「雇用」の記事一覧

中南米でコロナ禍の貧困が拡大 破れる中産階級の夢

新型コロナウイルスがチリに襲来したことで、47歳のベビーシッター、ロレナ・ロドリゲスさんは突然、仕事を失ってしまった。彼女は現金を確保するため、泣く泣く、何十年も大切にしてきた宝石類を質に入れることにした。 ラテンアメリカ諸国の半数以上の住民と同じように、ロドリゲスさんも非公式(インフォーマル)労働者であり、沿岸部の都市バルパライソの富裕な地域で[顧客の]2人の子どもの世話をしていた。夫と合わせて家計所得は月70万ペソ(約9万5000円)で、さして不満のない生活を送っていた。 だが3月になると、ロド...

アメリカ雇用回復が鈍化 コロナショック直撃職種に「失業長期化」の懸念

新型コロナウイルスのパンデミックが米国の労働市場に大打撃を与えてから半年余り。今も失業している数百万の人々は、たとえ以前に従事していた仕事に戻れるとしても、あと何年も先になる可能性があると覚悟しつつある。 夏場まで目覚ましかった米雇用情勢の改善は、足元で鈍ってきた。バーテンダーや家政婦といった旅行、娯楽、対個人サービス関係の仕事をしていた人たちは待機を強いられている。これらの業界が需要の冷え込みに対応しなければならず、米経済もパンデミック長期化の影響にさらされ始めたからだ。 米労働省が先週発表した9...

日本女性のフルタイム就業率は過去30年で低下した

<女性を安い労働力とみなした80年代以降の日本社会のひずみは、現在の未婚化・少子化に繋がっている> スウェーデンの教育学者エレン・ケイは「20世紀は児童の世紀」と言ったが、21世紀は女性の世紀、もっと限定すると「働く母親の時代」と言っていいだろう。 こういう意識は日本社会でも共有され、政府は毎年の『男女共同参画白書』で女性の就業率等のデータを公開している。その定番は、女性の労働力人口率の年齢カーブだ。このグラフは過去とくらべて形が変わっている。以前は結婚・出産期に谷がある「M字」型だったが、現在では...

失業者2600万人そっちのけの米景気回復はエネルギー不足

<雇用回復には追加の景気刺激策が必要だが、大統領選前は望み薄だ。9月からは新型コロナ拡大後半年が過ぎて失業保険受給資格を失うアメリカ人も急増する> 9月24日に米労働省が発表したアメリカの新規失業保険申請件数は、市場予想に反して前週よりも増加した。景気刺激策をめぐる与党・共和党と野党・民主党の協議が難航し、失業保険の受給者が2600万人を超えている現状について、アナリストたちは米経済が「雇用な回復」状態にあり、いずれガス欠になると指摘している。 エコノミスト、民主党や連邦準備制度理事会(FRB)議長...

仏ルメール経財相「ブリヂストンの仏工場閉鎖阻止に向け闘う」

フランスのルメール経済・財務相は17日、同国北部ベチューンにあるブリヂストン工場の閉鎖阻止と雇用の維持に向けた方策を模索する考えを示した。 ブリヂストンは16日、グループ会社が保有する仏べチューン工場の閉鎖に向けて関係者と協議に入ったと発表した。乗用車用タイヤを生産する同工場の従業員数は863人。 ルメール氏は、Cニュースのインタビューで「ブリヂストンは最悪の決定を下した。そのやり方ともたらす影響はひどいものだ。われわれは闘う」と語り、「より魅力的な結果が出るよう奮闘し、他の選択肢がないか吟味してい...

コロナ禍による将来展望の悪化が、若者のメンタルを蝕んでいる

<経済状況の悪化が深刻になるなかで、夏以降20代以下の若年層の自殺が増加傾向にある> 今年8月の日本全国の自殺者数は1849人で、前年同月よりも246人増加した。コロナ渦による経済状況の悪化に伴い自殺の増加は懸念されていたが、2~6月は前年を下回っていた。だが7月は前年を上回り、8月は250人近く増える事態になっている。 コロナの影響が長期化するなか、貯蓄が底をついた、孤独に耐えられなくなったなど、国民の自助も限界に達しつつある。なお8月の自殺者の増加分246人のうち、186人(75.6%)は女性だ...

「韓国・文在寅の最低賃金引き上げは失策」説を信じるな 国家の大問題を語る人よ、落ち着け

オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。退職後も日本経済の研究を続け、日本を救う数々の提言を行ってきた彼は、このままでは「①人口減少によって年金と医療は崩壊する」「②100万社単位の中小企業が破綻する」という危機意識から、新刊『日本企業の勝算』で日本企業が抱える「問題の本質」を徹底的に分析し、企業規模の拡大、特に中堅企業の育成を提言している。今回は、「最低賃金を引き上げると、韓国のように経済がボロボロにな...

米、白人と黒人との失業差が過去5年で最大に

米国で黒人と白人の失業率の格差が過去5年間で最大に広がったことが分かった。 それによると、6月の白人の失業率は2.3%ポイント改善し10.1%だったのに対し、黒人の失業率は1.4%ポイント改善の15.4%となり、両者の格差は5.3%ポイントと2015年5月以降で最大となった。 新型コロナウイルスの感染拡大は過去最長の景気拡大に終止符を打つとともに、とりわけ黒人やヒスパニック系などの有色人種や女性などの労働者を直撃している。 昨年8月時点で、黒人の失業率は5.4%と過去最低を記録し、黒人と白人の失業率...

コロナショックが日本経済直撃、完全失業率5月は2.9%に悪化 有効求人倍率は46年ぶり低下幅

総務省が30日に発表した5月の完全失業率(季節調整値)は2.9%で、前月(2.6%)を上回った。新型コロナウイルスの影響で、2017年5月(3.1%)以来、3年ぶりの高水準となった。ロイターの事前予測調査は2.8%だった。 完全失業率は2018年から20年2月まで2%台前半と低水準で推移してきたが、コロナショックで経済活動が停滞したことを受け、3カ月連続で上昇している。 厚生労働省が発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は1.20倍で、前月から0.12ポイント低下。2015年7月(1.20倍)以来...

日本の「給料安すぎ問題」の意外すぎる悪影響 日本経済の歪みの根本にある「monopsony」とは

オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。退職後も日本経済の研究を続け、日本を救う数々の提言を行ってきた彼は、このままでは「①人口減少によって年金と医療は崩壊する」「②100万社単位の中小企業が破綻する」という危機意識から、新刊『日本企業の勝算』で日本企業が抱える「問題の本質」を徹底的に分析し、企業規模の拡大、特に中堅企業の育成を提言している。今回は、労働者を雇う会社側の力が強くなりすぎ、労働者が「安く買い...