「BLM」の記事一覧

ジョージ・フロイドの死から1年、BLM運動の聖地で突き上げられるこぶし

<BLM運動が燃え広がるきっかけとなった黒人男性の殺害事件から1年、現場には多くの人が集まって追悼した> 米ミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドが白人警官に首を押さえ付けられ死亡した事件から1年がたつ5月25日。事件現場ではBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動のシンボルであるこぶしを突き上げる彫刻を囲み、多くの人が追悼した。 白人警官には殺人罪の有罪評決が下ったが、アメリカでは今も人種差別と警察の暴力に対する戦いが続く。...

ジョージ・フロイド事件「有罪」で実現しなかった「正義」とは何か

<評決により説明責任は果たされたが、2013年以降に9000人が警官に殺されてきたアメリカに必要なのは、警官の「非武装化」などの改革だ> ミネソタ州地裁の陪審は4月20日、昨年5月25日に黒人男性ジョージ・フロイドが殺された事件について、ミネアポリスの元警官デレク・ショービンに意図せざる第2級殺人、第3級殺人、第2級過失致死で有罪評決を出した。 全米中のオフィスと家庭、そしてストリートで無数の人々がほっと息をついた。フロイドはあの日、首に膝を押し当てられ、9分29秒間も息をつけない状態に置かれ続けた...

地下鉄で移動し、反人種差別の怒りを燃やすデモ隊

人種差別抗議デモが全米に拡大するきっかけとなった黒人暴行死事件の舞台である米ミネソタ州ミネアポリスで、4月11日、20歳の黒人男性が白人警官に射殺された。 警官はスタンガスと間違って本物の銃を発射し、男性を射殺した可能性がある。事件後に辞職し、訴追された。 繰り返される悲劇に、怒りの炎がまたも各地に飛び火している。略奪や暴力も発生した。 首都ワシントンでは12日、黒服姿のデモ隊が移動しながら町を練り歩いた。地下鉄の駅では改札を飛び越える抗議者も。 ===== 地下鉄で移動、車内でもシュプレヒコール ...

映画館再開で、クリストファー・ノーランが最初に観た作品

米カリフォルニア州ロサンゼルス郡は3月15日、新型コロナにより閉鎖されていた映画館の約1年ぶりの営業再開を認めた。 ハリウッドがあるロサンゼルスは映画産業のシェアで全米1位を誇るだけにその意義は大きい。 再開初日には、『インターステラー』や『ダンケルク』、『TENET テネット』で知られる大物監督クリストファー・ノーランも映画館に駆け付けた。 ノーランが鑑賞した作品は? 黒人解放運動の活動家を描いたシャカ・キング監督の伝記映画『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』(日本未公開)だ。 ====...

銃社会アメリカの「スキルの低い警官」と警察内人事制度の関係

<なぜ銃規制が一向に進まないのか。なぜ白人警官による黒人市民の殺害が起こるのか。それを知るためには、アメリカの複雑な警察組織を理解する必要がある> 米ミネソタ州ミネアポリスで「ジョージ・フロイド事件」が起きたのは2020年5月のこと。アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイド氏が白人警官に首を8分46秒圧迫され命を落としたこの事件は、「BLM(ブラック・ライブズ・マター)」運動へ結びついていった。 そのため必然的に警察への批判が高まっていったわけだが、批判の根底にあるもの、そして白人警官による黒人市民...

BLM支持のBTSを生んだ韓国で、反差別運動が盛り上がらない訳

<世界的なBLM運動に韓国人が連帯しないのはなぜか──その理由は、長い間直視できていない自国の差別の現実にある> この夏、世界中の人々が街頭でデモに加わり、アメリカのBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動に対する支持を表明したとき、私は1人の韓国人として、韓国でも連帯のデモが行われるものと思っていた。 なにしろ、韓国の民衆が大規模デモにより当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領を退陣させたのは、わずか数年前のことだ。それに韓国は、Kポップの人気ボーイズグループ、BTS(防弾少年団)を生ん...

混迷の時代に笑いの力を──トレバー・ノアが考えるコメディーの役割とは

<ノア曰く「コメディーは苦い薬を飲み下すためのスプーン1杯分の砂糖」だが、今年はかつてないほど「薬」が多いと言う> 今年の大混乱の文脈を読み解くのに誰よりも適したコメディアンがいるなら、それはトレバー・ノアだ。 政治風刺番組『デイリー・ショー』の司会者で南アフリカ出身のノアは、新型コロナウイルス危機からBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動まで、外出がままならないなかで現状を理解しようとする視聴者を代弁してきた。 物事がうまくいっていないときこそ、最もリラックスして番組に臨めると、...

トランプを勝たせるのはアメリカで進行中の「文化戦争」

<11月3日に迫る大統領選では社会的正義や人種問題をめぐる価値観、イデオロギーに基づく対立が最大の争点に。選挙の決着は同時にBLM運動への国民の評決でもある> 1992年の米大統領選を前に、ビル・クリントン陣営の選挙参謀ジェームズ・カービルは「当然、経済だ!」というスローガンを生み出した。アメリカが景気後退から回復するなか、経済がクリントン勝利のカギの1つだと見抜いていたのだ。 では2020年の大統領選のカギとなる争点は何だろう。新型コロナに対する世界のお粗末な対応のせいで大混乱に陥った経済を立て直...

トランプ、黒人差別デモに発砲した白人少年は「正当防衛」

<あの少年は「撃たなければ殺されていたかもしれない」と、トランプが自分の支持者をかばって人種差別を容認するうち、ポートランドではまた新たな死者が> 米大統領ドナルド・トランプは、8月25日にウィスコンシン州ケノーシャで行われていた抗議デモ中に発砲し、2人を殺害した罪に問われている17歳の少年について、正当防衛だったのではないかと示唆した。 「あれは興味深い状況だった。少年は逃げようとしていたが、転んでしまい、周囲にいた人間から激しい暴力をふるわれたように見える」。トランプは8月31日に行われたブリー...

17歳白人少年がデモ隊に発砲、「ウィスコンシンの悲劇」で揺らぐアメリカ建国理念

米ウィスコンシン州がBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動で炎上している。 8月23日、同州ケノーシャで黒人男性が警官に背後から複数回撃たれる事件が発生し、抗議デモが。デモ隊に向けて17歳の白人少年が発砲し2人の死者を出すなど騒然とした状況が続いており、略奪や放火も横行した。 24日夜には同州保護観察局の建物も燃やされるなど(写真)、アメリカの建国の理念は今、大きく揺れている。 <2020年9月8日号掲載> 【関連記事】米ウィスコンシン州のデモ隊銃撃でトランプが米軍を召集 【関連記...