「BLM」の記事一覧

映画館再開で、クリストファー・ノーランが最初に観た作品

米カリフォルニア州ロサンゼルス郡は3月15日、新型コロナにより閉鎖されていた映画館の約1年ぶりの営業再開を認めた。 ハリウッドがあるロサンゼルスは映画産業のシェアで全米1位を誇るだけにその意義は大きい。 再開初日には、『インターステラー』や『ダンケルク』、『TENET テネット』で知られる大物監督クリストファー・ノーランも映画館に駆け付けた。 ノーランが鑑賞した作品は? 黒人解放運動の活動家を描いたシャカ・キング監督の伝記映画『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』(日本未公開)だ。 ====...

銃社会アメリカの「スキルの低い警官」と警察内人事制度の関係

<なぜ銃規制が一向に進まないのか。なぜ白人警官による黒人市民の殺害が起こるのか。それを知るためには、アメリカの複雑な警察組織を理解する必要がある> 米ミネソタ州ミネアポリスで「ジョージ・フロイド事件」が起きたのは2020年5月のこと。アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイド氏が白人警官に首を8分46秒圧迫され命を落としたこの事件は、「BLM(ブラック・ライブズ・マター)」運動へ結びついていった。 そのため必然的に警察への批判が高まっていったわけだが、批判の根底にあるもの、そして白人警官による黒人市民...

BLM支持のBTSを生んだ韓国で、反差別運動が盛り上がらない訳

<世界的なBLM運動に韓国人が連帯しないのはなぜか──その理由は、長い間直視できていない自国の差別の現実にある> この夏、世界中の人々が街頭でデモに加わり、アメリカのBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動に対する支持を表明したとき、私は1人の韓国人として、韓国でも連帯のデモが行われるものと思っていた。 なにしろ、韓国の民衆が大規模デモにより当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領を退陣させたのは、わずか数年前のことだ。それに韓国は、Kポップの人気ボーイズグループ、BTS(防弾少年団)を生ん...

混迷の時代に笑いの力を──トレバー・ノアが考えるコメディーの役割とは

<ノア曰く「コメディーは苦い薬を飲み下すためのスプーン1杯分の砂糖」だが、今年はかつてないほど「薬」が多いと言う> 今年の大混乱の文脈を読み解くのに誰よりも適したコメディアンがいるなら、それはトレバー・ノアだ。 政治風刺番組『デイリー・ショー』の司会者で南アフリカ出身のノアは、新型コロナウイルス危機からBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動まで、外出がままならないなかで現状を理解しようとする視聴者を代弁してきた。 物事がうまくいっていないときこそ、最もリラックスして番組に臨めると、...

トランプを勝たせるのはアメリカで進行中の「文化戦争」

<11月3日に迫る大統領選では社会的正義や人種問題をめぐる価値観、イデオロギーに基づく対立が最大の争点に。選挙の決着は同時にBLM運動への国民の評決でもある> 1992年の米大統領選を前に、ビル・クリントン陣営の選挙参謀ジェームズ・カービルは「当然、経済だ!」というスローガンを生み出した。アメリカが景気後退から回復するなか、経済がクリントン勝利のカギの1つだと見抜いていたのだ。 では2020年の大統領選のカギとなる争点は何だろう。新型コロナに対する世界のお粗末な対応のせいで大混乱に陥った経済を立て直...

トランプ、黒人差別デモに発砲した白人少年は「正当防衛」

<あの少年は「撃たなければ殺されていたかもしれない」と、トランプが自分の支持者をかばって人種差別を容認するうち、ポートランドではまた新たな死者が> 米大統領ドナルド・トランプは、8月25日にウィスコンシン州ケノーシャで行われていた抗議デモ中に発砲し、2人を殺害した罪に問われている17歳の少年について、正当防衛だったのではないかと示唆した。 「あれは興味深い状況だった。少年は逃げようとしていたが、転んでしまい、周囲にいた人間から激しい暴力をふるわれたように見える」。トランプは8月31日に行われたブリー...

17歳白人少年がデモ隊に発砲、「ウィスコンシンの悲劇」で揺らぐアメリカ建国理念

米ウィスコンシン州がBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動で炎上している。 8月23日、同州ケノーシャで黒人男性が警官に背後から複数回撃たれる事件が発生し、抗議デモが。デモ隊に向けて17歳の白人少年が発砲し2人の死者を出すなど騒然とした状況が続いており、略奪や放火も横行した。 24日夜には同州保護観察局の建物も燃やされるなど(写真)、アメリカの建国の理念は今、大きく揺れている。 <2020年9月8日号掲載> 【関連記事】米ウィスコンシン州のデモ隊銃撃でトランプが米軍を召集 【関連記...

日本人が知らない、アメリカ黒人社会がいま望んでいること

<BLM運動が起こり、「構造的差別」に対するアメリカ社会の意識が変わり始めた。日本まではなかなか伝わってこない黒人社会の慟哭を、ピュリツァー賞受賞ジャーナリストが長編ルポで描く。本誌「Black Lives Matter」特集より> その日、米テキサス州ヒューストン選出の連邦下院議員アル・グリーン(民主党)は、ヒューストンで開かれたジョージ・フロイド(46)の告別式会場の最前列で自身がスピーチする番を待っていた。フロイドは、今年5月25日にミネソタ州ミネアポリスで首を白人警官の膝で押さえられ、無念の...

ブラック・パンサーの敗北がBLM運動に突き付ける教訓

<警察とFBIは徹底的に黒人解放運動の組織を憎悪し壊滅させた。71歳の元ブラック・パンサー構成員が危惧する今のBLM運動の問題とは? 本誌「Black Lives Matter」特集より> 5月末からアメリカで勢いづいているBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動は、世界中の人々の心をわしづかみにしている。 ニュースサイトwburによると、5月25日以降、BLM運動に関連した抗議活動は全世界で3960件を超える。アメリカだけでなくベルギーやイギリスでも、植民地支配を象徴する歴史上の人...

母親の手記「真の正義を手にするまで私は決して諦めない」

<今回の黒人差別反対運動の発端となったジョージ・フロイド事件の前にも、同じように警察の暴力で息子を失った女性がいた。その痛みと願いを本誌に寄稿。「Black Lives Matter」特集より> 私がジョージ・フロイドのことを知ったのは事件の翌朝だった。電話してきた記者から、彼がどのように亡くなったのかを聞いたとき、たちまち心に強烈な痛みを感じた。 思い出したのは2014年7月17日のことだ。その日、私の息子エリック・ガーナーは警官に腕で首を絞め付けられ、それが原因で死亡した。 涙があふれた。エリッ...