「LGBT」の記事一覧

LGBT擁護に立ち上がったルクセンブルク首相「同性愛は『選んで』なるものではない」

<自らも同性愛者であることを公表しているベッテル首相が、LGBT情報を制限するハンガリーの新法を痛烈批判> ルクセンブルクのグザヴィエ・ベッテル首相は、同性愛者であることを公表している。そんな彼が、このたび成立したハンガリーの新しいLGBT法を痛烈に批判した。 新法は、未成年がLGBT関連のコンテンツを視聴することを禁止するもの。これに対してベッテルは、自分はテレビドラマ「モダン・ファミリー」(2009年に米ABCで放送開始)を観た影響でゲイになったわけではないと発言した。 この法律は6月23日、ハンガリーのアーデル・ヤーノシュ大統領が署名して成立したが、欧州連合(EU)のリーダーたちからは怒りの声が上がっている。この法律により、ハンガリーの18歳未満の人々は、性教育番組から映画、広告まで、LGBT問題や同性愛、性転換に関するコンテンツを見ることを禁止される。 ベッテルは、「ゲイであることは選択ではない。私の場合、何かの広告や、モダン・ファミリーを見た翌日、目覚めたらゲイになっていたわけではない」とコメントした。「人生はそんなものではない。人生は......元から私の中にあったものだ。選んだ結果ではない」 この発言は、ベルギーのブリュッセルでEUサミットが開幕する前に行われたものだ。ベッテルはこのサミットで、LGBT法案の推進役を務めたハンガリーのヴィクトル・オルバン首相と顔を合わせることになっていた。 「自分自身を受け入れるだけでも、非常に難しいことだ。さらに社会的烙印を押されるようなことがあったら......とても手に負えない」 同性愛と小児性愛を結び付ける法律 ヨーロッパで最も小さく、最も豊かな国のひとつを率いるベッテルは、ユーモアのセンスとスマートな着こなしが光る人物だ。しかし、EUサミットが開幕した24日は意気消沈し、失望しているように見えた。 決して今回が初めてという訳ではないが、ベッテルは、自身のセクシュアリティについて公の場で話さざるを得ないと感じたようだ。 今回は、ハンガリーの新法が原因だ。この法律は子供たちを守ることが目的だとハンガリー政府は主張しているが、同性愛と小児性愛を結び付けているという批判が出ている。人権団体からも、同法案は強く非難されている。 6年前にパートナーの男性と結婚したベッテルは、この法律は現実と懸け離れていると考えている。 「私にとって最も難しかったのは、同性のこの人を好きだと気付いたとき、そんな自分を受け入れることだった。そのことを両親に言うのも、家族に言うのも、難しいことだった」とベッテルは振り返る。「それを受け入れることができず、多くの若者が命を絶っている」 ===== ベッテルは、「小児性愛、同性愛、ポルノ」が混同されていることに苦言を呈する。 現在48歳で、以前はテレビのトーク番組の司会者だったベッテルは、取材陣に対してこう語った。「私は以前、若い同性愛者だった。今も同性愛者だ。今の私はそれほど若くはないが、自分を危険な存在とは思っていない」 「国中から非難されること、普通ではないと思われること、若者にとって危険な存在と見なされること。それはゲイが『選択ではない』と、気がついていないことを意味する。しかし、不寛容であることは『選択』だ。私は、不寛容に対して不寛容であり続ける。それはこれからも、私の戦いになるだろう」 EUからの追放もあり得る? ハンガリーからEUサミットの会場に到着したオルバンは、この法律を撤回する可能性を否定した。すでに「官報に掲載」されている法律だとオルバンは説明し、自分はゲイの権利の擁護者だと述べた。 「共産党政権の時代、私は自由の戦士だった。当時は同性愛が罰せられていた時代で、私は彼らの自由と権利のために戦った。今も、同性愛者たちの権利を守ろうとしている。しかし、この法律は彼らに関するものではなく、子供と親の権利を守るためのものだ」 ベッテルは、「言っておかなければいけないことがある。私はこれまで、オルバン氏を尊敬してきた」と前置きしつつ、EU加盟は一方通行の道ではないと語った。「ヨーロッパは、法律と助成金だけを問題にするのではなく、権利と義務についても問題にする」 ルクセンブルクの首相が立ち上がったのはこれが初めてではない。2019年にエジプトで開催されたEUとアラブ連盟のサミットでも、ベッテルはアラブ諸国のリーダーに対し、自分は男性と結婚しており、おそらくアラブの多くの国では死刑になるだろうと発言した。 ベッテルはその後、「私には、何も言わないという選択肢はなかった」とツイートしている。 (翻訳:ガリレオ) ===== Congrats to Luxembourg's Prime Minister Xavier Bettel on his wedding to Gauthier Destenay! http://t.co/ZQ9nuxqns9 pic.twitter.com/RkiqXBov1X— Freedom to Marry (@freedomtomarry) May 15, 2015 15年にベルギー人建築家ゴティエ・デステネ(左)と結婚 White House excludes gay first spouse of Luxembourg from photo caption https://t.co/4SuUULlbH4 pic.twitter.com/cTdgukrZEy— Newsweek (@Newsweek) May 27, 2017 17年、NATOサミットに合わせて催された「ファーストレディ」の夕食会に出席したデステネ

