「IT」の記事一覧

菅首相の肝いりデジタル戦略を待ち構える2つの「罠」

菅義偉新首相のデジタル戦略を金融市場も期待を持って見つめている。規制改革の一環として、行政のデジタル化に意欲をみせていることが、世界的な株価調整の中で、日本株が比較的底堅い動きをしている理由の1つだ。抵抗勢力に負けず原則を貫けるのか──。ポイントとしてみられているのが、適用除外と予算膨張だ。 骨抜きの懸念 日本の行政デジタル化への施策は今に始まったことではない。これまで約20年、何度となく法律が制定されてきた。行政のデジタル化に関する基本原則や個別施策を定めた「デジタル手続法」は2019年5月に国会...

政府デジタル改革会議、強力な司令塔のデジタル庁設置へ マイナンバーの各種免許・資格とひも付けから

政府は23日午前、デジタル改革閣僚会議の初会合を開催し、従来とは一線を画した強い組織を立ち上げる方針を示した。優先課題として、菅義偉首相が官房長官時代から取り組みを推進してきたマイナンバーと各種免許や国家資格との一体化や、給付金振り込みの早期実現に向けた預貯金口座とのひも付けの在り方などに取り組む。 菅首相は会議で、平井卓也デジタル改革担当相が中心となって取り組み、壁を突破してほしいとし、各閣僚に対しこの大きな改革に全力での協力を要請した。 また加藤官房長官はその後の記者会見で、デジタル化の利便性を...

グーグル、フェイスブックがインドの通信会社に巨額出資する理由

<インド企業ジオ・プラットフォームズが4月以降に米大手各社から受けた出資は200億ドル以上に> グーグルは7月15日、インドの財閥リライアンス・インダストリーズ傘下の通信会社ジオ・プラットフォームズに45億ドルを出資すると発表した。4月には、フェイスブックも57億ドルの出資で合意している。 ジオは4月以降で、米半導体大手インテルなど大手各社から200億ドル以上の出資を受けている。インドのスタートアップ全体への昨年1年間の出資総額が145億ドルだったことを考えると画期的だ。 これにより、ジオ側が5G通...

導入進む「ダイナミックプライシング」 コロナ不況下の家計にはどう影響する?

<意外に広がる「ダイナミック・プライシング」は、正しい情報を早く入手した者が勝つ非情な仕組み。本誌「コロナ不況に勝つ 最新ミクロ経済学」特集より> 近年、販売価格をリアルタイムで変動させる「ダイナミック・プライシング」を導入する企業が増えている。目的は収益の最大化だが、利用者にとっても、価格変動を逆手にとって安く商品を購入できるようにも思える。コロナ危機によって経済が混乱するなか、「定価」がなくなることは消費者にとってどのような意味があるのだろうか。 日本では商品は定価で買うものという認識が強いが、...

中国の5G戦略が世界をリードする

<コロナ危機で各国の5G導入が遅れるなか、中国は国家主導でインフラ整備を着々と進めている> 新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限が完全には解けていないのに、中国は5G関連プロジェクトにエネルギーを注入している。北京の中央政府は「5Gネットワークの建設へ向けて邁進する」とうたい上げた。 中国の国有通信事業3社は、既に100億ドル相当に迫る5G契約を締結し、今年中に5G機器に255億ドルを投資する予定だ。さらに中国の全都市に5Gの通信サービスを提供するため、基地局を約50万基新設する。これまでのと...

スマホは使うがパソコンは苦手──コロナ禍で露呈した日本の労働力の弱点

<日本は新型コロナウイルスの危機を、労働生産性の向上を促すカンフル剤とすべきだ――。本誌「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集より> かつての日本は、ハイテクの国であった。ところが現在ではIT化が遅れ、労働生産性もイタリアやスペインといった南欧諸国より低い。 日本は高齢化による若年男性労働者数の減少を高齢者と既婚女性のパート就業率を高めることで対処したので、労働力の質が下がり、労働生産性が落ちたという人もいる。しかし、やはり超高齢化が進むドイツは日本同様、高齢男性と既婚女性のパートタイム労働の...