが敗訴や棄却に終わっている。 トランプは「最高裁まで戦い続ける」と誓ったが、戦いの行方は厳しい。12月8日には連邦...

バイデン勝利の陰の功労者は黒人女性政治家エイブラムス

<激戦州ジョージアの勝利を民主党にもたらしたのは、ステイシー・エイブラムスの地道な投票促進運動だった> 今年のアメリカ大統領選では誰もが、勝敗を決するのは東部ペンシルベニア州だと踏んでいた。あそこの選挙人(20人)を獲得した側が勝者になると。そして予想にたがわず、同州を制した民主党ジョー・バイデンが次期大統領の座をつかんだ。 だが結局のところ、2020年選挙で最重要だったのは、ほとんどの民主党員が捨てていたジョージア州だった、という評価になるかもしれない。もしもそうなったらバイデン政権与党の民主党は...

暴走する中国の今後を左右するWTO事務局長選 米次期政権はどう向き合うべきか?

<次期事務局長選のポイントは、国際貿易ルールを破り続ける中国の責任を追及し、実効性ある改革を推進できる候補であるかが重要に> この数カ月、米大統領選に世界の関心が集まる一方で、もう1つの重要な選挙はほとんど注目されていない。それは、前任者の退任に伴い3カ月間空席となっているWTO(世界貿易機関)の次期事務局長選びである。問われているのは、中国の国際貿易ルール破りに対抗するために、実効性あるWTO改革を推進できるかという点だ。 国際貿易システムは、長らく機能麻痺に陥っている。トランプ米大統領は2度の大...

【米下院選】陰謀論の「Qアノン」議員が続々誕生

<大統領選と同時に開催された連邦議会・州議会選挙で、Qアノン信奉者数人がれっきとした政治家デビューを果たした> 米大統領選挙と同時に実施された連邦下院議員選挙で、陰謀論を唱える「QAnon(Qアノン)」を支持する複数の人物が当選を確実にした。これで遂に、Qアノン信奉者から正真正銘の「政治家」が誕生することになる。 ジョージア州第14選挙区での当選を確実にしたのは、マージョリー・テイラー・グリーン。過激な陰謀論のみならず、人種差別や反ユダヤ主義、イスラム嫌悪などにも支持を表明してきた、Qアノン信奉者の...