LGBT情報は教育に悪い? ハンガリー政府が性的少数者を敵視する理由

<保守的なオルバン首相率いる与党フィデスが、LGBT情報の未成年への流通を禁止する法改正を強行> ハンガリーで6月15日、同性愛や性転換に関する情報を18歳未満に対して広めることを制限する改正法案が可決され、議論を呼んでいる。 同法案は、保守的なオルバン首相率いる与党フィデス・ハンガリー市民連盟が小児性愛禁止を目的として議会に提出したもの。その中で、同性愛や性転換に関する情報も、学校教育や未成年を対象にした映画・広告で流通させることを禁じるよう改正された。 人権団体は、小児性愛とLGBTの同一視は間...

「男性」「女性」という言葉が出てこない、あらゆる人のためのセックス・ハウツー本

<愛の国フランスで13万部のベストセラーになった『あなたのセックスによろしく』が日本上陸。挿入を必ずしも前提としていないという、ユニークだが真面目で楽しい本だ> ※本稿は一部書店で配布される『あなたのセックスによろしく――快楽へ導く挿入以外の140の技法ガイド』(ジュン・プラ著、CCCメディアハウス)の特製パンフレットに寄せられた解説文を転載したものです。 ◇ ◇ ◇ まずタイトルに少しびっくりした。ただ読んでみると、デリケートな問題を真面目に楽しく扱った良い本だった。 フランス語の原題は『快楽クラ...

イランで同性愛の男性を親族が惨殺

<革命防衛隊から届いた兵役免除通知で同性愛を知った親族の男3人に首を切断された疑い> イランで5月上旬、20歳のアリレザ・ファゼリ・モンフェアド(通称アリ)が、同性愛者であることを理由に殺害される事件があった。アリが同性愛を理由に兵役を免れたと知った男性親族3人が、彼の首を切って殺したものとみられている。 fanpage.it/YouTube 報道によれば、イラン南西部アフワーズ出身のアリは、5月4日に殺害された。ロンドンに拠点を置くペルシャ語放送局のイラン・インターナショナルが8日に報じたところに...

トランスジェンダーの選手は女子競技に出るべきでない…五輪金メダリストの発言が物議

<生物学的には男性であるトランスジェンダーのアスリートが、女子選手として競技に出場するのはフェアではないのか> モントリオール五輪の陸上・十種競技で金メダリストを獲得したケイトリン・ジェンナー(71)は、ケンダル・ジェンナーとカイリー・ジェンナーの実父で、キム・カーダシアンの義父というセレブ一家の一員でもある。そんなジェンナーは、過去にトランスジェンダーであることを公表し、ブルース・ジェンナーから現在の名前に改名した経歴もアメリカではよく知られている。 4月にカリフォルニア州知事選への出馬を表明して...

トランスジェンダーの選手は女子競技に出るべきでない…五輪金メダリストの発言が物議

<生物学的には男性であるトランスジェンダーのアスリートが、女子選手として競技に出場するのはフェアではないのか> モントリオール五輪の陸上・十種競技で金メダリストを獲得したケイトリン・ジェンナー(71)は、ケンダル・ジェンナーとカイリー・ジェンナーの実父で、キム・カーダシアンの義父というセレブ一家の一員でもある。そんなジェンナーは、過去にトランスジェンダーであることを公表し、ブルース・ジェンナーから現在の名前に改名した経歴もアメリカではよく知られている。 4月にカリフォルニア州知事選への出馬を表明して...

同性愛者であることを明かさないまま逝った母へ

<私は両親がハグやキスをするのを見た記憶がない。母が遺したメモには「レズビアン」という言葉があった> 私の母は、世間の母親たちとは違っていた。金髪で高貴なほど美しく、内省的で謎めいていて、まばゆいばかりの笑顔の持ち主だった。彼女が現れると誰もが目を奪われた。 1954年に母と出会ったとき、父は英ケンブリッジ大学で古典の研究をしていた。母は父の父親が営む家具店で事務の仕事をしていた。おばのジュディによれば、互いに一目ぼれだったらしい。 両親は父が法学を修めるとすぐに結婚した。父はイギリス中部ドンカスタ...

ラピノー、吠える 全米25州でトランスジェンダーの子供のスポーツ試合出場が禁止される?

<米女子サッカーのスター選手ラピノー、スポーツ界に性同一障害の子供の受け入れを訴え> アメリカでは最近、トランスジェンダー(性同一性障害)の子供がスポーツ試合に参加することを法律で禁じる動きが目立っている。そんな中、女子サッカーのスター選手ミーガン・ラピノーは、こうした動きを非難する文章を新聞に寄稿、「差別はすべての人を傷つける」と訴えた。 寄稿が掲載されたのは28日付のワシントン・ポストで、ラピノーはトランスジェンダーの選手を差別する法律は「LBGTQ(性的少数者)への激しい政治的攻撃」の一環だと...

「家族の同性愛を受け入れられるか」──中国LGBTドキュメンタリーが問うエゴ、分断そして和解

<中国の若者が、親に同性愛者であることをカミングアウトする過程とその葛藤に密着したドキュメンタリーが問い掛けるエゴと分断と和解> いずれも上海で暮らすゲイの谷超(グーチャオ)とレズビアンの安安(アンアン)という2人の若者。学習塾で講師として働き生活するグーチャオは旧正月に久しぶりに実家に戻り、2年前に書いた手紙を読み上げる形で父親にカミングアウト(出櫃)する。19歳の頃母親に打ち明けたが受け入れられなかったアンアンもまた、支援団体の力も借りて再度母との和解を試みる。 離婚後、女手ひとつでアンアンを育...

ローマ教皇「同性愛者は神の子であり法的保護を」明確な擁護発言

ローマ教皇フランシスコは、同性カップルはパートナーシップ制度「シビルユニオン」によって法的に保護されるべきとの見解を明らかにした。 21日にローマ国際映画祭で初上映されたエフゲニー・アフィネフスキー監督作のドキュメンタリー「Francesco」の中で述べたもので、7年前の即位以来最も明確に同性カップルの権利を擁護する姿勢を表明した。 教皇は、「同性愛者は神の子であり、家族の中に存在する権利がある。(同性愛者であることによって)放り出されたり、惨めな状況におかれたりすることがあってはならない」と語った...